世界エイズデー(12月1日)啓発キャンペーン
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平成30年度 世界エイズデーポスターコンクール審査結果
最優秀賞(各部門)
- 堀澤 奈津実さん
小学生の部
- 細谷 璃紗さん
中学生の部
- 小栁 湧志さん
高校生の部
- 竹原 実咲さん
一般の部
※高校生の部 小栁湧志さんの作品が平成30年度世界エイズデーキャンペーンポスターに選ばれました。
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平成30年度世界エイズデーポスターコンクール講評
審査員長 中島 邦信
本年度の世界エイズデーポスターコンクールの応募は、小学生の部12点、中学生の部123点、高校生の部187点、一般の部136点の計458点でした。9月19日にポスターコンクール審査会(第一次審査)が開催され、それらの中から小学生の部8点、中学生の部18点、高校生の部19点、一般の部17点が選ばれました。10月2日に同審査会(第二次審査)が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点(あるいは2点)が選ばれ、最後に最優秀賞作品の中から世界エイズデーキャンペーンポスターに使用する作品の選考が行われました。
二次審査会では今年も真摯な、熱い意見が交わされました。以下に選評を記します。
二次審査会では今年も真摯な、熱い意見が交わされました。以下に選評を記します。
〈小学生の部〉
小岩凜さんの「子どもとハート・『みんなで理解しようエイズ』」と安慶名華穂さんの「女子生徒・『AIDSのイメージを変えよう』」が満票を得てリード、石本心結さんの「鳥とレッドリボンと蚊・『予防の前に正しい知識を』」、堀澤奈津実さんの「『HIV検査 自分の体をのぞいてみよう!』」の2作品がこれに続きました。
小岩さんの作品は温かみを感じさせる絵とシンプルで分かりやすいコピーに対する好感度が高く、安慶名さんの作品はコピーの訴求ポイントが的確であり、よく勉強しているとの評価を得ました。石本心結さんの作品はデザイン、色使いは美しいものの、絵とコピーの関連性が分かりづらくメッセージが伝わりにくいのではとの懸念が出され、一方堀澤さんの作品はHIV検査を目立つ形で呼びかけており、「自分の体をのぞいてみよう」というメッセージもユニークで行動につながりやすいと評価されました。
最優秀賞候補は小岩さんと堀澤さんの作品にしぼられ、改めて議論の結果、堀澤さんの作品のほうがポスターとしてアピール力が強いということで、こちらに決まりました。優秀賞には小岩さんと安慶名さんの作品が選ばれました。佳作には石本心結さんの作品の他に、石本千宝さんの「天使とレッドリボン・『早期発見 セルフケア!』」がビジュアルに対する評価が高く、受賞しました。
小岩さんの作品は温かみを感じさせる絵とシンプルで分かりやすいコピーに対する好感度が高く、安慶名さんの作品はコピーの訴求ポイントが的確であり、よく勉強しているとの評価を得ました。石本心結さんの作品はデザイン、色使いは美しいものの、絵とコピーの関連性が分かりづらくメッセージが伝わりにくいのではとの懸念が出され、一方堀澤さんの作品はHIV検査を目立つ形で呼びかけており、「自分の体をのぞいてみよう」というメッセージもユニークで行動につながりやすいと評価されました。
最優秀賞候補は小岩さんと堀澤さんの作品にしぼられ、改めて議論の結果、堀澤さんの作品のほうがポスターとしてアピール力が強いということで、こちらに決まりました。優秀賞には小岩さんと安慶名さんの作品が選ばれました。佳作には石本心結さんの作品の他に、石本千宝さんの「天使とレッドリボン・『早期発見 セルフケア!』」がビジュアルに対する評価が高く、受賞しました。
〈中学生の部〉
髙橋ふきねさんの「本年度テーマと笑顔のドクター」と廣中茉優花さんの「『12月1日、あなたは何を考えますか。』」が一歩リード、竹澤慎人さんの「コンドームに赤いリボン」、青砥唯さんの「重ねた手とレッドリボン」、細谷璃紗さんの「レッドリボンの赤ずきんとオオカミ」の3作品がこれに続きました。
髙橋さんの作品には明快で分かりやすい、女医さんが優しそうでホッとするなどの感想が述べられました。廣中さんの作品は「12月1日」について問いかけるという形がキャッチーではあるが、受けの「世界エイズデー」がもっと目立つほうがよかったとの意見が出されました。竹澤さんの作品には賛否両論がありましたが、中学生がコンドームに挑んだ勇気を評価したいとの意見が支配的でした。青砥さんの作品はほとんど絵の美しさだけでここまで残った作品であり、好感度の高いものです。細谷さんの作品は着想がユニークで「オオカミ」に対する「赤ずきん」がコンドームを暗示しています。絵もかわいらしく、広い層に対するアピールが期待できそうです。
再度審査員の評価をまとめた結果、最優秀賞には細谷さんの作品が選ばれました。優秀賞には髙橋さんと竹澤さんの作品が入り、佳作には廣中さん及び青砥さんの作品が、さらに勝馬瑠衣さんの「『もっとわかってエイズのこと・・・』」がグラフィックの巧みさ、暗喩の豊かさを買われて受賞しました。
髙橋さんの作品には明快で分かりやすい、女医さんが優しそうでホッとするなどの感想が述べられました。廣中さんの作品は「12月1日」について問いかけるという形がキャッチーではあるが、受けの「世界エイズデー」がもっと目立つほうがよかったとの意見が出されました。竹澤さんの作品には賛否両論がありましたが、中学生がコンドームに挑んだ勇気を評価したいとの意見が支配的でした。青砥さんの作品はほとんど絵の美しさだけでここまで残った作品であり、好感度の高いものです。細谷さんの作品は着想がユニークで「オオカミ」に対する「赤ずきん」がコンドームを暗示しています。絵もかわいらしく、広い層に対するアピールが期待できそうです。
再度審査員の評価をまとめた結果、最優秀賞には細谷さんの作品が選ばれました。優秀賞には髙橋さんと竹澤さんの作品が入り、佳作には廣中さん及び青砥さんの作品が、さらに勝馬瑠衣さんの「『もっとわかってエイズのこと・・・』」がグラフィックの巧みさ、暗喩の豊かさを買われて受賞しました。
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〈高校生の部〉
小栁湧志さんの「『僕は、これ。』」が満票を得て、全会一致で最優秀賞に決まりました。グラフィックの強さ、メッセージの単純さ、構図のシンプルさ、見ているだけでそのパワーに圧倒されます。
優秀賞には山﨑有夢さんの「コンドームにチェックマーク」と岡本萌衣さんの「『愛する前に被せて』」が選ばれました。山﨑さんの作品は完成度が高くほぼ全員の支持を得ましたが、「是非これを」というところまではいきませんでした。岡本さんの作品は発想が新鮮でグラフィックもきれいに上品に処理されています。佳作には宮原悠里子さんの「つながるレッドリボンの手」、末次舞香さんの「コンドームの手渡し・『今、防ごう。』」、髙濱篤志さんの「『互いを守る』」が選ばれました。宮原さんの作品はトップに次ぐ票を得たのですが、前回のキャンペーンポスターを連貼りしたイメージを連想させるとの理由で後退しました。末次さん作品は二人の手がコンドームをいとおしそうに差し出しており、互いを大切にしようという思いが伝わってきます。髙濱さんの作品は単調な線と配色だけの構図ですが、「互いを守る」というコピーで何を言わんとしているかがストンと落ちて、印象深いものになっています。
優秀賞には山﨑有夢さんの「コンドームにチェックマーク」と岡本萌衣さんの「『愛する前に被せて』」が選ばれました。山﨑さんの作品は完成度が高くほぼ全員の支持を得ましたが、「是非これを」というところまではいきませんでした。岡本さんの作品は発想が新鮮でグラフィックもきれいに上品に処理されています。佳作には宮原悠里子さんの「つながるレッドリボンの手」、末次舞香さんの「コンドームの手渡し・『今、防ごう。』」、髙濱篤志さんの「『互いを守る』」が選ばれました。宮原さんの作品はトップに次ぐ票を得たのですが、前回のキャンペーンポスターを連貼りしたイメージを連想させるとの理由で後退しました。末次さん作品は二人の手がコンドームをいとおしそうに差し出しており、互いを大切にしようという思いが伝わってきます。髙濱さんの作品は単調な線と配色だけの構図ですが、「互いを守る」というコピーで何を言わんとしているかがストンと落ちて、印象深いものになっています。
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〈一般の部〉
長友日向子さんの「通信アイコン・『HIV 情報のアップデートを。』」、中村綾香さんの「レッドリボン・『知ることがあなたを守る』」、竹原実咲さんの「虫眼鏡・『AIDSって知ってる?』」、渡部美乃里さんの「『エイズについてどのくらい知っていますか?』」の4作品が同数票を得て競い合いました。
長友さんの作品はHIVについての情報を読み込み中であることを示しており、静的なデザインの中に現代風の動きがあって「なるほど」と思わせます。中村さんの作品はグラフィックの好感度が高く、レッドリボンに触れて啓発される瞬間がかわいらしく表現されています。竹原さんの作品にはこちらを見られているようで気になる「引っかかり」があり、絵とコピーがぴしゃりと合致して声をかけられているような気分にさせられます。渡部さんの作品はテキストの文字が小さく読みづらいが、逆にそれが関心を湧かせる、また勉強中のひとコマのようで絵としてユニークだ、といった評価がなされました。
最優秀賞は当初長友さんと中村さんの争いでしたが、中村さんの作品の絵柄が象徴的過ぎてモチーフがダイレクトに伝わってこないとの意見が出され、次に長友さんと竹原さんの決戦となりました。最後まで評価は分かれましたが、竹原さんの作品のほうが分かりやすくアピール力が強いとの結論に至り、こちらが最優秀賞に選ばれました。優秀賞には長友さんと中村さんの作品、佳作には渡部さんの作品、さらに宮嵜大夢さんの「『確実に大丈夫といえますか?』」と出口敦嗣さんの「『プロポーズ前にまずはHIV検査を』」が選ばれました。宮嵜さんの作品は赤ベタ、白抜きの絵柄で、手先の確かなプロ的な力量を感じさせます。出口さんの作品はプロポーズ用のリングの小箱の中にレッドリボンが入っており、HIV検査が相手に対する愛情表現の一部であることを訴えています。
長友さんの作品はHIVについての情報を読み込み中であることを示しており、静的なデザインの中に現代風の動きがあって「なるほど」と思わせます。中村さんの作品はグラフィックの好感度が高く、レッドリボンに触れて啓発される瞬間がかわいらしく表現されています。竹原さんの作品にはこちらを見られているようで気になる「引っかかり」があり、絵とコピーがぴしゃりと合致して声をかけられているような気分にさせられます。渡部さんの作品はテキストの文字が小さく読みづらいが、逆にそれが関心を湧かせる、また勉強中のひとコマのようで絵としてユニークだ、といった評価がなされました。
最優秀賞は当初長友さんと中村さんの争いでしたが、中村さんの作品の絵柄が象徴的過ぎてモチーフがダイレクトに伝わってこないとの意見が出され、次に長友さんと竹原さんの決戦となりました。最後まで評価は分かれましたが、竹原さんの作品のほうが分かりやすくアピール力が強いとの結論に至り、こちらが最優秀賞に選ばれました。優秀賞には長友さんと中村さんの作品、佳作には渡部さんの作品、さらに宮嵜大夢さんの「『確実に大丈夫といえますか?』」と出口敦嗣さんの「『プロポーズ前にまずはHIV検査を』」が選ばれました。宮嵜さんの作品は赤ベタ、白抜きの絵柄で、手先の確かなプロ的な力量を感じさせます。出口さんの作品はプロポーズ用のリングの小箱の中にレッドリボンが入っており、HIV検査が相手に対する愛情表現の一部であることを訴えています。
〈キャンペーンポスター作品の選考〉
高校生の部/小栁湧志さんの「『僕は、これ。』」が全会一致で選ばれました。久々の「ダントツ」といった感じで、ポスターの生命である単純さ、分かりやすさ、そして迫力を兼ね備えた「声量」の極めて大きな作品です。なお所定の文字情報を入れる際は作品に被せることなく、下部に余白を作って入れることにして、その対応を事務局に検討してもらうことになりました。
ひとつ心残りは今年も規定外のため、言わば「門前払い」になった作品が多数あったことです。全体の9.6%、ほぼ10点に1点が予選にも臨めませんでした。用紙のサイズ違い、横長使用、英語のスペルミス、レッドリボンの色、「エイズ感染」といった表現など、応募の規定や注意事項をよく読んでいただければ全て避けられたことです。 応募される方、そして指導される先生方には、一層の慎重さをお願いする次第です。
ひとつ心残りは今年も規定外のため、言わば「門前払い」になった作品が多数あったことです。全体の9.6%、ほぼ10点に1点が予選にも臨めませんでした。用紙のサイズ違い、横長使用、英語のスペルミス、レッドリボンの色、「エイズ感染」といった表現など、応募の規定や注意事項をよく読んでいただければ全て避けられたことです。 応募される方、そして指導される先生方には、一層の慎重さをお願いする次第です。
趣旨
平成30年度世界エイズデーのポスターのデザインを、全国の小学校、中学校、高等学校に在学する児童・生徒及び一般を対象に募集する。
主催
公益財団法人エイズ予防財団
募集区分
(1)小学生の部 (2)中学生の部 (3)高校生の部 (4)一般の部
募集期間
平成30年4月27日(金)~9月4日(火)
募集内容
募集する作品は、一人ひとりがHIV感染予防に取り組むことを訴えるもの、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の受検を呼びかけるものとする。
応募点数
(1)小学生の部 12点
(2)中学生の部 123点
(3)高校生の部 187点
(4)一般の部 136点 合計 458点
(2)中学生の部 123点
(3)高校生の部 187点
(4)一般の部 136点 合計 458点
審査基準
エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において、HIV/エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等の視点から、応募作品のキャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての完成度・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について審査を行います。
審査会
- 第一次審査 平成30年9月19日(水) 13:30~16:30
- 第二次審査 平成30年10月2日(火) 14:00~16:00
入賞作品
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入賞者
小学生の部
- 最優秀賞堀澤 奈津実 さん
- 周南市立福川小学校 6年生
- 優秀賞安慶名 華穂 さん
- 北谷町立北玉小学校 6年生
- 優秀賞小岩 凜 さん
- 一関市立厳美小学校 5年生
- 佳作石本 心結 さん
- 大阪市立中泉尾小学校 6年生
- 佳作石本 千宝 さん
- 大阪市立中泉尾小学校 5年生
中学生の部
- 最優秀賞細谷 璃紗 さん
- 川崎市立野川中学校 1年生
- 優秀賞髙橋 ふきね さん
- 豊橋市立豊岡中学校 2年生
- 優秀賞竹澤 慎人 さん
- 福井県立高志中学校 3年生
- 佳作青砥 唯 さん
- 豊橋市立南稜中学校 2年生
- 佳作勝馬 瑠衣 さん
- 那覇市立真和志中学校 3年生
- 佳作廣中 茉優花 さん
- 豊橋市立東陵中学校 2年生
高校生の部
- 最優秀賞小栁 湧志 さん
- 九州産業大学付属九州高等学校 2年生
- 優秀賞岡本 萌衣 さん
- 岡山県立岡山工業高等学校 2年生
- 優秀賞山﨑 有夢 さん
- 神奈川県立白山高等学校 2年生
- 佳作髙濱 篤志 さん
- 九州産業大学付属九州高等学校 2年生
- 佳作末次 舞香 さん
- 九州産業大学付属九州高等学校 2年生
- 佳作宮原 悠里子 さん
- 熊本県立第二高等学校 2年生
一般の部
- 最優秀賞竹原 実咲 さん
- 麻生情報ビジネス専門学校北九州校
- 優秀賞長友 日向子 さん
- 武蔵野美術大学
- 優秀賞中村 綾香 さん
- 日本アニメ・マンガ専門学校
- 佳作出口 敦嗣 さん
- 麻生情報ビジネス専門学校北九州校
- 佳作宮嵜 大夢 さん
- 日本工学院八王子専門学校
- 佳作渡部 美乃里 さん
- 日本工学院八王子専門学校
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エイズ予防財団ポスターコンクール審査会 審査員(敬称略 五十音順)
- 審査員長中島 邦信
- 前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
- 審査員何 英二
- 前職 株式会社電通クリエイティブ局
クリエイティブディレクター
- 審査員小林 沙織
- 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課
学校保健対策専門官
- 審査員都丸 雅明
- AAA運営事務局事務局長
- 審査員灰 来人
- グラフィックデザイナー、
認定NPO法人魅惑的倶楽部福岡支部 事務局員、
HIV陽性者交流会 notAlone Fukuoka 主宰
- 審査員原澤 朋史
- 厚生労働省健康局結核感染症課エイズ対策推進室
室長補佐