世界エイズデー(12月1日)啓発キャンペーン
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令和4年度 世界エイズデーポスターコンクール審査結果
最優秀賞(各部門)
- 浦崎 璃杏さん
小学生・中学生の部
- 山口 美羽さん
高校生の部
- 熊倉 愛乃さん
一般の部
※高校生の部 山口美羽さんの作品が令和4年度世界エイズデーキャンペーンポスターに選ばれました。
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令和4年度世界エイズデーポスターコンクール講評
審査員長 中島 邦信
本年度の世界エイズデーポスターコンクールの応募は新型コロナ感染対策中にもかかわらず、小学生・中学生の部108点、高校生の部184点、一般の部75点の計367点ありました。第一次審査は9月22日にオンラインで行われ、それらの中から小学生・中学生の部13点、高校生の部15点、一般の部19点が選ばれました。10月3日に第二次審査会が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点が選ばれ、最後に最優秀賞作品の中から世界エイズデーキャンペーンポスターに使用する作品の選考が行われました。
今年も二次審査会は複数の審査員がオンライン参加のハイブリッド形式となりましたが、マルチスクリーン経由で率直な議論が交わされました。以下に選評を記します。
今年も二次審査会は複数の審査員がオンライン参加のハイブリッド形式となりましたが、マルチスクリーン経由で率直な議論が交わされました。以下に選評を記します。
〈小学生・中学生の部〉
髙橋こころさんの「テーマ・学校・保健所・治療」、浦崎璃杏さんの「子ども二人・『みんなの心が一つに』」、福手詩さんの「黄色地に生徒二人・吹き出し満載」、河田七海さんの「白地に男女シルエット・『Let’s Think Together』」がそれぞれ4票を得て先頭を切りました。髙橋こころさんの作品はいくつかのメッセージを整理して巧みに処理してあり、イラストにも優しさがあふれています。浦崎璃杏さんの作品は子ども二人のイラストのインパクトが強く、他を圧倒する存在感があります。手書きの文字も素朴な味わいを深めているようです。福手詩さんの作品からは素直に温かみが伝わってきます。メッセージはたくさんありますが、それがイラストで表現されているところがアイデアです。河田七海さんの作品はとても洗練されていて、レッドリボンの使い方も美しく、完成度の高い作品です。この4作品で再投票の結果、浦崎璃杏さんの作品が最優秀賞に決まりました。優秀賞には髙橋こころさんと河田七海さんの作品が選ばれました。佳作には福手詩さんの作品のほかに、平林叶多さんの「人のピクトグラムとレッドリボン」と荒みちるさんの「白地に男女の半身・『あなたも私も』」が入りました。平林叶多さんの作品はシンプルな構図にほのぼのとした味わいがあります。荒みちるさんの作品は男女の半身ずつというアイデアが斬新で、レイアウトもスッキリしていて、コピーが際立って見えます。
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〈高校生の部〉
山口美羽さんの「テーマ・街を行く足」と安村凜さんの「『行こう、大切な人とともに。』」が4票を得てリード、亀澤朋花さんの「丸形・ピクトグラムでレッドリボン」、髙澤凛さんの「制服の襟元にレッドリボン」、髙屋敷琉未花さんの「3組のカップル・『相手が好きだからこそ理解したいこと』」、中島沙弥さんの「『自分のため、相手のため、未来のために』」の4作品が3票でこれに続きました。山口美羽さんの作品は雑踏を行く複数の足にダイナミズムがあり、本年度のテーマ「このまちで暮らしている・・・」にも呼応しています。イラストとレイアウトの処理も手際よく、作者の力量を感じさせます。安村凜さんの作品はほのぼのとした絵柄で、間口も共感領域も広く、いい意味で受けのいい作品です。この2作品で再投票の結果、山口美羽さんの作品が最優秀賞、安村凜さんは優秀賞と決まりました。残りの4作品の中からは、中島沙弥さんの作品が優秀賞に選ばれました。これは女性の赤いシルエットからハートが浮遊していくファンタスティックなシーンで、デザイン、レイアウトともに美しく、コピーも適切です。他の3作品は佳作となりました。亀澤朋花さんの作品は赤丸に入った無数のピクトグラムがレッドリボンを形成しており、凝ったネクタイ柄のような実に手の込んだ作品です。美意識の高さが伝わってきます。髙澤凛さんの作品のほうはスッキリと美しく、女子高生(多分)の襟元がレッドリボンを形作っています。ユニークなアイデアだと思います。髙屋敷琉未花さんの作品は男女、男男、女女の3組のカップルが「相手が好きだからこそ」と互いの理解を促していて、間然する所がありません。イラストも可愛らしく、作者の愛情を感じさせます。
さて、この部門では一次審査で落ちてしまった中に、巧みな手描きで強い印象を残した作品が複数ありました。それらを前にして改めて話し合ったのですが、「つけろよ、コンドーム」といった言葉の粗さなどの理由で、判断は覆りませんでした。残念なので敢えてここで言及しました。
さて、この部門では一次審査で落ちてしまった中に、巧みな手描きで強い印象を残した作品が複数ありました。それらを前にして改めて話し合ったのですが、「つけろよ、コンドーム」といった言葉の粗さなどの理由で、判断は覆りませんでした。残念なので敢えてここで言及しました。
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〈一般の部〉
大篭葵空さんの「背中合わせのカップルを囲うレッドリボン」、熊倉愛乃さんの「黄色地に赤の後ろ姿・『HIV検査に行った、』」、工藤里美さんの「『つながる心のリボン』」、本間結喜さんの「白地に大きくHIVの絵文字」の4作品がそれぞれ3票でリード、それを松井清子さんの「手描き・白地にレッドリボンとハート」など7作品が2票で追う展開となりました。大篭葵空さんの作品については、絵がスッキリして印象もいい、メッセージも大事なところを抑えている、と好評です。熊倉愛乃さんの作品は黄と赤という色使いがユニークだ、後ろ姿というのも一風変わっていて、とにかく目立つ、メッセージも「HIV検査・・・あなた」との呼びかけがストレートだ、といった意見が出されました。工藤里美さんの「つながる心のリボン」については、デザインの上手さ、色使いの美しさを評価する声が、票を投じた全員から上がりました。線でつながった顔のシルエットには思わず目を凝らしてしまいます。本間結喜さんの「白地に大きくHIVの絵文字」は、最初は?だが、すぐにHIVと分かる、その引っかかりが面白いという意見と、HIVを絵文字化するという手法に対する既視感も、合わせて表明されました。以上の4作品で再投票をした結果、熊倉愛乃さんの作品が最優秀賞に選ばれました。得票がそれに次ぐ工藤里美さんの作品が優秀賞となりました。次に大篭葵空さん、本間結喜さんの作品に、特にリクエストのあった2票組の松井清子さんの作品を加えた3作品を検討し、大篭葵空さんの作品が優秀賞に、松井清子さんの作品は佳作に選ばれました。松井清子さんの作品は全てが手描きというユニークさと、その素朴な質感に好感が寄せられました。最後に本間結喜さんの作品と2票6作品を合わせて検討、本間結喜さんの作品と庭野伊代さんの「見上げる二人・『予防できます。』」がそれぞれ佳作となりました。庭野伊代さんの作品は男女二人が頭上にある「予防できます。」と大書されたコピーを見上げている構図で、単純ながら強い訴求力を秘めています。
〈キャンペーンポスター作品の選考〉
3部門の最優秀賞作品を掲示して投票したところ、「テーマ・街を行く足」が3票、「黄色地に赤の後ろ姿・『HIV検査に行った、』」が2票となりました。後者に票を投じた2審査員に更なる意見を求めたところ、両作品のレベルは拮抗しており、前者でも異論はないとのことでした。よって本年度のキャンペーンポスター作品は、<高校生の部>山口美羽さんの「テーマ・街を行く足」と決まりました。
最後に毎度のつぶやきで恐縮ですが、今回も「規定外」の作品が計24点、全体の6.5%もありました。せっかく応募してくれた作品が選考前にはねられてしまうのは残念でなりません。当人にとっては一生の思い出になるかもしれない機会なのです。是非「実施要領」を慎重にチェックしてください。誤字、スペルミスも不可です。どうかよろしく。
最後に毎度のつぶやきで恐縮ですが、今回も「規定外」の作品が計24点、全体の6.5%もありました。せっかく応募してくれた作品が選考前にはねられてしまうのは残念でなりません。当人にとっては一生の思い出になるかもしれない機会なのです。是非「実施要領」を慎重にチェックしてください。誤字、スペルミスも不可です。どうかよろしく。
趣旨
令和4年度世界エイズデーのポスターのデザインを全国の小学校・中学校、高等学校に在学する児童・生徒及び一般を対象に募集する。
主催
公益財団法人エイズ予防財団
募集区分
(1)小学生・中学生の部 (2)高校生の部 (3)一般の部
募集期間
令和4年4月18日(月)~9月5日(月)
募集内容
募集する作品は、一人ひとりがHIV感染予防に取り組むことを訴えるもの、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の受検を呼びかけるものとする。
応募点数
(1)小学生・中学生の部 108点
(2)高校生の部 184点
(3)一般の部 75点 合計 367点
(2)高校生の部 184点
(3)一般の部 75点 合計 367点
- 審査基準
エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において、HIV/エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等の視点から、応募作品のキャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての完成度・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について審査を行います。 - 審査会
■第一次審査 令和4年9月22日(木)
■第二次審査 令和4年10月3日(月)
入賞作品
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入賞者
小学生・中学生の部
- 最優秀賞浦崎 璃杏 さん
- 豊見城市立豊見城中学校 2年生
- 優秀賞河田 七海 さん
- 茨城県立土浦第一高等学校附属中学校 2年生
- 優秀賞髙橋 こころ さん
- 豊橋市立豊岡中学校 3年生
- 佳作荒 みちる さん
- 仙台市立沖野中学校 3年生
- 佳作平林 叶多 さん
- 京都市立衣笠中学校 3年生
- 佳作福手 詩 さん
- 岐阜市立長森中学校 1年生
高校生の部
- 最優秀賞山口 美羽 さん
- 岐阜県立岐阜各務野高等学校 2年生
- 優秀賞中島 沙弥 さん
- 岐阜県立岐阜各務野高等学校 2年生
- 優秀賞安村 凜 さん
- 和歌山市立和歌山高等学校 3年生
- 佳作髙澤 凛 さん
- 和歌山市立和歌山高等学校 3年生
- 佳作亀澤 朋花 さん
- 鹿児島県立隼人工業高等学校 3年生
- 佳作髙屋敷 琉未花 さん
- 八戸工業大学第二高等学校 1年生
一般の部
- 最優秀賞熊倉 愛乃 さん
- 大阪モード学園
- 優秀賞大篭 葵空 さん
- 麻生情報ビジネス専門学校北九州校
- 優秀賞工藤 里美 さん
- 佳作松井 清子 さん
- 麻生情報ビジネス専門学校北九州校
- 佳作本間 結喜 さん
- 日本アニメ・マンガ専門学校
- 佳作庭野 伊代 さん
- 日本アニメ・マンガ専門学校
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エイズ予防財団ポスターコンクール審査会 審査員(敬称略 五十音順)
- 審査員長中島 邦信
- 前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
- 審査員何 英二
- 前職 株式会社電通クリエイティブ局
クリエイティブディレクター
- 審査員都丸 雅明
- 元 AAA運営事務局事務局長
- 審査員長江 翔平
- 厚生労働省健康局結核感染症課エイズ対策推進室
室長補佐
- 審査員灰 来人
- グラフィックデザイナー
認定NPO法人魅惑的倶楽部・福岡コミュニティーセンターHACO職員
notAlone Fukuoka HIV陽性者交流会代表
- 審査員松﨑 美枝
- 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課
健康教育調査官