世界エイズデー(12月1日)啓発キャンペーン
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令和6年度
世界エイズデーポスターコンクール審査結果
最優秀賞(各部門)
- 熊谷 七さん
小学生・中学生の部
- 池田 こはくさん
高校生の部
- 後藤 菜瑠さん
一般の部
「高校生の部」池田こはくさんの作品が令和6年度世界エイズデーキャンペーンポスターに選ばれました。
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令和6年度
世界エイズデーポスターコンクール講評
審査員長 中島 邦信
本年度の世界エイズデーポスターコンクールの応募は、小学生・中学生の部43点、高校生の部211点、一般の部82点の計336点ありました。第一次審査は9月19日にオンラインで行われ、それらの中から小・中学生の部24点、高校生の部18点、一般の部18点が審査を通過しました。10月3日に第二次審査会が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点が選ばれ、最後に最優秀賞作品の中から世界エイズデーキャンペーンポスターに使用する作品の選考が行われました。
今年も二次審査会には審査員全員が顔を合わせ、率直、活発、かつ濃密な議論が交わされました。以下に選評を記します。
今年も二次審査会には審査員全員が顔を合わせ、率直、活発、かつ濃密な議論が交わされました。以下に選評を記します。
〈小学生・中学生の部〉
鈴木愛子さんの「青地・『このようなことでは感染しません!!』」、熊谷七さんの「老若男女・赤の折れ線・『think about AIDS』」、石井七美さんの「向き合うペンギン・『エイズって知ってる?』」が4票を得て先行、中島伊吹さんの「ハートのボックス・握手・『小さな思いが世界を変える』」が3票を得てこれに続き、更に2票の小林倖太さん「白衣・『一人で悩まず相談しよう!!』」、村上みゆさん「黄色地にレッドリボン・ノートで学ぶ二人」、山口桃佳さん「レッドリボン・『無症状だから気付かない』」、仲村凛和さん「白地に赤でHIVとレッドリボン・『できることから1つずつ』」、西晟さん「水色地・笑顔の学生4人・『みんなで予防HIV』」の5作品がこれを追いました。鈴木愛子さんの作品はこんなことでは感染しないとイラストで一々生活の場面を描いており、分かりやすいポスターとなっています。熊谷七さんの作品は他のどの作品とも肌触りの異なるユニークさが際立ちます。全体に電動機具のような震動を感じさせ、線でつながるグラフィックの処理も巧みです。石井七美さんの作品は向かい合うペンギンの姿が愛らしく、『エイズって知ってる?』と問われてキョトンとした表情が、見る人の学びを促しています。中島伊吹さんの作品は文字・イラストともに丁寧に描かれており、色使いにも温かみがあって、好感を得ました。以上4作品の中から最優秀賞には熊谷七さんの作品が再び4票を得て選ばれました。優秀賞には鈴木愛子さんと中島伊吹さんの作品、佳作には石井七美さん、更に小林倖太さんと山口桃佳さんの作品が入りました。小林倖太さんの作品は白衣の人(医療関係者?)が、『一人で悩まず相談しよう!!』と手を差し伸べたところで、構図に新しさを感じさせます。山口桃佳さんの作品は『無症状』と中央上部に大書してあり、だからこそHIV検査が必要との気付きを促す上で有効です。
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〈高校生の部〉
池田こはくさんの「赤枠・笑顔の絵文字『U=U』」が満票を得て一歩リード、三輪千夏さんの「白地にテーマ・人物4人・質問4つ」が4票でこれを追い、濱﨑若花さんの「検査に向かう足もと・カラフルシンボル」と濱田彩葉さんの「レッドリボンをかたどる二人・ノートと『知ろう、もう一度。』」と石黒航希さんの「ウイルスキャラクター・『助かっているぜ』」が3票でこれに続く展開となりました。池田こはくさんの作品には、今回のテーマを正面から受け止めそれを分かりやすく処理している、「U=U」の文字が笑顔になっており、グラフィック、レイアウトはシンプルで美しく完成度が高い、といった評価が異口同音に寄せられました。一方で「U=U」の意味が英語の解説はあるものの一般の人にきちんと伝わるだろうかという懸念も上げられ、それに対しては、今回は「U=U」という言葉を広く知ってもらうきっかけになればそれでいいのではという、達観した意見も出されました。結局「U=U」はHIV・エイズの予防活動にとって新しく画期的で、かつ重要なメッセージであるといった見方が審査員の間で共有され、必要に応じて注釈を加えるということを条件に、この作品を最優秀賞とすることが決まりました。優秀賞には同じく「U=U」をテーマとした三輪千夏さんの作品が選ばれました。これもレベルの高い作品ですが、「U=U」についての説明が皆無だったことが惜しまれます。また同じく優秀賞には濱﨑若花さんの作品が選ばれました。これはHIV検査に向かう男女の足もとを描いたもので赤いスニーカーが如何にも軽快です。佳作には3票を得た石黒航希さんの作品、2票の小嶋佑依さんの作品「レッドリボン・『HIVは日常生活で感染しない』」、更に辻実生さんの「黄色地にブルーのコンドームと『WORLD AIDS DAY』」が選ばれました。石黒航希さんの作品はHIVが身体の主に対して『こいつはおれさまが無症状だと高をくくって無料で受けられるHIV検査を受けてなくて助かっているぜ』と悪たれを言っているユニークなものです。小嶋佑依さんの作品はレッドリボンで仕切られたスペースに日常生活のシーンが描かれ、HIVについての正しい理解を呼びかけています。辻実生さんの作品はコンドームのシルエットと英文字だけのシンプルな構図で、それ故にメッセージの力強さを際立たせています。
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〈一般の部〉
後藤菜瑠さんの「『U=Uって、なんだ?』」が満票を得てリード、花岡みゆきさんの「靴紐結んで、『さぁ、でかけよう!HIV検査』」が4票で続き、3票3作品、奥谷蓮さんの「テーマとレッドリボン・『あなたのHIVの認識古いままかも?』」、葛城陽花さんの「白地に大きくレッドリボン・検査に向かう女の子」、田村貞夫さんの「一筆書きの人物とハートで繋がる絵文字『HIV』」が前を追う展開となりました。後藤菜瑠さんの作品には全員がイラストの美しさとメッセージの良さを上げました。特に『U=Uって、なんだ?』という呼びかけは核心を突いていて、見る人の学びを促しています。花岡みゆきさんのイラストは今にも動き出しそうで、『さぁ、でかけよう!』というメッセージと共鳴して動的な効果を高めています。奥谷蓮さんのヘッドコピー『あなたのHIVの認識古いままかも?』は人をドキリとさせる言葉で、学び直しを促す効果があります。葛城陽花さんの作品は女の子の歩く姿が軽快なのが印象的でHIV検査に臨む不安やためらいを感じさせないところが命です。田村貞夫さんの一筆書きはおしゃれ感満載で、描き出す線画も巧みで、コスメティック企業からの協賛広告でも見ているようです。最優秀賞には得票どおり後藤菜瑠さんの作品が選ばれました。優秀賞には花岡みゆきさんと奥谷蓮さんの作品が、佳作には葛城陽花さんと田村貞夫さんの作品に加えて、井口雪那さんの「レッドリボンにくるまれた女の子・『STOP AIDS』」が選ばれました。ワンピース姿の女子がレッドリボンをまとうようにして立ち、『知ろう、HIV』『大切な命を守るために』の2本のコピーにはさまれて、衒いのない真っ直ぐな作品です。
〈キャンペーンポスター作品の選考〉
最後にキャンペーンポスターの選考が行われ、審査員全員が改めて意見を述べ、「高校生の部」池田こはくさんの作品と「一般の部」後藤菜瑠さんの作品に対して3対2と評価が分かれました。議論は更に作品としての完成度に及び、少数側も最後は納得して池田こはくさんの作品が本年度のキャンペーンポスターに選ばれました。
今年も最後に一言。今回も「規定外」の作品が計18点、全体の5.4%ありました。前年の9.7%からは大幅に改善していますが、それでもまだ多い。せっかく応募してくれたのに審査前にはねられてしまうのは残念至極です。用紙は縦に使う、漢字は正確に、英語のスペルミスは不可、大文字・小文字の使い分けも決まりに従って。どうかよろしく。
今年も最後に一言。今回も「規定外」の作品が計18点、全体の5.4%ありました。前年の9.7%からは大幅に改善していますが、それでもまだ多い。せっかく応募してくれたのに審査前にはねられてしまうのは残念至極です。用紙は縦に使う、漢字は正確に、英語のスペルミスは不可、大文字・小文字の使い分けも決まりに従って。どうかよろしく。
目的
WHO(世界保健機関)の定める世界エイズデー(World AIDS Day:12月1日)に際し、全国の小学校・中学校・高等学校及び一般を対象に、ポスターデザインを募集するコンクールを実施し、ポスターの制作を通じてHIV/エイズについて考え、これらに対する知識と予防の理解を深めることを目的とします。
主催
公益財団法人エイズ予防財団
募集区分
(1)小学生・中学生の部 (2)高校生の部 (3)一般の部
募集期間
令和6年4月25日(木)~9月3日(火)
募集内容
募集する作品は、一人ひとりがHIV感染予防に取り組むことを訴えるもの、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の受検を呼びかけるものとする。
応募点数
(1)小学生・中学生の部 43点
(2)高校生の部 211点
(3)一般の部 82点 合計 336点
(2)高校生の部 211点
(3)一般の部 82点 合計 336点
- 審査基準
エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において、HIV/エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等の視点から、応募作品のキャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての完成度・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について審査を行います。 - 審査会
■第一次審査 令和6年9月19日(木)
■第二次審査 令和6年10月3日(木)
入賞作品
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入賞者
小学生・中学生の部
最優秀賞
熊谷 七 さん
ドルトン東京学園中等部 3年生
優秀賞
中島 伊吹 さん
市貝町立市貝中学校 3年生
優秀賞
鈴木 愛子 さん
豊橋市立豊岡中学校 3年生
佳作
小林 倖太 さん
八千代市立高津中学校 1年生
佳作
石井 七美 さん
伊勢崎市立境北中学校 3年生
佳作
山口 桃佳 さん
京都市立衣笠中学校 1年生
高校生の部
最優秀賞
池田こはく さん
岐阜県立岐阜各務野高等学校 2年生
優秀賞
三輪 千夏 さん
岐阜県立岐阜各務野高等学校 2年生
優秀賞
濱﨑 若花 さん
鹿児島県立隼人工業高等学校 3年生
佳作
石黒 航希 さん
和歌山市立和歌山高等学校 3年生
佳作
小嶋 佑依 さん
和歌山市立和歌山高等学校 3年生
佳作
辻 実生 さん
和歌山市立和歌山高等学校 3年生
一般の部
最優秀賞
後藤 菜瑠 さん
優秀賞
花岡みゆき さん
麻生情報ビジネス専門学校北九州校
優秀賞
奥谷 蓮 さん
大阪モード学園
佳作
葛城 陽花 さん
麻生情報ビジネス専門学校北九州校
佳作
井口 雪那 さん
日本アニメ・マンガ専門学校
佳作
田村 貞夫 さん
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エイズ予防財団
ポスターコンクール審査会 審査員
(敬称略 五十音順)
審査員長
中島 邦信
前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
審査員
芦澤 信之
厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課エイズ対策推進室室長補佐
審査員
川畑 千種
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課健康教育調査官
審査員
何 英二
前職 株式会社電通クリエイティブ局クリエイティブディレクター
審査員
都丸 雅明
元 AAA運営事務局事務局長
審査員
灰 来人
グラフィックデザイナー
認定NPO法人魅惑的倶楽部・福岡コミュニティーセンターHACO職員
notAlone Fukuoka HIV陽性者交流会代表
認定NPO法人魅惑的倶楽部・福岡コミュニティーセンターHACO職員
notAlone Fukuoka HIV陽性者交流会代表