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第15回国際エイズ会議参加報告書

金沢大学大学院自然科学研究科教授  木村和子

 

<キーワード>
抗HIV薬のアクセス、 TRIPS、 FTA、差別価格、WHO事前評価事業、無行動、結核、インパクト評価、教育、検査・相談、殺HIV剤(Microbicides)、HIV ワクチン、リーダーシップ

第1章 抗HIV薬のアクセス確保

-「TRIPS協定と公衆衛生に関するドーハ宣言」以後の動向と今後の展望―
(関係セッション:SB119:Access to Affordable ARVs, Bs06:Are IPR a barrier to increased access to ARVS ,SB314: Access to treatment. Public health and the US-Thai FTA & TuOr E1172)
筆者は開発途上国の必須医薬品事情の改善に資するDrug Management and Policyの専門家として、JICWELS やWHO/WPROのtemporary adviser やconsultantとして頻繁に招聘されており、抗HIV薬を中心としたアクセス問題の掌握は不可欠である。

(1)はじめに
 国民皆保険性下にある日本の居住者は、抗HIV薬などの高価な治療薬へのアクセスを心配する必要はなかった。しかし、世界中の多くの人びとがアクセスに事欠き、それどころか、これまで開かれていたアクセスの道もTRIPS協定により閉ざされる危機にあった。抗HIV薬のアクセス拡大とTRIPS協定の影響は、毎回国際エイズ会議の一大テーマであり、会場内外のデモ行進の多くはこの問題に関わるものであった。

  国民の公衆衛生の保持は私的商業的利益に優先すると宣言した2001年11月のドーハ閣僚宣言は歴史に残るものである。これを受けて2003年8月には医薬品生産能力のない開発途上国に輸入ルールを示した一般理事会決定及び議長声明がだされ、TRIPSの医薬品アクセス問題は一応の決着を見た。本当にアクセスは確保されたのだろうか。救命的かつ高価な抗HIV薬はこのTRPISアクセス問題の象徴であり、今回もいくつかのセッションが開催されたが、TRIPS協定及び一般理事会による医薬品アクセスルールに合意が成立したことから、2000年及び2002年の国際エイズ会議注)に比べ、抗HIV薬を入手するための必死の方策から教育啓発的になった。しかし、アクセス問題は決して解決したわけではなく、残された課題、新たな問題に引き続き警鐘を鳴らすものであった。アクセス確保に関する最新事情を紹介する。

注)2000年ダーバンの第13回国際エイズ会議ではいかにアクセスを確保するか解決策の見えない大問題であり会議直前の6月にUNAIDSの主導で医薬品アクセスイニシアティブが成立し10分の一の価格で抗HIV薬が5メーカーから提供されることが報告された。2002年の第14回会議ではタイやブラジルでのジェネリック製造によりブランド品も大幅に値下がりすることが報告された。

(2)TRIPS 協定の問題点
 わが国を初め、医療保障制度の整備されている先進国では高価な抗HIV薬や日和見感染症治療薬は標準的な治療方法となっている。一方、2003年現在、感染者の95%が居住する開発途上国では救命治療の恩恵にあずかっているのは7%に過ぎない。

  WTO設立協定の一つとして1995年1月1日に発効した「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定Trade Related Intellectual Properties Agreements: TRIPS 協定」により、医薬品も他の物品同様、最低20年間の特許が認められることとなった(協定27条、33条)。医薬品は生命関連物質であり、TRIPS協定以前には特許の対象としないあるいは製造方法だけを特許対象とし医薬品そのものを対象にしない国が少なからず存在した(インド、中国、ブラジル、タイなど)。世界の97%の特許は先進国の人々が取得し、また、開発途上国の特許の80%は先進国出身者が取得している。

 これまで医薬品の特許を保護せず、先進国で研究開発された医薬品(「先発医薬品」という)のコピー薬(「後発医薬品」または「ジェネリック医薬品」という)を製造・輸入し医療需要をまかなってきた開発途上国では特許権保護により医薬品事情が極端に悪くなることが懸念された。TRIPS協定では国家緊急事態などのときは特許権者の許諾を得ないで特許品のコピーを認めていたが、これは国内市場への供給のためだけに許諾されるもので(協定31条)、輸出入を認めたものではない。医薬品製造能力のない多くの開発途上国では安いジェネリックを輸入する道がたたれる。

  医薬品製造能力を有する開発途上国特に、高価な救命薬である抗HIV薬のジェネリック医薬品製造をインド、タイ、ブラジルが行い、他の開発途上国にも供給するようになってきていた。2005年からは後発開発途上国(LDC)を除き、締約国はTRIPS協定を遵守しなければならず、後発品の主要供給国インドもその一つである。抗HIV薬のアクセスはもともと不十分であったが、さらに、ジェネリック抗HIV薬の輸出入の道が絶たれれば事態は悪化することが懸念され、国際政治問題となっていた。

(3)XIV国際エイズ会議(2002)以降の動向
  2001年11月ドーハでの閣僚級会合による「TRIPSと公衆衛生に関する閣僚宣言」では、TRIPS 協定の柔軟性を明確にし、公衆衛生及び医薬品へのアクセスが全てに卓越するものであることが名言された。後発開発途上国の経過期間(条約を実施するための準備期間、経過期間中は従来の制度を維持できる)はTRIPSでは2006年までとされていたが2016年まで延長され、さらにそれ以降も政府の要請により延長できることとされた。

 ドーハ宣言第6節による貿易関連知的所有権理事会(TRIPS理事会)の報告にもとづき、一般理事会は2003年8月30日に医薬品製造能力のないまたは不十分な国が緊急事態下においてTRIPS協定の強制許諾権(compulsory licensing)を活用し後発医薬品を輸入する具体的方法を決定し、医薬品製造能力のないまたは不十分な国の医薬品のアクセスが一応確保された。特許に対する強制許諾は古くから例があり、1965年にはイギリス厚生省が国内特許権者の許諾を得ないままテトラサイクリンをイタリアから輸入した。

  なお、現在まで、一般理事会決定事項のTRIPS協定への包含方法が決まっていない(選択肢はTRIPS 本文の改正、脚注、その他の方法など)。

  開発メーカーは、差別価格(differential pricing)の導入などにより支払い能力のない国には協力するようになり、また、サハラ以南の国々には原則的に特許権保護を求めないこととしている(TuBs162 Dr Bale)

 また、WHOは抗HIV薬事前評価事業(prequalification project)を開始し、書類審査及びGMP査察により品質確保に努めるようになった。

(4) 今後の課題

ア. 開発途上国はTRIPSを実施するため知的財産法、競争法や医薬品の登録制度を規定する薬事法を整備しなければならない。
イ. 特許期間中の新薬の後発品を高品質で生産できる製造業者は限られている。特に、セカンドラインの薬剤(薬剤変更後に使用される薬剤)の多くが未だ特許期間中であり価格は高い。
後発でない開発途上国(たとえばウクライナなど)には差別価格*が適用されないので、価格の高いものの入手に困難を生じている。(*製薬会社が豊かな国と支払い能力のない国で抗HIV薬の価格を違えること)。
インドが合法的に後発品を供給できなくなる2005年以降、特にセカンドライン薬剤の確保が心配される。また、問題は価格以外にもある。
ウ. 米国は二国間または地域間自由貿易協定(FTA)により、TRIPS以上のIP保護規定を盛り込もうとしている。たとえば、特許期間を25年に延長、試験データの保護により後発品の早期登録阻止、強制許諾の不使用など。(TRIPS-plusという)
現在、タイ、及び南アフリカ連合と米国は交渉中であり、この2国・地域が屈してしまうと今後結ばれる他の国・地域協定もすべて米国の望むIP保護色の強い協定になる。

(5)開発途上国側の防衛手段(タイ,マラウイ)
○タイ
ア .TRIPS強制許諾権発動
イ .開発途上国同盟:ナイジェリア、ブラジル、タイ、インド、中国及びロシア
ウ .アジアのHIV感染の特色(少数の感染者から売春、注射などで広がった)を踏まえた対応。
エ.メディア戦略

○マラウイ
ア.国際価格のチェック
イ .特許の有効性調査
ウ .有効な場合は強制許諾を求める R実施例なし
エ.WHO事前評価を受けている医薬品

(6)ファイザー最高経営責任者Hank MaKinnellの講演 (13 July Bs06 TuBs161 “IP. ARVs and Access”)
次の論理的ステップは何か。
IPを認めないというのは単純すぎる。
2004年までに19の抗HIV薬が承認された。
2010年までに83の新薬が開発中である。全てが承認される訳ではない。
治療上のウイルス学的免疫学的効果喪失率は高く、新しい薬の開発は必要である。(表)

  ウイルス学的効果喪失率(%) 免疫学的効果喪失率(%)
第一HAART
40
20
第二HAART
50
30
第三HAART
67
40

 高額の資金を要する開発を進めるためにはIPの保護は不可欠である。

 ファイザーは抗HIV薬の購買力のない貧しい国には協力し、その他の国には適正価格で販売する。予防活動も行っており米国南部からサハラ砂漠以南まで、若者や女性を対象としている。

  ファイザーは敵ではない。HIV/AIDSこそが敵である。
(講演開始まもなく『タイHIV陽性者ネットワーク』の約30名が“Patients’Rights not Patent Rights”と書かれたプラカードを掲げ入場。議長の采配により代表が次の趣旨で2分間演説して、デモ隊は退場した。「20年間のIP保護期間は長すぎる。政府は後発医薬品に強制許可を適用すべきである。グローバルな貿易協定反対。」)

(7)TRIPS 協定、FTAとアクセスに関する考察
 TRIPS 協定及び2003年8月の一般理事会決定により開発途上国が抗HIV薬にアクセスする道は確保された。しかし、その手続きは制約的であり、インドにTRIPS協定が適用される2005年以降、実際にこの手続きにより強制許諾制度が活用されるのかフォローする必要がある。2004年7月現在、強制許諾制度が活用された例はない。

  また、FTAでは強制許諾を実施しないよう、米国が画策しているとのことであり、ますます、強制許諾制度が活用されないように思われる。
強制許諾制だけが高価な抗HIV薬を入手する方法ではない。差別価格の適用などの方策はあるが、必ずしも、メーカーとの交渉が成功するとは限らない。

  ジェネリックの流通が制約される結果、医薬品は品不足となりそれに乗じた偽造薬(counterfeit drugs)が横行する。3by5 (2005年までに開発途上国及び中間所得国の300万人のHIV感染者に抗HIV薬治療を提供するという地球規模の目標)が進められる陰で、一向にアクセス改善が進まないばかりか、返って後退する危険性も孕んでおり、抗HIV薬の普及に関して今後も国際監視をゆるめてはならない。結局、各国が医薬品普及体制を確立することこそが究極的解決法であることから、医薬品政策を各国が強力に推し進めるために技術援助が必要であろう。

 

第2章 その他のセッション

 多くの セッションに参加し、多数の演題を聴取したが、その中から一部を報告する。

1.オープニングセレモニー(Sunday 11 July)
(1)タイ厚生大臣Ms Sudarat Keyuraphan 及び首相H.E.Dr Thaksin Shinawatraによるタイの対策の成功、積極的関与の姿勢は聴衆の賞賛を集めた:

(2)国連事務総長Kofi Annan氏が次のように女性の感染率の高まりを指摘したことは世界のエイズ対策の方向性を示すものであり、会議全般に影響を及ぼした。また、アジアをアフリカのようにしてはならないというメッセージは印象的、効果的であった:

2.無行動の代償(Mon12JulyLM4 Price of Inaction)
厚生労働科学研究「HIV感染症の医療体制に関する研究班」北陸ブロック分担研究(分担研究者上田幹夫氏)の研究協力として石川県HIV対策研究会を立ち上げようとしており、本セッションにより感染率の低い地域での活動が大変意義あることを確認した。
(1) UNAIDS Swarup Sarkar氏 

(2)ADB John Stove 氏 
アジアの数カ国で感染者数はアフリカの国と同じだが、感染率としては低い。もし感染率がアフリカ並みに上がれば、大変な感染者数になる。流行を予測し、今、何をすべきか見極める。しなさすぎ、遅すぎる。

(3)ラオス厚生大臣
 ラオスのHIV感染率は低いが決して流行から安全ではない。FTAにより国家間の労働者移動が増加し、女性、子供のアンフェタミン使用が高まっている。資金は不足し、外国の援助を受けている。HIV情報、予防活動を優先し、コミュニティ参加、スタッフの訓練と技術向上、予防・治療・ケアの包括的取組、100%コンドーム使用、STIケアを行っている。

3.治療アクセスを高める(P102 Tu.13 July)
HIV/AIDSの有する様々な問題の中でも結核との重複感染は深刻な問題であることが最前線の状況から理解することができた。
Papa Slif Sow 「結核とHIV」:アフリカでは人口の3分の一が結核(TB)に感染しているが、発病しているわけではない。サハラ砂漠以南ではスミア陽性の70%がHIV陽性である。HIV検査・カウンセリングにTBも含めるべきである。
イソニアジドの予防的使用、HIV陽性者にコトリモキサゾールのTB予防的使用、HAARTのTB及びHIVへの効果、リファンピシンのHIV治療効果、TB及びHIV患者へのDOT戦略などを提唱。
Diane V Havlirも同様にTBとHIVの重複感染の予防と治療について言及した。

4.HIV/AIDS政策とプログラムへのインパクト評価(E06, Tu.13.July04)
厚生労働科学研究「先進諸国におけるエイズ発生動向、調査体制、対策の分析(主任研究者鎌倉光宏氏)」の協力研究として各国の対策を調査することとしているが、対策の評価方法も重要な要素である。政策や具体的プログラムの評価について今回かなりの発表があった。

  そのうちの一つNunez(TuOr E1169)によると中央アメリカAIDSプロジェクト(PASCA)はエルサルバドルなど5カ国のHIV/AIDSプログラム環境強化のために Program Effort Index(API)を用いて効果的なHIV/AIDS反応を得るための投入努力を評価している。方法は10分類100項目のAIDSプログラム努力を十分か国の専門家が詳細な質問票に基づいて判定するもの。
努力のなかで最も強い(評価の高い)要素は政治的支援、政策・計画、法的環境であり、逆に弱い要素は組織構造、資源、人権、沈静であった。
APIは44カ国で使用されており、我が国のプログラム評価にも適用を検討する価値があると思われる。

5.HIV/AIDSに対する教育セクターの反応強化(LM22, Tu13July)
 厚生労働科学研究「HIV感染症の医療体制に関する研究班」北陸ブロック分担研究(上田幹夫氏)の研究協力として「石川県HIV体制研究会」を立ち上げようとしているが、教育委員会関係の参加がえられない中で、教育の重要性について再認識した。
特に「違いを出す」(TuLm346 Making a difference, Michael Kelly)では
高名な教育者である演者が次の観点から教育の重要性と教育者の役割を説いた。

今後とも教育関係との協調協力を求めていきたい。

6.HIV検査・相談の政策実行に対する挑戦(E10 Wed.14July)
 厚生労働科学研究「HIV検査体制の構築に関する研究(主任研究者今井光信氏)」の分担研究「海外をモデルとしたHIV検査体制の確立」のため、本セッションに参加した。

  「HIV検査の受容」(WeOrE1268 Facilitating Acceptance of HIV testing: G Khumalo-Sakutukwa)ではモバイルのHIV検査・相談方式が紹介された。アフリカでは近隣に検査施設はなく、特に女性は夫の許可がないと検査を受けに外出できないが、モバイル方式によれば女性たちも検査が受けられるようになる。当日中に結果を教えている。検査を受けることによってHIVに対する意識も高まる。

  モバイルは必ずしもキャラバンを意味するわけではなく、費用効果を上げる工夫ができる。

  金沢市では保健所職員が町に出掛けて検査を行っており、これも定着している。モバイル方式は未だ導入していない地域では検討に値する。

7.殺HIV剤の開発と使用に関する特別報告(P104, ThP114 Thur.15 July Zeda Rosenberg:殺HIV剤開発同盟)
 殺HIV剤(Microbicide)とは膣に適用しHIV感染を防止又は減少させる物質である。
効果は60%であり、新規感染者が250万人減少する可能性がある。また、殺HIV剤は女性がコントロール出来るHIV感染防止方法である。メカニズムは4通り:

開発途上国の女性は今後5-10年後に殺HIV剤(Microbicide)を入手可能。

8.HIVワクチン (P104, ThP115 Thur.15 July Jose Esparza) 
 エイズワクチン開発協会(AVDA)理事なので、エイズワクチン開発の現状をフォローした。

  1987 年以来、80以上の第I相及びII相臨床試験が行われ、2003年に初めて第III相が終了した。2003―2004年にかけて、ワクチン関連活動を行っている団体が集まり、グローバルHIVワクチン エンタープライズが設立された。

  ワクチンのタイプも(1)抗体誘導ワクチン、(2)T細胞誘導ワクチン、(3)組合わせ型と免疫原性ワクチンがある。
ワクチン開発に多くの努力が傾注されているが、実用可能なワクチンが近々世にでるような話は聞けなかった。なお、場外でMr.EsparzaからGlobal Vaccine Enterprise へ日本政府も参加して欲しいとの希望が伝えられた。

9.HIV/AIDSに関し影響力あるリーダシップ技術の向上(SB424 Thurs 15 July)
 厚生労働科学研究事業「HIV感染症の医療体制に関する研究」北陸ブロック(分担研究者上田幹夫氏)の研究協力として「石川県HIV対策研究会」を立ち上げようとしている折り、本セッションに参加した。なお、ここで、どうしたら教育セクターを研究会に参加させることができるか問うたところ、「ベスト質問賞」を受ける栄誉に浴した。(Leadership と書かれた上等のTシャツを頂戴した)

  パネリストは前ザンビア大統領、ワールドエコノミーフォーラム民間部門の豪の教授、ナイジェリアNCAC議長、タイ上院議員Mechai Viravaidya,インドネシア副大統領候補、IAS前会長James Deaneと大変豪華だった。
今はHIV/AIDS対策において一目も二目も置かれている存在だが、今日までの苦労をそれぞれ話してくれた。学んだことは次のように集約された:

なお、ベスト質問に対する回答は「Be patient!我慢強くあれ!」でした。

 

第3章 公的役割の成果

 IAS Mentor: 特に問題なく終わった。


 
  
第4章 会議成果の国内での還元

  1. 7月31日石川県HIV対策研究会で報告
  2. 10月26日 金沢大学留学生プログラムでHIV/AIDSを講義
  3. HIV/AIDSをテーマとしている学生の研究指導
  4. 厚生労働科学研究費補助金エイズ対策事業への還元:第2章に掲げたセッションなどから情報収集、専門家との知遇を得たほかExhibitionのブースに立ち寄り、さらなる情報収集、専門家の同定を行った。日本のブース以外に立ち寄った主なブースは:
    (政府)オーストラリア、カナダ、ドイツ、フランス、インド、タイ、米国
    (国際機関)UNAIDS,UNICEF, WHO、WB
    (NGO)Prevention Information et Lutte contrele Sida (仏),

  Deutsche AIDS-Hilfe e.V.(独), Management Science for Health(米), Asian Community AIDS Services(香港)など
これにより「HIV感染症の医療体制に関する研究」北陸ブロック(分担研究者上田幹夫氏)の研究協力、「HIV検査体制の構築に関する研究(主任研究者今井光信氏)」の分担研究「海外をモデルとしたHIV検査体制の確立」及び「先進諸国におけるエイズ発生動向、調査体制、対策の分析(主任研究者鎌倉光宏氏)」の研究協力に関連する情報、知遇により著しく研究促進できた。たとえば、7月30日現在、Health Canada から、提供依頼した情報の確認メールが入っている。

 

   
第5章 会議の感想

  基礎研究から、社会問題まで、HIV/AIDSに関する最新情報を一週間で入手できるとともに、外国のカウンターパートと再会、または知遇を得る大変貴重な機会であった。特に、毎朝8:30-10:00のプレナリーセッションはテーマ及び講演者が注意深く選ばれており、専門分野でなくても聞いているだけで現状が把握でき大変役に立った。ワクチンの実用化が進展しない中で、Microbicide研究に光明が当たった印象を受けた。

  また、Skills Building Workshop は些細な疑問点の解消やすぐに役立つノウハウなど実用的で役にたった。

  今回のセッションでは「リーダーと会う」セッションが多数あり、世界中から高位高官が多数参加し、直接肉声にふれることができ感銘を受けた。
同時に15ものセッションが開催され、関心あるすべてのセッションに参加することができなかったのが、残念だった。

  本文にも記したが、“SB424 Developing high-impact leadership skills on HIV/AIDS”でベスト質問賞を受けたことは大変幸せであった。派遣して頂いた(財)エイズ予防財団に深謝します。