(平成19年度)


第5版巻頭言

この度、厚生労働科学研究費補助金エイズ対策事業「周産期・小児・生殖医療におけるHIV 感染対策に関する集学的研究」班の塚原優己分担班より「HIV 母子感染予防対策マニュアル」の第5 版が発行されることになりました。塚原優己先生はじめ研究協力者、共同執筆者ならびに関係各位に深く感謝いたします。平成12 年に発行された初版から版を重ねてきましたが、その間、治療法の進歩や社会背景の変化に対応して、たえず最新の情報を取り入れrenewal がなされてきました。この度の第5版では、新たな内容のひとつとして産科的異常妊娠(切迫早産、前期破水)への対応についての解説が加えられました。また、以前から問題となっていたHIV スクリーニング検査における偽陽性に関しては、偽陽性妊婦に偽陽性という結果を告げることなしに陰性の確定報告を可能にするための具体策も提示されています。さらに、この第5 版は妊娠の有無に関わらない女性感染者のトータルケア・マニュアルの作成が目標とされ、感染女性の社会的支援体制などを含めてより幅広い視点からいくつかの項目が加えられ内容の充実が図られています。

妊婦のHIV スクリーニング検査実施率は、われわれの研究班が全国の病院を対象として調査を開始した平成11年度の73.2% から平成19年度には7.2% に上昇し、また母子感染予防対策の充実によりわが国において母子感染はほぼ防御可能となっています。しかしながら、先進国で唯一HIV 感染症 が増加しているわが国の現状を考えますと、なお油断はできません。感染妊婦も若干ではありますが増加傾向を示しています。今後とも妊婦のHIV スクリーニングの実施状況や感染妊婦の実態を調査し、なお啓発活動を続けて行うことが必要です。また、母子感染予防対策に関しては、分娩様式の選択す なわち経腟分娩の可能性について、妊娠中に母体に投与された抗ウイルス薬の出生児への影響、特に長期予後への影響について、さらに新生児への予防的AZT 投与と副作用について、など継続して検討すべき問題も残されている状況です。マニュアルにはそのような問題も含みつつ最新の情報が網羅されております。臨床の場で、あるいは知識の確認のために幅広く利用されることを望む次第です。


厚生労働科学研究補助金エイズ対策事業
「周産期・小児・生殖医療におけるHIV 感染対策に関する集学的研究」班
主任研究者 和田 裕一

 

「HIV 母子感染予防対策マニュアル(平成19年度)」

抗HIV治療ガイドライン(1999年7月) PDFファイル(3.7MB)
「主なHIV薬の添付文書」 抗HIV治療ガイドライン(1999年7月) PDFファイル(9.4MB)
「妊婦HIVスクリーニング検査(一次検査)で結果が陽性だった方へ」 抗HIV治療ガイドライン(1999年7月) PDFファイル(1.8MB)
「あなた自身の健康と赤ちゃんの健やかな誕生のために」 抗HIV治療ガイドライン(1999年7月) PDFファイル(1.3MB)
「女性のためのQ&A 貴女らしく明日を生きるために」(患者向け) PDFファイル(13.2MB)
「女性のためのQ&A 診療・ケアのための基礎知識」(医療者向け) PDFファイル(15.0MB)

当ガイドラインはPDFファイルとして収録されています。
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※本ガイドラインは、厚生労働科学研究費補助金を得て行った研究成果としてとりまとめられたものである。
また、本ガイドラインの内容については、研究班の総意を反映したものであり、厚生労働省の見解や政策を示すものではない。