平成29年度 ポスターコンクール審査結果

最優秀賞(各部門)
細谷 璃紗さん
小学生の部
中田 楓花さん
中学生の部
則武 咲良さん
高校生の部
横山 真弓さん
一般の部
※一般の部  横山真弓さんの作品が平成29年度世界エイズデーキャンペーンポスターに選ばれました。
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平成29年度世界エイズデーポスターコンクール講評

審査員長 中島邦信

 本年度の世界エイズデーポスターコンクールの応募は、小学生の部24点、中学生の部118点、高校生の部126点、一般の部88点の計356点でした。9月26日にポスターコンクール審査会(第一次審査)が開催され、それらの中から小学生の部21点、中学生の部25点、高校生の部23点、一般の部20点が選ばれました。10月3日に同審査会(第二次審査)が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点が選ばれ、最後に最優秀賞作品の中から世界エイズデーキャンペーンポスターに使用する作品の選考が行われました。
 二次審査会では今年も真摯な、熱い意見が交わされました。以下に選評を記します。

〈小学生の部〉
 細谷璃紗さんの「本を覗く生徒たち・『正しい知識を知る』」が満票を得てリード、山岸こころさんの「イラスト文字でAIDS・『検査へ行こう!!』」、島村翔真さんの「黄色地にレッドリボンと本・『エイズって何??』」、石本千宝さんの「地球・レッドリボン・虹・『ともに生きる』」、池上魁人さんの「白地にハートとレッドリボン・『STOP AIDS』」の4作品がこれに続きました。細谷さんの作品はイラスト、メッセージ共に高い評価を得て、かつ色使い、レイアウトもバランスが良く、満場一致で最優秀賞に選ばれました。石本さんの作品はさまざまな国の人が登場するイラストに「ともに生きる」というメッセージが効果的で訴求力が強い、また池上さんの作品は白地に赤とピンクだけのシンプルな色使いですが、表現が大胆で「STOP AIDS」を大声で呼びかけているとそれぞれ評価され、優秀賞に選ばれました。島村さんの作品はビジュアルにパワーがあり、シンプルで訴求力の強いものですが、優秀賞にはわずかに及ばず、笑顔の愛らしい山岸さんの作品と共に佳作となりました。さらに鈴木壱瑳さんの「家族一人ひとりの絵・『今すぐ検査を受けましょう!!』」がイラストの良さを買われて、佳作に入りました。
〈中学生の部〉
 岩月佑真さんの「地球を囲む子どもたち・本年度テーマと『今を知ろうHIV』」が満票を獲得、中田楓花さんの「緑地にポニーテールの後ろ姿・『ちゃんと理解しよう エイズのこと』」がこれに続きました。岩月さんの作品には本年度テーマの「UPDATE!」が使われており、「今を知ろう」というメッセージが効果的な呼びかけとなっています。また地球の周りの子どもたちのイラストもかわいく、バランスのいい作品に仕上がっています。一方、中田さんの作品は丁寧に描かれたポニーテールの後ろ姿に、人目を引きつける不思議な力があります。髪を結ぶリボンがレッドリボンを連想させ、「ちゃんと理解しよう エイズのこと」というメッセージも彼女の内なる言葉のようで心に染みます。再投票の結果、僅差で中田さんの作品が最優秀賞と決まり、岩月さんは優秀賞となりました。もう一つの優秀賞には、古谷田吏緒さんの「本年度テーマ・国旗・レッドリボンに手を重ねる5人」が選ばれました。作者の力量を感じさせるカラフルでユニークな作品で、文字の目立たなかったのだけが惜しまれます。佳作には細谷琉夏さんの「砂時計・『自分のことを知っておこう HIV検査へ』」、越知阿依音さんの「白地・両手から広がるレッドリボン」、渡邊大智さんの「赤地にレッドリボンとハートと男女のアイコン」が選ばれました。細谷さんは砂時計を使ったアイデア、越知さんはシンプルで完成度の高いグラフィックの美しさ、渡邊さんは熱っぽい、人目を引く色使いがそれぞれ評価されました。
〈高校生の部〉
 赤と黒を使った似たようなテーストの作品が上位を占め、昨年度のグランプリ作品の影響力を思わずにはいられませんでした。坪内祐太朗さんの「本年度テーマとチェックボックス付き問答」が満票を獲得、則武咲良さんの「あなたのために HIV検査へ行こう。」と柴田舞華さんの「3.3人に1人がAIDSを発症してから知りました。」がこれを追い、さらに酒井優佳さんの「予防から生まれる愛のカタチ」、藤田佳乃さんの「リングケースにコンドーム・『あなたへのあいです』」、岩元愛さんの「エイズに関する問題 ○×回答式」の3作がこれらに続きました。坪内さんの作品には、チェック方式はスマホ族には抵抗がない、情報量が多い、デジタル社会は「UPDATE」に反応するといった意見が寄せられました。則武さんの作品に対してはイラストとコピーでストレートにアクションを促しているとの評価がある一方で、「あなたのために」というメッセージには押しつけがましさを感じるとの懸念も出されました。また柴田さんの作品には「いきなりエイズ」が問題になっている現在、是非知って欲しい情報だという反面、ある程度の理解のない人には伝わりにくい、また赤と黒の文字が重なって読みづらいとの意見も出されました。議論を深める中で、坪内さんの作品中にある「余命約40年」という表現が否定的に受け止められる恐れがあるとの指摘がなされ、またデータの出所が古く「UPDATE」に逆行するとの意見も出されました。以上のような経緯の後、最優秀賞には則武さんの作品が選ばれ、坪内さんには優秀賞、酒井さんのポンプでコンドームとハートをふくらませる作品が同じく優秀賞に選ばれました。また柴田さん、藤田さん、岩元さんの作品がそれぞれ佳作となりました。藤田さんの作品はリングケースに指輪の代わりにコンドームが入っており、「AIDS」を「あいです」と読み替えるなど実にアイデアの詰まったものです。岩元さんの「○×回答式」は情報量が豊かで、説得力があります。
〈一般の部〉
 この部では一大逆転劇がありました。冒頭の投票では佐藤あすかさんの「コンドームの手渡し・『一つの行動で変えられる。』」が4票、篠原知子さんの「ピンク地にコンドーム気球・『愛する人と安全な恋をしよう。』」が3票、石井ひかるさんの「検索キーワード・『HIV他人事じゃない』」、綱瞬太さんの「海をバックに制服の男女・『ずっと一緒にいたいから』」、横山真弓さんの「赤文字HIVの裁ち落としデザイン・白抜きSTOP AIDS」等がそれぞれ2票でした。佐藤さんの作品はシンプルで分かりやすく、ポスターとしての完成度が高いと一番の評価を受けましたが、昨年度のポスター作品とコンセプト、グラフィック、全体のトーンが類似しているとの指摘があり、後退しました。篠原さんの「コンドーム気球」はアイデアが秀逸で、グラフィックも色彩も柔らかく、愛と安らぎを感じさせる独自の世界を作り上げています。一方、横山さんの作品は画面一杯に引かれた赤い肉太の「HIV」文字の裁ち落としで、シンプル故に憎らしいほどにパワフルです。特にこのポスターを連貼りしたとき、その視覚的効果は他を圧倒するだろうと思われます。そうした認識が委員の間に共有され、この作品が最優秀賞に決まりました。ただこのデザインを損なわずにどう所定の文字情報を入れるのかさらに検討の余地があるため、ポスター制作の際は事務局が対応することになりました。優秀賞には篠原さんと石井さんの作品が選ばれました。後者はHIV検査が無料・匿名であること、決して他人ごとではないことを余白の多いスッキリした文字情報で訴えたものです。佳作には佐藤さんと綱さんの作品に加えて、伊藤大貴さんのコンドームキャラクター・『僕が受け止める!』」が選ばれました。このキャラクターの印象は強烈で、後々のキャラクター作りにヒントを与えるかも知れないと、最後に引き上げられたものです。
〈キャンペーンポスター作品の選考〉
 一般の部/横山真弓さんの「赤文字HIVの裁ち落としデザイン・白抜きSTOP AIDS」が全会一致で選ばれました。文字情報を入れる際は、文字を重ねるとせっかくの肉太文字の発信力が死んでしまうので、下部に余白を作りそこに入れるとして、ではその余白をどう作るのか、サイズを含めて事務局に検討してもらうことになりました。
 このポスターにはこれまでの伝統、手法を引っくり返すような荒々しさがあり、世に問うたときに一体どういう反応があるのか、当事者の一人としてちょっぴり不安であり、大いに楽しみであります。

 
○趣旨 平成29年度世界エイズデーのポスターのデザインを、全国の小学校、中学校、高等学校に在学する児童・生徒及び一般を対象に募集する。
○主催 公益財団法人エイズ予防財団
○募集区分 (1)小学生の部 (2)中学生の部 (3)高校生の部 (4)一般の部
○募集期間 平成29年4月28日(金)〜9月5日(火)
○募集内容 募集する作品は、一人ひとりがHIV感染予防に取り組むことを訴えるもの、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の受検を呼びかけるものとする。
○応募点数
(1)小学生の部 24点      
(2)中学生の部 118点      
(3)高校生の部 126点      
(4)一般の部 88点 合計 356点
○審査基準 エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において、HIV/エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等の視点から、応募作品のキャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての完成度・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について審査を行います。
○審査会 ■第一次審査 平成29年9月26日(火) 13:30〜16:30
■第二次審査 平成29年10月3日(火) 14:00〜16:00
○入賞作品 小学生の部を見る 中学生の部を見る 高校生の部を見る 一般の部を見る
○入賞者
小学生の部
最優秀賞 細谷 璃紗 さん 川崎市立南野川小学校 6年生
優秀賞 石本 千宝 さん 大阪市立中泉尾小学校 4年生
優秀賞 池上 魁人 さん 羽生市立新郷第一小学校 6年生
佳作 島村 翔真 さん 羽生市立新郷第一小学校 6年生
佳作 鈴木 壱瑳 さん 岐阜市立長良東小学校 3年生
佳作 山岸 こころ さん 新潟市立巻南小学校 5年生
中学生の部
最優秀賞 中田 楓花 さん 入間市立藤沢中学校 2年生
優秀賞 古谷田 吏緒 さん 桜川市立岩瀬西中学校 3年生
優秀賞 岩月 佑真 さん 豊田市立竜神中学校 3年生
佳作 渡邊 大智 さん 仙台市立七郷中学校 1年生
佳作 細谷 琉夏 さん 川崎市立野川中学校 2年生
佳作 越知 阿依音 さん 豊橋市立石巻中学校 3年生
高校生の部
最優秀賞 則武 咲良 さん 岐阜総合学園高等学校 3年生
優秀賞 酒井 優佳 さん 岐阜総合学園高等学校 3年生
優秀賞 坪内 祐太朗 さん 岐阜県立岐南工業高等学校 1年生
佳作 藤田 佳乃 さん 富山県立富山北部高等学校 3年生
佳作 柴田 舞華 さん 岐阜県立岐南工業高等学校 1年生
佳作 岩元  愛 さん 鹿児島県立隼人工業高等学校 2年生
一般の部
最優秀賞 横山 真弓 さん 日本アニメ・マンガ専門学校
優秀賞 石井 ひかる さん 麻生情報ビジネス専門学校北九州校
優秀賞 篠原 知子 さん 専門学校松山ビジネスカレッジクリエイティブ校
佳作 綱  瞬太 さん 日本アニメ・マンガ専門学校
佳作 佐藤 あすか さん 日本アニメ・マンガ専門学校
佳作 伊藤 大貴 さん 名古屋総合デザイン専門学校
○エイズ予防財団ポスターコンクール審査会 審査員(敬称略 五十音順)
 
審査員長  中島 邦信 前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
審査員 何  英二 前職 株式会社電通クリエイティブ局
クリエイティブディレクター
審査員 北原加奈子 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課
学校保健対策専門官
審査員 都丸 雅明 AAA運営事務局事務局長
審査員 灰  来人 グラフィックデザイナー、
認定NPO法人魅惑的倶楽部福岡支部 事務局員、
HIV陽性者交流会 notAlone Fukuoka 主宰
審査員 原澤 朋史 厚生労働省健康局結核感染症課エイズ対策推進室
室長補佐
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