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第9回アジア太平洋地域国際エイズ会議参加報告書

国際労働財団新事業開発グループグループリーダー
井上 友孝

最初に、国際労働財団(JILAF)で労働分野における事業を中心に携わっており、HIV/AIDSが専門分野ではない私に、エイズ国際会議に参加という貴重な経験を与えて頂いたエイズ予防財団さんに、お礼を申し上げます。エイズ国際会議は、これまで04年のバンコクにおける世界エイズ会議を(そのときタイに駐在していたため)見学した程度で、ほとんど初めての参加となる自分にとっては、とても刺激的で有意義なものでした。

今回のエイズ会議に参加を希望した元々の目的は、我々JILAFにとって最初の本格的なエイズプロジェクトである、「タイの職場におけるHIV/AIDSトレーナー育成プロジェクト」(日本の外務省の支援を受け3年間の実施計画で、現在1年目を実施中)の担当者として、同プロジェクトを各国からの関係者にポスターで紹介して宣伝すると共に、今後のプロジェクト運営へのアイデアを得ることでした。

実際にポスターの前で、各国からの参加者達にプロジェクトの概要を説明し、そして質問に答えることで、2年目/3年目の実施内容を検討中である私にとって、様々なアイデアを考える機会となりました。特に、何回か質問を受けたのが、「タイの陽性者に具体的にどのような支援をしているか?」というものでした。我々のプロジェクトは、HIV/AIDSを職場の問題として、「職場における差別・偏見をなくすため、正しい知識を伝えられるトレーナーを労組リーダーの間で育成すること、ひいてはタイの新規陽性者の抑制に貢献すること」として、タイトルの通りに「トレーナーの育成」を中心としていますが、今後は彼らトレーナーを通じた陽性者への支援も検討していきたいと感じました。

また、諸団体の常設ブースを回ると共に、自分にとって関心のあるテーマを扱った各セッションにも参加しました。特に8月10日のオラルセッション「Migrant Workers ? Safe Away from Home」では、我々のプロジェクトに協力してくれているシェアの李さんや、ILOアジア太平洋地域事務所のMr.カールソンがパネリストとして出席しており、移民労働者対策の必要性を強く感じました。特に、タイには200万人といわれる移民労働者がおり、タイ人労働者にとっても重要なトピックのひとつです。実際、先日タイの保健省を訪問際にも、「JILAFは今後、ビルマ人等の移民労働者へのエイズ対策も行っていくのか?」と尋ねられています。我々のプロジェクトでも、実際その取り扱いを考えていく必要があると感じました。

今回のエイズ会議参加の成果を発表する機会としては、タイのエイズプロジェクトの報告会を、適当な時期に開催したいと考えております。JILAFプロジェクトとエイズ会議は、直接的にリンクするわけではありませんが、エイズ会議で得られた構想等をプロジェクトに反映させていくことで、プロジェクトを意義のあるものとしていきたいと考えています。報告会を実施する際には、エイズ予防財団さんや、今回の会議に参加された皆様にもお出で頂ければ幸いです。

さて、次回のアジア太平洋エイズ会議は、釜山で開催されるとのことです。これは個人的な希望となりますが、その頃にはJILAFのエイズプロジェクトも3年目を進めており、最後のまとめを意識している段階になるはずなので、その成果を、職場におけるエイズへの取り組み事例として、オラルセッションで報告できればと考えます。また、我々JILAFは国内においても、NGOと労働組合のネットワークである「NGO労働組合国際協働フォーラム」の「HIV/エイズ等感染症グループ」に加盟し、東京を中心にワークショップ等の活動も行っています。同グループの先日のミーティングでも、次回の釜山にグループとして参加しようと話題に上りました。可能ならば、JILAFとして、そしてNGO労働組合国際協働フォーラムとして、次回のエイズ会議も参加したいと思います。