健医発第678号
平成9年4月25日
一部改正
健医発第1595号
平成9年12月11日

各都道府県知事 殿

厚生省保健医療局長

 

エイズ治療の地方ブロック拠点病院の整備について(通知)

 

 エイズ対策の推進については,日頃より種々ご協力いただいているところである。
 我が国におけるエイズ患者等の状況を踏まえ、エイズ患者等が安心して医療を受けられる体制を整備することが緊急の課題となっていることにかんがみ、今般、各ブロックのエイズの医療の水準の向上及び地域格差の是正に資するため、エイズ治療の地方ブロック拠点病院(以下「ブロック拠点病院」という。)を下記のとおり整備することとした。
 各都道府県におかれても、エイズ治療の拠点病院(以下「拠点病院」という。)等関係機関への周知を図られるとともに、ブロック拠点病院と拠点病院との連携等医療体制の整備について、特段の御高配をお願いする。

 


1  ブロック拠点病院の設置の目的
 ブロック拠点病院は、エイズに関する高度な診療を提供しつつ、臨床研究,ブロック内の拠点病院等の医療従事者に対するれ研修、医療機関及び患者・感染者からの診療相談への対応等の情報提供を通じ、ブロック内のエイズ医療の水準の向上及び地域格差の是正に努めることを目的として設置される。
2 各地方のブロック拠点病院
 各地方のブロック拠点病院は、別紙のとおりとする。
3 ブロック拠点病院の機能
 ブロック拠点病院は、次の機能を有する。
(1) 診療
 HIV感染症に関する専門外来の設置、HIV感染者に対する入院医療の実施、カウンセラーによるカウンセリングの実施、全科対応による診療等により、総合的な診療を実施する。
(2) 研究
 治験等の臨床研究を実施する。
(3) 研修
 ブロック内の拠点病院等の医療従事者に対する最新の治療方法に関する研修会、症例検討会、臨床実地研修等を実施する。
(4) 情報
 エイズ医療ネットワークの活用等により、ブロック内の拠点病院、患者・感染者からの診療に関する相談への対応、情報の収集、提供を行う。

4 ブロック拠点病院内の体制
 ブロック拠点病院としての機能を発揮できるよう、医師、看護婦、カウンセラー及び情報担当職員による体制の確保に努める。
(1) 東北ブロック、東海ブロック、近畿ブロック及び九州ブロックのブロック拠点病院(以下「国立病院」という。)における体制の確保
 国立病院においては、専門医師2名、外来看護婦2名及び病棟看護婦1名を配置するとともに、カウンセラー1名及び情報担当職員1名を派遣により配置するほか、血友病担当医師(血友病の治療経験のある医師)を病院内に確保するよう努める。
(2) 北海道ブロック、関東・甲信越ブロック、北陸ブロック及び中国・四国ブロックのブロック拠点病院(ただし、北海道ブロックにおいては北海道大学医学部附属病院、関東・甲信越ブロックにおいては新潟大学医学部附属病院、中国・四国ブロックにおいては広島大学医学部附属病院に限る。以下「大学病院等」という。)における体制の確保
 大学病院等においては、関係機関と連携し、専門医師の確保等必要な体制を整備するため、リサーチレジデントや都道府県からの派遣職員により、医師2名、看護婦1名、カウンセラー1名及び情報担当職員1名の5名を配置するよう努める。
 なお、ブロックにより患者・感染者数に格差があること等を考慮し、地域の実情にあった体制の整備に努める。

5 ブロック拠点病院の施設・設備
 ブロック拠点病院としての機能を発揮できるよう、次に掲げる必要な施設・設備の確保、整備に努める。
(1) 国立病院における施設・設備
1 外来診療室
 個室の専用診察室を確保する。
2 個室病室
 個室の専用病床を5〜6床確保する。当面は関係する診療科に分散した形で確保するが、必要があると認められる場合には同一病棟に集約できるよう努力する。
 なお、緊急入院については、専用病床に空きがなくても受け入れるよう努める。
3 カウンセリング室
 カウンセリングを行うための部屋を確保する。
4 研修室
 研修を実施するための部屋を確保する。
5 設備
 総合的なエイズ診療に必要な医療機器を整備する。また、エイズ治療・研究開発センターのデータベースにアクセスでき、情報交換が可能なコンピューターを設置する。
(2) 大学病院等における施設・設備
1 外来診療室
 個室の専用診察室を確保することが望ましいが、確保が難しい場合は、当面の間、他科の診察のない時間帯に既存の診察室で対応する等、プライバシーを守れるような対策を講じる。
2 個室病室
 個室病床の確保については、担当診療科の持ちベッドで対応する。なお、あらかじめ連携病院を定める等により、病床に空きがない場合の緊急入院の対応に支障がないように努める。
3 カウンセリング室
 他科の診察のない時間帯に既存の診察室で対応する等、プライバシーを守れるような対策を講じる。
4 研修室
 研修を実施するための部屋を確保するように努める。
5 設備
 総合的なエイズ診療に必要な医療機器を整備する。また、エイズ治療・研究開発センターのデータベースにアクセスでき、情報交換が可能なコンピューターを設置する。

ブロック拠点病院における全科対応による総合診療体制の確保
(1) エイズ医療に関わる全科にそれぞれ責任者をおくとともに、医師、看護婦、ケースワーカー、カウンセラー等エイズ医療に関わる全科出席のHIV委員会をブロック拠点病院内に設置し、全科対応による総合診療体制(緊急時の入院受け入れを含む。)の確立に努める。
 なお、HIV委員会においては、総合診療体制を確保するため、患者・感染者からの申し入れがあった場合は、患者・感染者からの意見を聞く機会を設けるものとする。
(2) エイズ医療に関し、ブロック拠点病院内の職員を対象にした研修を実施し、職員の意識啓発を図ることにより、病院全体として患者・感染者が安心して治療を受けられる全科対応の環境を整備する。
(3) ブロック拠点病院での全科対応体制等に不備がある場合の苦情相談窓口を設け、あらかじめ責任者を定め適切な苦情対応に努める。

7 ブロック拠点病院におけるエイズ医療に関する専門性の向上
(1) 医師、看護婦等を対象とした海外研修やエイズ治療・研究開発センター等の研修に積極的に参加し、エイズ医療の専門性の向上を図る。
(2) 研究的な検査については、エイズ治療・研究開発センターや国立感染症研究所エイズ研究センターと連携をとりつつ、可能なものから各施設において実施するよう努める。

8 ブロック拠点病院におけるエイズ治療・研究開発センターとの有機的連携
(1) エイズ医療・情報ネットワークを通じて、最新の治療技術、治験情報、研究情報、文献等の情報を、エイズ治療・研究開発センター、ブロック拠点病院及び全国の拠点病院等との間で情報交換する。
(2) エイズ治療・研究開発センターで行う研修に参加するとともに、必要に応じ、エイズ治療・研究開発センターからの出張研修を受ける。
(3) 新薬の開発や治療法の開発について、エイズ治療・研究開発センターとの共同研究に参加する。

ブロック拠点病院における拠点病院との有機的連携
 ブロック内のエイズ医療の向上がより一層図られるよう、ブロック拠点病院は、ブロック内の拠点病院等閑係機関との有機的な連携に努める。
 具体的には、ブロック拠点病院を中心とした拠点病院等の医療従事者間の診療ネットワークの構築に努める。

10 各都道府県の役割
 各都道府県においては、次のような役割を担う。
(1) ブロック拠点病院への情報の提供
 都道府県は、ブロック拠点病院との連携を充分に図り、診療、研究その他必要な情報の提供をブロック拠点病院へ行うものとする。
(2) 研修等への積極的参加
 都道府県は、ブロック拠点病院と連携を充分図り、ブロック拠点病院が行う臨床研修や症例検討会等に当該都道府県内の拠点病院の医療従事者が積極的に参加できるよう配慮する。
(3) ブロック拠点病院を中心としたネットワークの構築
 都道府県は、ブロック拠点病院を中心とした拠点病院の医療従事者間の診療ネットワーク構築を支援するよう努める。
(4) ブロック拠点病院の周知
 都道府県は、当該都道府県内の関係機関に対し、ブロック拠点病院の名称、所在地、目的、機能等の周知を図る。