平成28年度 ポスターコンクール審査結果

最優秀賞(各部門)
鈴木 佑佳さん
小学生の部
上山 哲太さん
中学生の部
則武 咲良さん
高校生の部
平野 由樹乃さん
一般の部
※高校生の部  則武 咲良さんの作品が平成28年度「世界エイズデー」ポスターに選ばれました。
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平成28年度「世界エイズデー」ポスターコンクール講評

審査員長 中島邦信

 本年度の「世界エイズデー」ポスターコンクールの応募は、小学生の部12点、中学生の部127点、高校生の部194点、一般の部108点の計441点でした。9月27日にポスターコンクール審査会(第一次審査)が開催され、それらの中から小学生の部11点、中学生の部21点、高校生の部17点、一般の部15点が選ばれました。10月4日に同審査会(第二次審査)が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作最大3点が選ばれ、最後に最優秀賞作品の中から啓発普及用ポスターに使用する作品の選考が行われました。
 二次審査会では今年も真摯な、熱い意見が交わされ、特に啓発普及用ポスター作品の選考については、長い、緊迫した議論となりました。以下に選評を記します。

〈小学生の部〉
 細谷璃紗さんの「黒板に『AIDSって何?』」が満票を得てリード、知念美桜さんの「世界エイズデー・地球を囲む人の輪」がこれに続きました。更に鈴木佑佳さんの「AIDS検査へGO」、嶺井莉緒さんの「STOP AIDS・地球・手と手」、竹之内梨菜さんの「STOP AIDS・正しい知識を」もそれぞれ票を得ました。細谷璃紗さんの作品はメッセージの確かさについては異論がなかったものの、黒板の緑と文字の赤のコンストラストが見づらく、ポスターとしての発信力に陰りがあるとの指摘がなされ、入れ替わりに鈴木佑佳さんの作品が分かりやすい、アクションを促しているとの評価を得て、こちらが最優秀賞に決まりました。知念美桜さんの作品は明るくて分かりやすく好感度も高いのですが、行動に結びつく要素がないため及びませんでした。なお、今回、小学生の部は応募数が少なく、票が集中したため、佳作は2作品のみとなりました。
 
〈中学生の部〉
 上山哲太さんの「HIVかもしれません。」が終始リードを保ちながらも、これに拮抗したのが井上李子さんの「黄色地に地球とAIDS IS NOT OVER」です。上山哲太さんの作品は全体に完成度が高く、HIVの絵文字も3つの感染経路を表現するなど、配慮が行き届いています。その一方で、見た時すぐには分かりにくい、色合いがおとなしい等の意見も出されました。井上李子さんの方は色みが強く、メッセージも分かりやすく、大きな声ではっきり呼びかけている印象です。再投票の結果、上山哲太さんの作品が中身が濃いということで、僅差で最優秀賞に選ばれました。比嘉柚花さんの「HIV・レッドリボン・正しい知識を学ぼう」はグラフィック、コピー共に優れ、上記2作品に続きました。
 
〈高校生の部〉
 則武咲良さんの「コンドームを開封したらハートが飛翔」が満票を得て、他作品を圧倒しました。これまでコンドームを用いた作品は数多くありましたが、開封してハートが出るというアイデアは初めてであり、この絵の強さには何の説明も要りません。グラフィックの処理も完璧で、異論なく最優秀賞に選ばれました。増田千紘さんの「5ccの採血で、・・・」は、注射器のシルエットの内側にAIDS検査のメッセージを載せるアイデアが秀逸であり、また磯谷紗菜さんの「HIVは日常生活では感染しない」というメッセージは、一般の方々の誤解を正し、陽性者の苦悩を軽減するのに有効であるとの評価を得て、それぞれ優秀賞を受賞しました。
 
〈一般の部〉
 木村咲さんの「あなたと大切な人に知ってほしい」と、平野由樹乃さんの「たった0.01mmされど0.01mm」が共に満票を得てリード、伊藤綾華さんの「『検査を、受けよう。』・ハートの中に無料・匿名」と、加藤香菜子さんの「HIVのキャラクターと吹き出し」がこれに続きました。木村咲さんの作品は、2人の人物の間にコンドームが配されていて分かりやすく、訴求力も強いのですが、“行為の相手は大切な人とは限らない”という指摘があり、このメッセージの届かない層のいることがネックとなりました。一方、平野由樹乃さんの作品は、シンプルで洗練されたコピー、色調とレイアウトの美しさ、作品としての完成度の高さから全面的な支持を得て、最優秀賞を獲得しました。伊藤綾華さんの作品は、メッセージの流れがすっきり整理されていて分かりやすい、加藤香菜子さんの作品は、キャラクターが人目を引いてアピール力が強いという評価を得て、共に優秀賞に決まりました。
 
〈啓発普及用ポスター作品の選考〉
 投票の結果、則武咲良さん(高校生の部)の「コンドームを開封したらハートが飛翔」と、平野由樹乃さん(一般の部)の「たった0.01mmされど0.01mm」の2作品にしぼられましたが、どちらを採るかについては意見が分かれ、双方共に譲りません。議論の焦点は平野由樹乃さんの作品で、支持派には、これまでになかった斬新な作品であること、コピーに共感が持て行動につながること、そして何よりも従来のレベルを突き抜けた新たなステージに本活動を押し上げることができるとの、熱い期待が込められています。一方で慎重派の懸念は、「瞬間芸が命」のポスターとして一瞬のうちに理解してもらえるか、もっと声高に呼びかけなくていいのか、更に「0.01mm」というキーワードが特定のメーカーの製品を想起させ、公共性を損なう恐れがないかというものでした。この点についての財団等による調査・確認も踏まえた検討の結果、「0.01mm」が前面に出る表現は特定のメーカーを利することにつながりかねず、公益性・公平性に留意すべきという基本的な点から採用を断念せざるを得ないという結論に至り、則武咲良さんの作品が今回のポスター作品に決まりました。
 
○趣旨 平成28年度「世界エイズデー」のポスターのデザインを、全国の小学校、中学校、高等学校に在学する児童・生徒及び一般を対象に募集する。
○主催 公益財団法人エイズ予防財団
○募集区分 (1)小学生の部 (2)中学生の部 (3)高校生の部 (4)一般の部
○募集期間 平成28年4月28日(木)〜9月5日(月)
○募集内容 募集する作品は、一人ひとりがHIV予防に取り組むことを訴えるもの、エイズ患者・HIV陽性者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の促進を呼びかけるものとする。
○応募点数
(1)小学生の部 12点      
(2)中学生の部 127点      
(3)高校生の部 194点      
(4)一般の部 108点 合計 441点
○審査基準 HIV感染症・エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等をより一層深めるという観点から、キャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての質・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について、エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において審査し、総合的に判断する。
○審査会 ■第一次審査 平成28年9月27日(火) 13:30〜16:30
■第二次審査(本審査会) 平成28年10月4日(火) 14:00〜16:00
○入賞作品 小学生の部を見る 中学生の部を見る 高校生の部を見る 一般の部を見る
○入賞者
小学生の部
最優秀賞 鈴木 佑佳 さん 宇都宮市立豊郷中央小学校 4年生
優秀賞 知念 美桜 さん 沖縄県 南城市立馬天小学校 5年生
優秀賞 細谷 璃紗 さん 川崎市立南野川小学校 5年生
佳作 竹之内 梨菜 さん 鹿児島県 曽於市立諏訪小学校 6年生
佳作 嶺井 莉緒 さん 沖縄県 南城市立馬天小学校 5年生
中学生の部
最優秀賞 上山 哲太 さん 横浜市立美しが丘中学校 3年生
優秀賞 井上 李子 さん 豊橋市立五並中学校 1年生
優秀賞 比嘉 柚花 さん 沖縄県 西原町立西原東中学校 1年生
佳作 石原 千尋 さん 大阪府 茨木市立北陵中学校 3年生
佳作 橋 優希 さん 豊橋市立豊岡中学校 3年生
佳作 水鳥 綾音 さん 北名古屋市立白木中学校 3年生
高校生の部
最優秀賞 則武 咲良 さん 岐阜県立岐阜総合学園高等学校 2年生
優秀賞 磯谷 紗菜 さん 岐阜県立岐阜総合学園高等学校 1年生
優秀賞 増田 千紘 さん 岐阜県立岐阜総合学園高等学校 1年生
佳作 小谷 康貴 さん 京都芸術高等学校 3年生
佳作   勝 さん 九州産業大学付属九州高等学校 3年生
佳作 藤原 彩乃 さん 和歌山市立和歌山高等学校 3年生
一般の部
最優秀賞 平野 由樹乃 さん 名古屋総合デザイン専門学校
優秀賞 伊藤 綾華 さん 日本アニメ・マンガ専門学校
優秀賞 加藤 香菜子 さん 日本アニメ・マンガ専門学校
佳作 井上 直子 さん 日本アニメ・マンガ専門学校
佳作 木村  咲 さん 日本アニメ・マンガ専門学校
佳作 廣場  笑 さん 名古屋総合デザイン専門学校
○エイズ予防財団ポスターコンクール審査会 審査員(敬称略 五十音順)
 
審査員長  中島 邦信 前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
審査員 何  英二 前職 株式会社電通クリエイティブ局
クリエイティブディレクター
審査員 北原加奈子 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課
学校保健対策専門官
審査員 田中 彰子 厚生労働省健康局結核感染症課エイズ対策推進室
室長補佐
審査員 灰  来人 グラフィックデザイナー、
Love Act Fukuoka事務局員、HIV陽性者交流会主宰
審査員 広沢  誠 AAA運営事務局事務局長
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