世界エイズデー(12月1日)啓発キャンペーン

ホーム - 啓発キャンペーン - 世界エイズデー(12月1日) - 年度別ポスターコンクール - 令和7年度 審査結果

令和7年度 
世界エイズデーポスターコンクール審査結果

最優秀賞(各部門)

  • 小学生・中学生の部
  • 杉本 果乃子さん
    小学生・中学生の部
  • 高校生の部
  • 鳥山 暖心さん
    高校生の部
  • 一般の部
  • 伊藤 優希さん
    一般の部

「一般の部」伊藤優希さんの作品が令和7年度世界エイズデーキャンペーンポスターに選ばれました。

.

令和7年度
世界エイズデーポスターコンクール講評

審査員長 中島 邦信
 本年度の世界エイズデーポスターコンクールの応募は、小学生・中学生の部200点、高校生の部202点、一般の部85点の計487点ありました。第一次審査は9月19日にオンラインで行われ、その中から小・中学生の部31点、高校生の部34点、一般の部35点が審査を通過しました。10月3日に第二次審査会が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点が選ばれ、最後に最優秀賞作品の中から世界エイズデーキャンペーンポスターに使用する作品の選考が行われました。
 今年も二次審査会には審査員全員が顔を合わせ、率直、活発な意見交換がなされました。以下に選評を記します。

〈小学生・中学生の部〉
小・中学生の部
 杉本果乃子さんの「手を組む生徒の願い・『知ってほしいAIDS』が満票を得てリード、近藤杏音さんの「『かさねた手にエイズの偏見はない』」が4票、吉岡実咲さんの「『好きだから、ちゃんと知る』」が3票でこれに続きました。杉本果乃子さんの作品には「手描きのゆえの迫力がある」「『知ってほしいAIDS』」のメッセージが真摯に訴えかけてくる」といった共感が寄せられました。近藤杏音さんの作品には「重ねた手のイラストがシンプルでユニークだ」「いろいろな人が手を重ねるインクルーシブな思いが伝わってくる」との評価がありました。吉岡実咲さんの作品には「全体に温かみや親しみやすさを感じる」といった感想の他に、「ポスターとして目に留まりやすい」という意見もありました。以上3作品を対象に再投票の結果、杉本果乃子さんの作品が全会一致で最優秀賞に選ばれ、近藤杏音さんと吉岡実咲さんの作品はそれぞれ優秀賞と決まりました。次に2票作品5点と1票ながら特別リクエストのあった1点、計6作品の中から、以下の3点がそれぞれ佳作に選ばれました。堀叶人さんの「ハートに向かう手・『あなたを守る声はきっとある_』」は、独特の味わいをもつイラストと不安を和らげるコピーメッセージが優しく手を差し伸べています。白石理紗さんの「青空に宣誓と約束の手」はどこまでも明るい作品で、こうした空気はキャンペーン活動においては常に必要な要素なのでしょう。松浦杏南さんの「黄色地・レッドリボンを着けた紫のU=U」は、意表をつく紫の色使いが特異なキャラクターを作り上げています。

.

〈高校生の部〉
高校生の部
 鳥山暖心さんの「前面にテーマ・背景に多数のU U」と佐藤柚希さんの「What’s『U=U』?」が4票を得てリード、河野心佑さんの「水色地にテーマ・小指を結ぶ赤い糸」、森下璃乃さんの「U=Uの眼鏡・スマホで調べる学生」、後藤知哉さんの「モノクロの手の写真とメッセージ」、山口恵奈さんの「『STOP AIDS de HAPPY DAYS』」がそれぞれ3票で続きました。鳥山暖心さんの作品には「伝えたいメッセージがコンパクトに整理されている」「デザインがシンプルで色使いが美しい」といった評価が寄せられ、佐藤柚希さんの作品には「U=Uが眼鏡になっていてポスターに表情がある」「細部にも工夫があり印象、インパクトが強い」といった意見が出されました。最優秀賞は4票2作品の他に、審査員からリクエストのあった後藤知哉さんの作品を加えた3作品の中から選ばれることになりました。後藤知哉さんの作品には「モノクロ写真が新鮮」「おしゃれでクオリティーが高い」といった意見が添えられました。採決の結果、全会一致で鳥山暖心さんの作品が最優秀賞に選ばれ、佐藤柚希さんと後藤知哉さんの作品は優秀賞を受賞しました。佳作には河野心佑さん、森下璃乃さん、山口恵奈さんの作品がそれぞれ選ばれました。河野心佑さんの作品は美しい水色がベースになっており、「これまでにない色の冒険」と評価する声もありました。森下璃乃さんの作品はU=Uの眼鏡をかけた学生がスマホで調べものの最中で、「エイズのこと」のコピーもついて間然するところがなく、作者の巧者ぶりが目立ちます。山口恵奈さんの作品は「STOP AIDS de HAPPY DAYS」のコピーが「感染していないほうがハッピー」と誤解されかねないのを、陽性者の審査員が絵本のようなイラストやレッドリボンに着眼し、「治療すればエイズ発症をストップできる」と解釈し受賞が決まりました。

.

〈一般の部〉
一般の部
 井上瀬菜さんの「Wi-Fiマーク・『知識が広がれば、思いやりも広がる。』」と伊藤優希さんの「三人の後ろ姿と肩に支える手」がそれぞれ4票を得てリード、田村貞夫さんの「手を繋ぐ二人・赤で大きくU=U」が3票で続く展開となりました。井上瀬菜さんの作品はWi-Fiマークを使ったところがアイデアで、「どうしても目を引く」、「グラフィック的にも美しい」という評価が寄せられました。伊藤優希さんの作品は3人の後ろ姿とメッセージがしっくり調和して、「伝えるべきことをしっかり伝えている」という感想が異口同音にありました。田村貞夫さんの作品には「シンプルなデザインで完成度が高く、メッセージがしっかり伝わる」とデザイナーたちからの共感が重なりました。以上の3作品の中から最優秀賞を選ぶことになり、挙手の結果、井上瀬菜さん2票、伊藤優希さん3票と票が割れましたが、井上瀬菜さんに投じた審査員から「僅差でありどちらになっても異存はない」とのコメントがあり、全員の同意を得て伊藤優希さんの作品が最優秀賞に決まりました。井上瀬菜さんの作品には優秀賞が贈られました。残りの優秀賞は田村貞夫さんの作品と2票を得た7作品の中から選ぶことになり、投票の結果、田村貞夫さんの作品が最多票で優秀賞に決まりました。佳作は2票作品の中から阪東聖華さんの「指紋・『その手の数だけ守るべき命がある』」、大谷博之さんの「黒白・『何も分からないよりも何か分かった方がいいよね』」、瀬川莉央さんの「コンドームのヘルメット・『安全確認』」が選ばれました。阪東聖華さんの作品は拡大した指紋に託して、かけがえのない人の命を守ろうと訴えるものです。大谷博之さんの作品は手の込んだもので、エイズを明るく顕在化することで意識改革を促そうとしています。瀬川莉央さんの作品は人の頭にコンドームを被せたところが斬新です。

〈キャンペーンポスター作品の選考〉

 各審査員から改めて3部門の最優秀賞作品に対する意見を聞き、それを踏まえた上でキャンペーンポスター作品の選考を行ったところ、「小・中学生の部」2票、「高校生の部」1票、「一般の部」2票と票が割れる結果となりました。改めて「小・中学生の部」と「一般の部」の二者択一で検討を進めた結果、僅差ではあるものの「一般の部」伊藤優希さんの作品が、共感を呼ぶメッセージの確かさ、全員が後ろ姿というイラストの斬新さ等を評価され、本年度のキャンペーンポスター作品に選ばれました。
 今年も最後に一言。今回も「規定外」の作品が計48点、全体の9.9%もありました。何と10人に1人の作品が審査前にはねられているのです。残念なことです。漢字は正確に、英語のスペルミスは不可、大文字・小文字の使い分けもルールに従って。どうぞよろしく。

目的

WHO(世界保健機関)の定める世界エイズデー(World AIDS Day:12月1日)に際し、全国の小学校・中学校・高等学校及び一般を対象に、ポスターデザインを募集するコンクールを実施し、ポスターの制作を通じてHIV/エイズについて考え、これらに対する知識と予防の理解を深めることを目的とします。

主催

公益財団法人エイズ予防財団

募集区分

(1)小学生・中学生の部 (2)高校生の部 (3)一般の部

募集期間

令和7年4月30日(水)~9月3日(水)

募集内容

募集する作品は、一人ひとりがHIV感染予防に取り組むことを訴えるもの、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の受検を呼びかけるものとする。

応募点数

(1)小学生・中学生の部 200点
(2)高校生の部     202点
(3)一般の部       85点   合計 487点
  • 審査基準
    エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において、HIV/エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等の視点から、応募作品のキャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての完成度・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について審査を行います。
  • 審査会
    ■第一次審査 令和7年9月19日(金)
    ■第二次審査 令和7年10月3日(金)

入賞作品

.

入賞者

小学生・中学生の部

最優秀賞
杉本 果乃子さん
高知県香美市立香北中学校 2年生
優秀賞
近藤 杏音 さん
愛媛県今治市立西中学校 1年生
優秀賞
吉岡 実咲 さん
リンデンホールスクール中高学部 3年生
佳作
白石 理紗 さん
愛媛県今治市立西中学校 2年生
佳作
堀  叶人 さん
岐阜県各務原市立那加中学校 2年生
佳作
松浦 杏南 さん
大阪府東大阪市立枚岡中学校 3年生

高校生の部

最優秀賞
鳥山 暖心 さん
岐阜県立岐阜各務野高等学校 2年生
優秀賞
後藤 知哉 さん
長崎県立波佐見高等学校 3年生
優秀賞
佐藤 柚希 さん
香川県立高松東高等学校 2年生
佳作
山口 恵奈 さん
香川県立高松工芸高等学校 1年生
佳作
森下 璃乃 さん
神奈川県立白山高等学校 2年生
佳作
河野 心佑 さん
宮崎県立佐土原高等学校 2年生

一般の部

最優秀賞
伊藤 優希 さん
横浜市立大学
優秀賞
井上 瀬菜 さん
大阪モード学園
優秀賞
田村 貞夫 さん
佳作
瀬川 莉央 さん
大阪モード学園
佳作
大谷 博之 さん
佳作
阪東 聖華 さん
大阪モード学園

.

エイズ予防財団
ポスターコンクール審査会 審査員
(敬称略 五十音順)

審査員長
中島 邦信
前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
審査員
川畑 千種
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課健康教育調査官
審査員
何  英二
前職 株式会社電通クリエイティブ局クリエイティブディレクター
審査員
都丸 雅明
元 AAA運営事務局事務局長
審査員
灰  来人
グラフィックデザイナー
認定NPO法人魅惑的倶楽部・福岡コミュニティーセンターHACO職員
notAlone Fukuoka HIV陽性者交流会代表
審査員
松本かおる
厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課エイズ対策推進室室長補佐

PAGE TOP