世界エイズデー(12月1日)啓発キャンペーン

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令和3年度 世界エイズデーポスターコンクール審査結果

最優秀賞(各部門)

  • 小学生・中学生の部
  • 白猪 聖浩さん
    小学生・中学生の部
  • 高校生の部
  • 吉良 明音さん
    高校生の部
  • 一般の部
  • 福田 佳奈さん
    一般の部

※一般の部 福田佳奈さんの作品が令和3年度世界エイズデーキャンペーンポスターに選ばれました。

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令和3年度世界エイズデーポスターコンクール講評

審査員長 中島 邦信
 本年度の世界エイズデーポスターコンクールの応募は小学生・中学生の部82点、高校生の部161点、一般の部87点の計330点でした。9月24日に第一次審査が今年もオンラインで行われ、それらの中から小学生・中学生の部20点、高校生の部17点、一般の部16点が選ばれました。10月4日に第二次審査が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点が選ばれ、最後に最優秀賞作品の中から世界エイズデーキャンペーンポスターに使用する作品の選考が行われました。
 今年も新型コロナの影響で二次審査会でも複数の審査員がオンライン参加となり、マルチスクリーン経由の議論となりましたが、事務局の周到な準備により無事審査を終えることができました。以下に選評を記します。

小・中学生の部

〈小学生・中学生の部〉

 白猪聖浩さんの「水色地にテーマ・レッドリボン持ち合う男子と女子」が満票を得てリード、林浩希さんの「赤地に生徒二人・『AIDSって身近なんだね』」と菊池結衣さんの「黄色地に男女・『知ることが大切』・レッドリボン」がそれに続きました。白猪聖浩さんの作品はイラストレーションに手書きの好感度があり、構図はシンプルで分かりやすく、青のベースも新鮮です。またレッドリボンの文字の装飾にも作者の美意識がうかがわれます。林浩希さんの作品は赤地に白抜きという手法が斬新で、子供たちの様子とメッセージには一体感があり、自らの気付きが素直に啓発の言葉となっています。菊池結衣さんの作品は丁寧に描かれた少年少女のイラストが、学ぼうとする者の真摯さを感じさせ、そのメッセージに一層の重みを与えているようです。再度投票の結果、白猪聖浩さんの作品が最優秀賞、林浩希さん、菊池結衣さんの作品が優秀賞と決まりました。佳作には湯野川樹輝さんの「PC画面に『Search』・『まずは知ろう』」と水谷歌花さんの「レッドリボンとハート・『エイズってなんだろう?』」と水田詞菜さんの「黒地に地球・ピン留めのレッドリボン」が選ばれました。湯野川樹輝さんの作品は上記3作品に次ぐ高得票を得たもので、PC画面の検索と「知ろう」とするアクションが強調されており、また構図もシンプルで大胆です。水谷歌花さんの作品はハートとレッドリボンが浮き浮きムードを演出して、メッセージにも柔らかさがあり、深刻さとは一線を画したほのぼのとした味わいが特長です。水田詞菜さんの作品はピン留めのレッドリボンがその誕生の正しい経緯を語っており、「正しい知識を世界に」というコピーと共鳴して通好みの佳作となりました。

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高校生の部

〈高校生の部〉

 吉良明音さんの「地球と太陽・『向き合おう、防ごう、AIDS』」が一歩リード、これに大川楓生さんの「歩くレッドリボン・『さあ、HIV検査へいくんだ。』」、桝見汐音さんの「レッドリボン形に組んだ手と手」、渡邉未夏さんの「お髭さん・『そうね 大切ね』」、藤田こうめさんの「赤地に白抜きレッドリボン・『知ろう、エイズのこと。』」の4作が続きました。吉良明音さんの作品は何よりもイラストの完成度の高さに評価が集まりました。画面に漂う明るいイメージにも好感が持てます。またメッセージも的確で間然する所がありません。構図と表現の大胆さで審査員をのけぞらせたのは大川楓生さんの作品です。レッドリボンが足になって歩いてきます。「さあ、HIV検査へいくんだ。」というコピーからも決意のほどが伝わってきます。ただ惜しいことに指の数が足りなかった。原則としてイラストは正確に越したことはありません。桝見汐音さんの作品は組み合った二人の手がレッドリボンを形作っていて、そのアイデアがコロンブスの卵の如くに新鮮です。渡邉未夏さんの作品は一見説明不要ながら、実はアイデアが詰まっています。「帽子」と「防止」をテーマにした男女の洒落た会話は、字が小さすぎるのが難点です。帽子が異物を弾いているところなども芸が細かい。藤田こうめさんの白抜きレッドリボンは色使いの巧みさ、グラデーションの美しさが生命です。ビジュアルの完成度だけでここまで残るのは作者の力量の証でしょう。再投票の結果、最優秀賞には吉良明音さんの作品、優秀賞には桝見汐音さんと渡邉未夏さんの作品が、佳作には大川楓生さんと藤田こうめさんの作品が選ばれました。残る佳作の一枠には笹尾咲来さんの「赤のTシャツとコンドーム・『STOP AIDS』」が入りました。コンドームをテーマにした元気溢れる作品です。

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一般の部

〈一般の部〉

 福田佳奈さんの「『レッドリボン、知っていますか?』・QRコード」と石田萌々華さんの「レッドリボンを握って・テーマ」と坂口司さんの「レッドリボン・『正しい知識と思いやり』」の3点が高得票を得て並びました。福田佳奈さんの作品に対してはQRコードを使ったアイデアは時代を象徴しており、シンプルで斬新だ、QRコードからエイズ予防情報ネットに飛ぶのでいろいろ検索してもらえる、といった意見が出されました。石田萌々華さんの作品はレッドリボンのインパクトが強く、メッセージにも今年のテーマを取り上げており、構図も安定していて正に王道を行くの感があります。坂口司さんの作品はグラフィックが柔らかな線で構成されており、全体のレイアウトもメッセージも穏やかでシンプルです。優しい曲線のポスターという点に共感する意見も複数ありました。再投票の結果、福田佳奈さんの作品が1位、坂口司さんの作品が2位となり議論再開、QRコードのメリットのほかに、世間の関心がコロナに向かっている今、改めて「レッドリボン、知っていますか」と呼びかけるほうがメッセージとしてのインパクトが強いとの意見も出され、最優秀賞は福田佳奈さんの作品に決定しました。坂口司さんの作品については肝心の「正しい知識と思いやり」のメッセージが読みづらいことが、支持を伸ばせなかった一因のようです。石田萌々華さんと坂口司さんの作品は共に優秀賞となりました。佳作3点には上記3作品に次ぐ高得票を獲得した、森川銀次郎さんの「地球・『自分を守ることはみんなを守ることにつながる』」が、さらに牧瀬咲良さんの「紫地・手指を合わせたレッドリボン」と浅野陽香さんの「レッドリボンと男女・『自分と大切な人を守るために』」が選ばれました。森川銀次郎さんの作品にはヘッドコピーのメッセージに対する好感度が高く、また地球とレッドリボンを上手く調和させているグラフィックにも評価がありました。牧瀬咲良さんの作品はこれまでになかった色使いが注目を集め、イラストのクオリティにも高い評価を得ました。浅野陽香さんの作品はシンプルなデザインと、自分を含めて守るというメッセージが賛同を得ました。

〈キャンペーンポスター作品の選考〉

 3部門の最優秀賞作品を掲示して投票したところ、小学生・中学生の部「水色地にテーマ・レッドリボン持ち合う男子と女子」が2票、一般の部「『レッドリボン、知っていますか?』・QRコード」が3票と票が割れました。改めてそれぞれの推薦理由を述べてもらい、主張の確かさと譲歩の可能性を探った結果、当初の票数どおり一般の部の福田佳奈さんの作品が本年度のキャンペーンポスター作品に選ばれました。
 なお、毎年気になっていることですが、今年も規定外の作品が計30点、応募総数のほぼ1割もありました。せっかく描いてもらった作品が選考前にはねられてしまうのは残念でなりません。特に漢字の不正確さや英語のスペルミスが気になります。応募される方、及び関係者の方々には一層の慎重さをお願いいたします。

趣旨

令和3年度世界エイズデーのポスターのデザインを全国の小学校・中学校、高等学校に在学する児童・生徒及び一般を対象に募集する。

主催

公益財団法人エイズ予防財団

募集区分

(1)小学生・中学生の部 (2)高校生の部 (3)一般の部

募集期間

令和3年4月23日(金)~9月6日(月)

募集内容

募集する作品は、一人ひとりがHIV感染予防に取り組むことを訴えるもの、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の受検を呼びかけるものとする。

応募点数

(1)小学生・中学生の部  82点
(2)高校生の部     161点
(3)一般の部       87点    合計 330点
  • 審査基準
    エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において、HIV/エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等の視点から、応募作品のキャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての完成度・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について審査を行います。
  • 審査会
    ■第一次審査 令和3年9月24日(金)
    ■第二次審査 令和3年10月4日(月)

入賞作品

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入賞者

小学生・中学生の部

  • 最優秀賞白猪  聖浩 さん
  • 京都府立福知山高等学校附属中学校 3年生
  • 優秀賞林   浩希 さん
  • 豊橋市立豊岡中学校 3年生
  • 優秀賞菊池  結衣 さん
  • 宇和島市立三間中学校 2年生
  • 佳作水田  詞菜 さん
  • 松前町立北伊予中学校 1年生
  • 佳作湯野川 樹輝 さん
  • 綾瀬市立綾瀬中学校 3年生
  • 佳作水谷  歌花 さん
  • 蒲郡市立形原中学校 2年生

高校生の部

  • 最優秀賞吉良  明音 さん
  • 和歌山市立和歌山高等学校 3年生
  • 優秀賞桝見  汐音 さん
  • 和歌山市立和歌山高等学校 3年生
  • 優秀賞渡邉  未夏 さん
  • 富山県立富山北部高等学校 3年生
  • 佳作笹尾  咲来 さん
  • 米子松蔭高等学校 3年生
  • 佳作大川  楓生 さん
  • 和歌山市立和歌山高等学校 3年生
  • 佳作藤田 こうめ さん
  • 富山県立富山北部高等学校 3年生

一般の部

  • 最優秀賞福田  佳奈 さん
  • 北海道立旭川高等技術専門学院 2年生
  • 優秀賞坂口   司 さん
  • 日本アニメ・マンガ専門学校 2年生
  • 優秀賞石田 萌々華 さん
  • 麻生情報ビジネス専門学校 北九州校 1年生
  • 佳作森川 銀次郎 さん
  • 麻生情報ビジネス専門学校 北九州校 1年生
  • 佳作浅野  陽香 さん
  • 麻生情報ビジネス専門学校 北九州校 1年生
  • 佳作牧瀬  咲良 さん
  • 麻生情報ビジネス専門学校 北九州校 1年生

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エイズ予防財団ポスターコンクール審査会 審査員(敬称略 五十音順)

  • 審査員長中島 邦信
  • 前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
  • 審査員何  英二
  • 前職 株式会社電通クリエイティブ局
    クリエイティブディレクター
  • 審査員都丸 雅明
  • 元 AAA運営事務局事務局長
  • 審査員長江 翔平
  • 厚生労働省健康局結核感染症課エイズ対策推進室
    室長補佐
  • 審査員灰  来人
  • グラフィックデザイナー
    認定NPO法人魅惑的倶楽部・福岡コミュニティーセンターHACO職員
    notAlone Fukuoka HIV陽性者交流会代表
  • 審査員柳川 侑子
  • 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課
    学校保健対策専門官

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