健医発第458号
平成11年3月19日

都道府県知事
政令市長
特別区長
殿

 

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の施行に伴う感染症発生動向調査事業の施行について


 感染症発生動向調査事業の実施については、かねてからご尽力を賜っているところであるが、平成11年4月から「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が施行されることに伴い、同法の主要な柱となる感染症発生動向調査を抜本的に見直しその充実を図ることとし、別添「感染症発生動向調査事業実施要綱」を定めたので、実施にあたっては各段の御配意をお願いする。
 なお、本事業実施上の細部については、別途当局結核感染症課長から通知することとしているので申し添える。




感染症発生動向調査事業実施要綱


第1 趣旨及び目的


   感染症発生動向調査事業については、昭和56年7月から18疾病を対象に開始され、昭和62年1月からはコンピュータを用いたオンラインシステムにおいて27疾病を対象にする等、充実・拡大されて運用されてきたところである。平成10年9月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下「感染症新法」という。)が成立し、平成11年4月から施行されるが、感染症新法の大きな柱として、感染症発生動向調査が挙げられる。感染症の発生情報の正確な把握と分析、その結果の国民や医療関係者への的確な提供・公開は、感染症対策の基本であり、全ての対策の前提となるものである。したがって、感染症新法においては、第3章(第12条〜第16条)に感染症発生動向調査を位置づけ、医師等の医療関係者の協力のもと、的確な体制を構築していくこととしている。
   これまで、感染症の発生状況の把握については、伝染病予防法等の法律に基づく届出や予算事業で行ってきた(旧)結核・感染症発生動向調査事業があるが、感染症新法においては、新しい感染症類型である一類感染症から四類感染症の全てについて、一元的な情報収集、分析、提供・公開体制を構築することとしてる。すなわち、一類感染症から四類感染症(全数把握対象と定点把握対象)の全てを統一して、週報単位(一類感染症は月単位)で、情報収集、分析、提供・公開していくこととしている。また、感染症の病原体に関する情報は、患者への良質かつ適切な医療の提供のために不可欠であるが、感染症の発生の予防及びまん延の防止のためにも極めて重要な意義を有している。したがって、患者情報とともに、病原体に関する情報が統一的に収集、分析及び提供・公開される体制を構築していく必要がある。さらに、提供・公開していく内容としては、一般国民や第一線の医療現場の方々の予防、診療、研究等に役立つ情報とすることとしている。また、感染症新法においては、法第15条に積極的疫学調査(感染症の発生の状況、動向及び原因の調査)の規定を設けており、日常実施していく感染症発生動向調査等の結果に基づいた的確な実施が求められている。
   これらのことから、これまで(旧)結核・感染症発生動向調査の体制を充実・強化し、対象とする感染症に関する情報を全国規模で迅速に収集、分析、提供・公開していくコンピュータ・オンラインシステムの再構築と積極的疫学調査の実施により、有効かつ的確な感染症対策の確立に資することを目的として、本事業を実施するものとする。なお、結核に関する情報収集、分析及び提供・公開のための体制については、当分の間、現行のとおりとする。


第2 対象感染症


   本事業の対象とする感染症は次のとおりとする。

  1. 全数把握の対象
  2. 1) 一類感染症
    (1)エボラ出血熱、(2)クリミア・コンゴ出血熱、(3)ペスト、(4)マールブルグ病及び(5)ラッサ熱
    2) ニ類感染症
     (6)急性灰白髄延、(7)コレラ、(8)細菌性赤痢、(9)ジフテリア、(10)腸チフス及び(11)パラチフス
    3) 三類感染症
     (12)腸管出血性大腸菌感染症
    4) 四類感染症
     (13)アメーバ赤痢、(14)エキノコックス症、(15)急性ウイルス性肝炎、(16)黄熱、(17)オウム病、(18)回帰熱、(19)Q熱、(20)狂犬病、(21)クリプトスポリジウム症、(22)クロイツフェルト・ヤコブ病、(23)劇症型溶血性レンサ球菌感染症、(24)後天性免疫不全症候群、(25)コクシジオイデス症、(26)ジアルジア症、(27)腎症候性出血熱、(28)髄膜炎菌性髄膜炎、(29)先天性風疹症候群、(30)炭疽、(31)ツツガムシ病、(32)デング熱、(33)日本紅斑熱、(34)日本脳炎、(35)乳児ボツリヌス症、(36)梅毒、(37)破傷風、(38)バンコマイシン耐性腸球菌感染症、(39)ハンタウイルス肺症候群、(40)Bウイルス病、(41)ブルセラ症、(42)発疹チフス、(43)マラリア、(44)ライム病、(45)レジオネラ症


  3. 定点把握の対象(四類感染症)
       (46)インフルエンザ、(47)咽頭結膜熱、(48)突発性発疹、(49)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、(50)百日咳、(51)感染性胃腸炎、(52)風疹、(53)水痘、(54)ヘルパンギーナ、(55)手足口病、(56)麻疹(成人麻疹を除く)、(57)伝染性紅斑、(58)流行性耳下腺炎、(59)急性出血性結膜炎、(60)流行性角結膜炎、(61)性器クラミジア感染症、(62)性器ヘルペスウイルス感染症、(63)尖形コンジローム、(64)淋菌感染症、(65)急性脳炎(日本脳炎を除く)、(66)クラミジア肺炎(オウム病を除く)、(67)細菌性髄膜炎、(68)ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、(69)マイコプラズマ肺炎、(70)成人麻疹、(71)無菌性髄膜炎、(72)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、(73)薬剤耐性緑膿菌感染症



第3 実施主体


   実施主体は、国、都道府県及び保健所を設置する市(特別区を含む)とする。


第4 実施体制の整備

  1. 中央感染症情報センター
      中央感染症情報センターは、都道府県、保健所を設置する市及び特別区(以下「都道府県等」という。)の本庁から伝送又は報告された患者情報及び病原体情報を収集、分析し、その結果を全国情報として速やかに都道府県等に提供・公開するための中心的役割を果たすものとして、国立感染症研究所感染症情報センター内に設置する。

  2. 地方感染症情報センター及び基幹地方感染症情報センター
      地方感染症情報センターは各都道府県等域における患者情報及び病原体情報を収集・分析し、都道府県等の本庁に報告するとともに、全国情報と併せて、これらを速やかに医師会等の関係機関に提供・公開することとして、各都道府県等域内に1か所、地方衛生研究所等の中に設置する。また、都道府県、保健所を設置する市、特別区間等の協議の上、当該都道府県内の地方感染症情報センターの中で1か所を基幹地方感染症情報センターとして、都道府県全域の患者情報及び病原体情報を収集、分析し、その結果を各地方感染症情報センターに送付するものとする。

    なお、以下の実施方法において、地方感染症情報センターが都道府県等の本庁の役割を代替する機能を担うことができるものとする 。

  3. 指定届出機関(定点)
       都道府県は、定点把握対象の四類感染症について、患者情報及び病原体情報を収集するため、患者定点及び病原体定点をあらかじめ選定する。

  4. 感染症発生動向調査企画委員会
    (1) 中央感染症発生動向調査企画委員会
      本事業の適切な運用を図るために、厚生省の国立感染症研究所の代表、全国の保健所及び地方衛生研究所の代表、その他感染症対策に関する学識経験者からなる中央感染症発生動向調査企画委員会を置く。同委員会の事務局は中央感染症情報センターとする。
    (2) 地方感染症発生動向調査企画委員会
      各都道府県域内における情報の収集、分析の効果的・効率的な運用を図るため、都道府県に小児科、内科、眼科、皮膚科、泌尿器科、微生物学、疫学等の専門家、保健所及び地方衛生研究所の代表、地域の医師会の代表(10名程度)からなる地方感染症発生動向調査企画委員会を置く。同委員会の事務局は地方感染症情報センターとする。


第5 事業の実施

  1. 一類感染症、ニ類感染症及び三類感染症
    (1) 対象とする感染症患者等の状態
     エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス及びパラチフスについては、疑似症患者、患者及び無症状病原体保有者とする。ジフテリア、急性灰白髄炎及び腸管出血性大腸菌感染症については、患者及び無症状病原体保有者とする。
    (2) 調査単位及び実施方法
    ア. 診断した医師
     (1)に該当する患者等を診断した医師は、別記様式1を用いて、直ちに最寄りの保健所に届出を行う。また保健所から当該患者の病原体検査のための検体又は病原体情報の提供の依頼を受けた場合にあっては、協力可能な範囲において、検体又は病原体情報について、保健所の協力を得て別記様式2の検査票を添付して地方衛生研究所に送付する。
    イ. 保健所
    (1) 当該届出を受けた保健所は、別記様式3に該当する項目について、直ちに都道府県等の本庁及び地方感染症情報センターへコンピュータ・オンラインシステムにより伝送するものとする。また保健所は、当該患者を診断した医師に対して、必要に応じて病原体検査のための検体又は病原体情報の地方衛生研究所への提供について、別記様式2の検査票を添付して依頼するものとする。
    (2) 保健所は、地方感染症情報センターから呼び出した患者情報及び病原体情報について、週報(月単位の場合は月報)として、市町村、指定医療機関その他の関係機関、医師会、教育委員会等の関係機関に配布する。なお、保健所においては、一類感染症、ニ類感染症及び三類感染症患者の届出があった場合は、地域の特性に応じた適切な方法を用いて、届出があった事実(個人情報に関する事項を除く)を前記の関係機関に連絡する。
    ウ. 地方衛生研究所
    (1) 地方衛生研究所は、別記様式2の検査票及び検体又は病原体情報が送付された場合にあっては、当該検体を検査し、その結果を保健所を経由して診断した医師に通知するとともに、別記様式2により保健所、都道府県等の本庁及び地方感染症情報センターに送付する。
    (2) 検査のうち、地方衛生研究所において実施することが困難なものについては、必要に応じて国立感染症研究所に検査を依頼する。
    (3) 地方衛生研究所は、患者が一類感染症と診断されている場合、都道府県域を超えた集団発生があった場合等の緊急の場合にあっては、厚生省保健医療局結核感染症課から依頼に基づき、検体を国立感染症研究所に送付する。
    エ. 国立感染症研究所
    国立感染症研究所は、地方衛生研究所から検査依頼を受けた検体について検査を実施し、その結果を当該地方衛生研究所及び中央感染症情報センターへ通知する。
    オ. 都道府県等の本庁
    (1) 都道府県等の本庁にあっては、それぞれの管内の患者情報について、保健所からの情報の伝送があり次第、コンピュータ・オンラインシステムにより、中央感染症情報センターへ伝送する。
    (2) 都道府県等の本庁にあっては、別記様式2をもって地方衛生研究所から送付された検査情報について、直ちに中央感染症情報センターに報告する。
    カ. 地方感染症情報センター及び基幹地方感染症情報センター
    (1) 地方感染症情報センターは、当該都道府県等域内の全ての患者情報及び病原体情報(検査情報を含む。以下カ及びキにおいても同じ)を収集し、分析するとともに、その結果を週報(月単位の場合は月報)等として公表される都道府県情報、全国情報と併せて、保健所等の関係機関に提供・公開する。
    (2) 基幹地方感染症情報センターは、当該都道府県域内の全ての患者情報及び病原体情報を収集、分析するとともに、その結果を週報(月単位の場合は月報)等として公表される全国情報と併せて、地方感染症情報センター等の関係機関に提供・公開する。
    キ. 中央感染症情報センター
    (1) 中央感染症情報センターは、都道府県等の本庁から伝送された患者情報を速やかに集計し、分析評価を加えた全国情報を、全数把握の四類感染症及び定点把握の四類感染症の収集、、分析結果とともに、週報(月単位の場合は月報)等として作成し、都道府県等の本庁に送付する。
    (2) 中央感染症情報センターは、都道府県等の本庁から報告された病原体情報及びエに基づいて国立感染症研究所が実施した検査の情報の分析評価を行い、その結果を速やかに都道府県等の本庁に送付するとともに、必要に応じて週報(月単位の場合は月報)等に掲載する。

  2. 全数把握対象の四類感染症
    (1) 対象とする感染症の状態
    各々の全数把握対象の四類感染症について、別に定める報告基準を参考とし、当該疾病の患者と診断される場合とする。
    (2) 調査単位及び実施方法
    ア. 診断した医師
    上記(1)に該当する患者を診断した医師は、別記様式4を用いて、7日以内に最寄りの保健所に届出を行う。また保健所から当該患者の病原体検査のための検体又は病原体情報の提供の依頼を受けた場合にあっては、協力可能な範囲おいて、検体又は病原体情報について、保健所の協力を得て別記様式2の検査票を添付して地方衛生研究所に送付する。
    イ. 保健所
    1) 当該届出を受けた保健所は、別記様式5に該当する項目について、医師が当該患者を診断してから7日以内の可能な限り早い段階で都道府県等の本庁及び地方感染症情報センターへコンピュータ・オンラインシステムにより伝送するものとする。また、保健所は、第2の(13)、(14)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(22)、(23)、(24)、(25)、(27)、(28)、(29)、(30)、(31)、(32)、(33)、(34)、(35)、(37)、(39)、(40)、(41)、(42)、(44)又は(45)の患者を診断した医師に対して、必要に応じて病原体検査のための検体又は病原体情報の地方衛生研究所への提供について、別記様式2の検体等依頼票を添付して依頼するものとする。
    2) 保健所は、地方感染症情報センターから呼び出した患者情報及び病原体情報について、週報(月単位の場合は月報)等として、市町村、指定医療機関その他の関係医療機関、医師会、教育委員会等の関係機関に配布する。
    ウ. 地方衛生研究所
    1) 地方衛生研究所は、別記様式2の検査票と検体又は病原体情報等が送付された場合にあっては、当該検体を検査し、その結果を診断した医師に通知するとともに、別記様式2により保健所、都道府県等の本庁及び地方感染症情報センターに送付する。
    2) 検査のうち、当該地方衛生研究所において実施することが困難なものについては、必要に応じて国立感染症研究所に検査を依頼する。
    3) 地方衛生研究所は、患者の診断が都道府県域を超えた集団発生があった場合等の緊急の場合にあっては、厚生省保健医療局結核感染症課からの依頼に基づき、検体を国立感染症研究所に送付する。
    エ. 国立感染症研究所
    国立感染症研究所は、当該地方衛生研究所から検査の依頼を受けた検体について検査を実施し、その結果を当該地方衛生研究所及び中央感染症情報センターへ通知する。
    オ. 都道府県等の本庁
    1) 都道府県等の本庁にあっては、それぞれの管内の患者情報について、保健所が診断した医師から届出を受けてから7日以内に、コンピュータ・オンラインシステムにより、中央感染症情報センターへ伝送する。
    2) 都道府県等の本庁にあっては、別記様式2をもって地方衛生研究所から送付された検査情報について、直ちに中央感染症情報センターに報告する。
    カ. 地方感染症情報センター及び基幹地方感染症情報センター
    1) 地方感染症情報センターは、当該都道府県等域内の全ての患者情報及び病原体情報(検査情報を含む。以下カ及びキにおいて同じ)を収集、分析するとともに、その結果を週報(月単位の場合は月報)等として公表される都道府県情報、全国情報と併せて、保健所等の関係機関に提供・公開する。
    2) 基幹地方感染症情報センターは、当該都道府県域内の全ての患者情報及び病原体情報を収集、分析するとともに、その結果を週報(月単位の場合は月報)等として公表される全国情報と併せて、地方感染症情報センター等の関係機関に提供・公開する。
    キ. 中央感染症情報センター
    1) 中央感染症情報センターは、都道府県等の本庁から伝送された患者情報を速やかに集計し、分析評価を加えた全国情報について、一類感染症から三類感染症及び定点把握の四類感染症の収集、分析結果とともに、週報(月単位の場合は月報)等として作成して、都道府県等の本庁へ送付する。
    2) 中央感染症情報センターは、都道府県等の本庁から報告された病原体情報及びエに基づいて国立感染症研究所が実施した検査の情報の分析評価を行い、その結果を速やかに都道府県等の本庁に送付するとともに、必要に応じて週報(月単位の場合は月報)等として掲載する。

  3. 定点把握対象の四類感染症
    (1) 対象とする感染症の状態
     各々の定点把握対象の四類感染症について、別に定める報告基準を参考とし、当該疾病の患者と診断される場合とする。
    (2) 定点の選定
    ア. 患者定点
    定点把握対象の四類感染症の発生状況を地域的に把握するため、都道府県は次の点に留意し、関係医師会等の協力を得て、医療機関の中から可能な限り無作為に患者定点を選定する。
    1) 人口及び医療機関の分布等を勘案して、できるだけ当該都道府県全体の感染症の発生状況を把握できるよう考慮すること。
    2) 対象感染症のうち、第2の(47)から(58)までに掲げるものについては、小児科を標榜する医療機関(主として小児科医療を提供しているもの)を小児科定点として指定すること。小児科定点の数は下記の計算式を参考として算定すること。
    保健所管内人口
    定点数
    〜3万人
    1
    3万人〜7.5万人
    2
    7.5万人〜
    3+(人口-7.5万人)/5万人
    3) 対象感染症のうち、第2の(46)に掲げるインフルエンザについては、前記2)で選定した小児科定点に加え、内科を標榜する医療機関(主として内科医療を提供しているもの)を内科定点として指定し、両者を合わせてインフルエンザ定点とすること。内科定点の数は下記の計算式を参考として算定すること。
    保健所管内人口
    定点数
    〜7.5万人
    1
    7.5万人〜12.5万人
    2
    12.5万人〜
    3+(人口-12.5万人)/10万人
    4) 対象感染症のうち、第2の(59)及び(60)に掲げるものについては、眼科を標榜する医療機関(主として眼科医療を提供しているもの)を眼科定点として指定すること。眼科定点の数は下記の計算式を参考として算定すること。
    保健所管内人口
    定点数
    〜12.5万人
    0
    12.5万人〜
    1+(人口-12.5万人)/15万人
     (注)総定点が3未満と計算された都道府県においては、3定点とする。
    5) 対象感染症のうち、第ニの(61)から(64)に掲げるものについては、産婦人科又は産科若しくは婦人科(産婦人科系)、性病科又は泌尿器科若しくは皮膚科もしくは皮膚泌尿器科(泌尿器科・皮膚科系)を標榜する医療機関(主として各々の標榜科の医療を提供してるもの)を性感染症定点として指定すること。性感染症定点の数は下記の計算式を参考として算定すること。
    保健所管内人口
    定点数
    〜7.5万人
    0
    7.5万人〜
    1+(人口-7.5万人)/13万人
    (注)各都道府県においては、産婦人科系と泌尿器科・皮膚科系が概ね同数になるように指定すること。
    6) 対象感染症のうち、第ニの(65)から(73)までに掲げるものについては、対象患者がほとんど入院患者であるため、患者を300人以上収容する病院(小児科医療と内科医療を提供しているもの)を各2次医療圏域毎に1か所以上、基幹定点として指定すること。
    イ. 病原体定点
    病原体の分離等の検査情報を収集するため、都道府県は、病原体定点を選定する。この場合においては、次の点に留意する。
    1) 原則として、患者定点として選定された医療機関の中から選定すること。
    2) アの2)より選定された患者の定点の概ね10%を小児科病原体定点として、第ニの(47)、(49)、(50)、(51)、(54)、(55)、(56)及び(58)を対象感染症とすること。
    3) アの2)及び3)により選定された患者定点の概ね10%をインフルエンザ病原体定点として、第ニの(46)を対象感染症とすること。
    4) アの4)により選定された患者定点の概ね10%を眼科病原体定点として、第ニの(59)及び(60)を対象感染症とすること。
    5) アの6)により選定された患者定点は、全て基幹病原体定点として、第ニの(65)、(67)、(70)及び(71)を対象感染症とすること。
    (3) 調査単位等
    ア. 患者情報のうち、(2)のアの2)、3)、4)及び6)(第2の(68)、(72)及び(73)に関する患者情報を除く)により選定された患者定点に関するものについては、1週間(月曜日から日曜日)を調査単位として、(2)のアの5)及び6)(第ニの(68)、(72)及び(73)に関する患者情報のみ)により選定された患者定点に関するものについては、各月を調査単位とする。
    イ. 病原体情報については、原則として結果がまとまり次第、報告することとする。
    (4) 実施方法
    ア. 患者定点
    1) 患者定点として選定された医療機関は、速やかな情報提供を図る趣旨から、調査単位の期間の診療時における別に定める報告基準により、患者発生状況の把握を行うものとする。
    2) (2)のアの2)より選定された小児科点綴においては別記様式6により、同2)及び3)により選定されたインフルエンザ定点においては別記様式7により、同4)により選定された眼科定点においては別記様式8により、同5)により選定された感染症定点においては別記様式9により、同6)により選定された基幹定点においては別記様式10により、それぞれ調査単位の患者発生状況等を記載する。
    3) 別記様式6から10までによる患者情報については、調査単位が週の場合は翌週の月曜日に、月単位の場合は翌月の初日に保健所への発送を行うものとする。この場合において、提供の方法については、患者情報の円滑な収集の観点から、地域の特性に応じた適切な方法を採用することができるものとする。
    イ. 病原体定点
    1) 病原体定点として選定された医療機関は、別に定める病原体検査指針により、微生物学的検査のために検体を採取する。
    2) 病原体定点として選定された検体は、別記様式2の検査票を添えて、速やかに地方衛生研究所へ送付する。
    ウ. 保健所
    1) 保健所は、患者定点から得られた患者情報(別記様式6〜10)の情報項目を。調査単位が週単位の場合は調査対象の週の翌週の火曜日までに、月単位の場合は調査対象月の翌月の3日までに、都道府県等の本庁及び地方感染症情報センターへコンピュータ・オンラインにより伝送する。また、対象感染症についての集団発生その他特記すべき情報についても都道府県等の本庁及び地方感染症情報センターへ報告する。
    2) 保健所は、地方感染症情報センターから呼び出した患者情報及び病原体情報については、週報(月単位の場合は月報)として、市町村、指定医療機関その他の関係医療機関、医師会、教育委員会等の関係機関に配布する。
    エ. 地方衛生研究所
    1) 地方衛生研究所は、別記様式2の検査票および検体が送付された場合にあっては、当該検体を検査し、その結果を病原体情報として病原体定点に通知するとともに、都道府県等の本庁及び地方感染症情報センターに送付するものとする。
    2) 検査のうち、当該地方衛生研究所において実験することが困難なものについては、必要に応じて国立感染症研究所に検査を依頼する。
    3) 地方衛生研究所は、都道府県域を超えた集団発生があった場合等の緊急の場合にあっては、厚生省保健医療局結核感染症課からの依頼に基づき、検体を国立感染症研究所に送付する。
    オ. 国立感染症研究所
    国立感染症研究所は、地方衛生研究所から検査依頼を受けた検体について検査を実施し、その結果を病原体情報として当該地方衛生研究所及び中央感染症情報センターへ通知する。
    カ. 都道府県等の本庁
    1) 都道府等の本庁にあっては、それぞれの管内の患者情報について、保健所からの情報の伝送があり次第、コンピュータ・オンラインシステムにより、中央感染症情報センターへ伝送する。
    2) 都道府県等の本庁にあっては、別記様式2をもって地方衛生研究所から送付された病原体情報について、直ちに中央感染症情報センターに報告する。
    キ. 地方感染症情報センター及び基幹地方感染症情報センター
    1) 地方感染症情報センターは、当該都道府県等域内の全ての患者情報及び病原体情報を収集し、分析するとともに、その結果を週報(月単位の場合は月報)等として公表される都道府県情報、全国情報と併せて、保健所等の関係機関に提供・公開する。
    2) 基幹地方感染症情報センターは、当該都道府県域内の全ての患者情報及び病原体情報を収集し、分析するとともに、その結果を週報(月単位の場合は月報)等として公表される全国情報と併せて、地方感染症情報センター等の関係機関に提供・公開する。
    ク. 中央感染症情報センター
    1) 中央感染症情報センターは、都道府県等の本庁から伝送された患者情報を速やかに集計し、分析評価を加えた全国情報を、一類から三類感染症及び全数把握の四類感染症の収集、分析結果とともに、週報(月単位の場合は月報)等として作成し、都道府県等の本庁に送付する。
    2) 中央感染症情報センターは、都道府県等の本庁から報告された病原体情報及び前記オに基づいて国立感染症研究所が実施した検査の情報の分析評価を行い、その結果を速やかに都道府県等の本庁に送付するとともに、必要に応じて週報(月単位の場合は月報)等に掲載する。

  4. 積極的疫学調査開業
    (1) 積極的疫学調査(法第15条に規定する感染症の発生の状況、動向及び原因の調査をいう。)は、これまで一般的に保健所等における業務として、患者の診断を行った医師等の協力を得つつ、実施されてきたが、新しい時代の感染症対策において重要な位置付けを占めると考えられることから、今般、都道府県知事等の事務として法に新たに規定されたものである。
    (2) 積極的疫学調査が行われる場合としては、(1)一類感染症、ニ類感染症又は三類感染症が発生した場合、(2)四類感染症等に係る感染症発生動向調査において通常と異なる傾向が認められた場合等が考えられるが、個別の事例に応じ、都道府県知事等において適切に判断されるべきものである。また、都道府県知事等が積極的疫学調査を行う場合にあっては、この調査を実施することとなる保健所等の機関において、関係者の理解と協力を得つつ、関係機関と密接な連携を図ることにより、地域における詳細な流行状況や原因不明の感染症等の迅速な把握を進めていくことが重要である。

  5. その他
    (1) 感染症発生動向調査は、全国一律の基準で実施されるべきものであるが、上記の実施方法以外の部分について、必要に応じて、各都道府県等の実状に応じた追加を行い、地域における効果的・効率的な感染症発生動向調査体制を構築していくことが求められる。
    (2) 地方衛生研究所を有さない当事業の実施主体においては、近隣の地方衛生研究所を有する地方自治体との協議の上、必要な事務について委託等を行うことにする。
    (3) 本実施要綱に定める事項以外の内容については、必要に応じて保健医療局長が定めることとする。


第6 費用


   国は、本事業に要する費用のうち、都道府県が支弁する方第14条から第16条の規定に基づく本事業の事務に要する費用に対して、法第61条の規定に基づき負担する。


第7 実施時期


   この実施要綱は、平成11年4月1日から施行する。ただし、病原体情報及び病原体定点に関する項目については、各都道府県等において実施可能となり次第、実施することとして差し支えない。



別記様式一覧票


別記様式1  1類感染症、2類感染症及び3類感染症医師届出票(患者)(省略)

別記様式2  1類感染症、2類感染症、3類感染症及び四類感染症検査票(病原体)

別記様式3  1類感染症、2類感染症及び3類感染症保健所報告項目(患者)(省略)

別記様式4  4類感染症(全数把握対象)医師届出票(患者)


別記様式5  4類感染症(全数把握対象)保健所報告項目(患者)
 下記参照

別記様式6  4類感染症(定点把握対象)小児科患者定点報告票(省略)

別記様式7  4類感染症(定点把握対象)インフルエンザ患者定点報告票(省略)

別記様式8  4類感染症(定点把握対象)眼科患者定点報告票(省略)

別記様式9  4類感染症(定点把握対象)性感染症患者定点報告票(省略)
   
別記様式10 4類感染症(定点把握対象)基幹患者定点報告票(省略)


 

別記様式5

4類感染症(全数把握対象)保健所報告項目(患者)

 4類感染症のうち全数把握対象のものにつき、保健所が、都道府県等の本庁及び理法感染症情報センターへコンピュータ・オンラインにより伝送する項目は以下のとおりとする。

別記様式4のうち、すべての項目

以上