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第10回アジア太平洋地域エイズ国際会議参加報告書
 

早稲田大学大学院公共経営研究科
根岸清香

【はじめに】
私は大学時代からユース世代へ向けてのHIV/AIDS予防啓発活動に取り組んできた。今回、ICAAP10thに参加した目的としては、日本の隣国・韓国で行われる国際会議においてユースの活動がどのように展開されているのかを学び、日本国内の活動に生かしていくことであった。

【ユースの取り組み】
ICAAPでは、ユースの活動報告などを中心に聴講していたが、中でも台湾の取り組みが日本に生かせるのではないかと感じた。

台湾では、「IS17」という献血をする際に安全な血を提供するために、「HIV検査を行おう!」というキャンペーンを行っている。日本においても、献血時の検査でHIV陽性と判定されるケースが年々増加しており、2007年は102件(日本赤十字社調べ)と過去最多となっている。輸血によるHIV感染は現在までで4例確認されている。検査の精度は徐々に上がってきてはいるが、抗体検査の性質上、全てのHIVを排除することは難しい。年々献血者が減少している中、今後HIV感染者が増加し、有効な血液が減少していくのを防ぐためにも、このようなキャンペーンを通して、HIV/AIDSについて、さらに献血キャンペーンも兼ねることで相乗効果となるのではないか。このような方法は日本国内ではなかなか見られなかったことで、私には目から鱗であった。検査を訴えることは簡単だが、その訴えるアプローチを変えていくことで、検査数を伸ばすことは出来るのかもしれない。これを機会に、献血とHIV感染症についても詳しく学び、活動の幅を広げていきたいと感じた。

【ユース世代の国際会議への参加】
今回の釜山では、残念ながらユース世代の参加者が前回のバリの時に比べて少なかったように感じる。ユース世代にとって、国際会議は敷居が高いのかもしれない。その原因には、国際会議への金銭的負担と言語の問題があるように感じる。大学生などは夏休みを利用して国際会議に参加することが出来るが、やはり釜山であっても10万円ほどの出費を惜しまなければいけない。また、英語が出来なければ会議の内容も理解出来ないことから、尻込みしている人々も多いのではないだろうか。英語を完璧に出来なくても気軽に参加でき、多くの仲間とコミュニケーションが取れるような工夫を主催者側に期待したい。

今回、釜山での学びを多くの人とシェアしていきたい。ICAAPで別のセッションに参加した人々や、会議に参加しなかった人と共有し、活動の幅を広げていきたい。具体的には、一緒に啓発活動を行っている仲間を集め、報告会を行う予定である。ICAAPで配布されていたコンドームをお土産に、各国の取り組みや国際会議全体の雰囲気を伝えることでユース世代の国際会議への足かせを拭う一助になればと思う。

【おわりに】
ユース世代の中にも、MSM,IDU,セックスワーカーも存在することを決して忘れてはならない。日本以外の国で、ユースの活動がどのように行われているのかだけでなく、現在のエイズ治療、IDUやMSM、セックスワーカーについても学ぶ必要性を強く感じた。自分たちの活動のフィールドを限定することなく、日々変化する社会に適応するような活動が今求められていることを認識することが出来た。日本においても、様々なNGOや活動家、専門家の方々と連携しながら今後のHIV/AIDS予防啓発を行っていきたい。

最後に、ICAAP10thに参加でき、多くのことを学び、とても良い経験になりました。
ありがとうございました。