HIV検査普及週間(6月1日~7日)啓発キャンペーン

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6月1日から7日は「HIV検査普及週間」です。

HIV感染症は予防、早期発見、早期治療が大切です。
HIV検査の浸透・普及を図ることを目的に、「HIV検査普及週間」(6月1日~7日)は平成18年度に創設されました。

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エイズQ&A

エイズとは

エイズは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによっておこる病気ですが、HIV感染=エイズということではありません。
HIVは免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染します。そして、からだを病気から守っている免疫力を低下させていきます。
HIVに感染すると、通常6~8週間経過して、血液中にHIV抗体が検出されます。感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがありますが、この症状からはHIV感染をしているかどうかを確認することはできません。HIV検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができるのです。
HIV感染後、自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き、さらに進行すると、病気とたたかう抵抗力(免疫)が低下し、本来なら自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染症とよばれる)などを発症するようになってしまいます。
このようにして、抵抗力が落ちることで発症する疾患のうち、代表的な23の指標となる疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズ発症と診断されます。現在はさまざまな治療薬が出ており、きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。
エイズは、1981年に最初の症例が報告されて以来世界中にひろがり、現在、世界が抱える健康問題の中でも最も大きなテーマのひとつです。UNAIDS(国連合同エイズ計画)の「FACT SHEET – GLOBAL AIDS UPDATE」(2019年8月発表)によれば、2018年末現在で約3790万人のHIV感染者およびエイズ患者が世界中でこの病気とたたかっています。
2018年の日本のHIV新規感染者・エイズ患者の報告数は1,317件で、2年続けて減少しました。これまでに報告された感染者・患者数の累計は30,149件を数えています。感染経路としては、性的接触によるものが70%以上で、その多くが男性同性間の性的接触によるものです。
また、HIV感染症/エイズの治療方法は大きく進歩し、エイズはもはや「死の病」ではなくなりました。
HIV感染症/エイズを予防するためには、感染経路を正しく理解して、常に感染を防ぐ方法を実行することが重要です。
HIVの感染力は弱く、性行為以外の社会生活のなかでうつることはまずありません。HIVは主に3つの経路で感染します。
  1. 性行為による感染
    性行為による感染は最も多い感染経路です。HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれています。HIVは感染者の血液・精液・膣分泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通ってうつります。ですから、性行為におけるコンドームの正しい使用は、HIV感染症/エイズ予防にとって有効な手段です。
  2. 血液を介しての感染
    HIVが存在する血液の輸血や、覚せい剤などの依存性薬物の“回し打ち”による注射器具の共用などによって感染します。日本では、現在、献血された血液は厳重な検査により最高水準の安全が確保されていますが、きわめてまれとはいえ、感染の可能性を完全には排除できません。なお、血液凝固因子製剤については加熱処理が行われているので、現在の血液製剤で感染する心配はありません。
  3. 母親から赤ちゃんへの母子感染
    母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。母乳による感染の例もあります。日本では、お母さんがHIV感染症の治療薬を飲むことや母乳を与えないことで、赤ちゃんへの感染を1%以下に抑えることができます。

感染経路

うつります。
HIVは、HIV感染者の血液・精液などに含まれていますから、これらが直接からだの中に入れば感染する可能性があります。
大丈夫です。
HIVは蚊の体内で急速に感染力を失ううえ、前の人の血液が次の人に注入される可能性がないため、蚊によって感染することはありません。
カミソリなどに血液が付着していなければ心配ありません。
ただし、いろいろな感染症を防ぐためにも、血液がつきやすいカミソリ、歯ブラシ、タオルなどの日用品はそれぞれ自分のものを使うようにしましょう。
心配はありません。
HIVは感染力が弱く、性行為以外の日常生活で感染する可能性はまずありません。
トイレの便座にかぎらず、お風呂やプール、つり革、手すりなどからも感染しません。
その心配はありません。
HIVは食べ物や飲み物または食器を介して感染することはありません。
うつりません。
ネコのエイズをひきおこすのはFIV(ネコ免疫不全ウイルス)というウイルスです。
人のエイズとよく似た症状をおこしますが、ネコに特有の病気で人に感染することはありません。
法律で衛生管理が徹底されているので、感染の心配はありません。
日本では、現在、使用している注射針はすべて使い捨てまたは消毒済みですから、感染の心配はありません。

性行為での感染

現時点ではエイズのワクチンはありません。
ですから、ハシカ(麻疹)やポリオ(小児麻痺)のように予防接種をすることでHIVから身を守るということはできません。HIVは年月がたったりすると、表面の構造が変化する性質をもっています。これが、誰にでも効くワクチンの生産を非常に困難にしています。研究者たちがHIVワクチンの開発に取り組んでいますが、成功するのにはまだ時間がかかると考えられています。
相手の口の中に出血がないかぎり、キスで感染する可能性はありません。
正しく使用すれば、ほぼ100%安全です。
ただし、直前につけるのではなく、性行為のはじめから終わりまでつけておくことが必要です。
また、コンドームの破損にも注意してください。コンドームの使用は、梅毒やクラミジアなどの性感染症の予防にも役立ちます。
口を使っての性行為では、口の粘膜からHIV感染する可能性があります。
男性器へのオーラルセックスでは、コンドームを正しく使いましょう。女性器に対しては、デンタルダム※を使用するか、コンドームを切り開いて使う方法などがあります。

※デンタルデムは歯科治療用の薄いラテックス製のシートです。
いろいろな状況が考えられます。
まず、いまつきあっているパートナーが「ひとり」でも、もしそのパートナーが過去につきあっていた人の中にHIV感染した人がいれば、パートナーが感染している可能性があります。その場合は、パートナーとの性行為のときに、あなたが感染予防の行動をとらなければ、HIV感染の可能性があります。
また、あなた自身が「いま」パートナーを特定していても、過去につきあった人の中にHIV感染者がいれば、感染予防をしてこなかった場合、HIVに感染している可能性があります。
本当です。
クラミジアにかぎらず、梅毒や淋病、性器ヘルペス感染症などの性感染症にかかると、性器の粘膜が壊れてHIVに感染しやすくなります。
このため、性行為ではコンドームを正しく使用することが大切です。コンドームの正しい使用はHIVにかぎらず、それ以外の性感染症予防にとっても有効な手段です。
いいえ。
ピルは、ホルモンをコントロールして排卵をおさえ、妊娠しないように作られた経口避妊薬です。ですから、HIVを含むすべての性感染症の感染を防ぐことはできません。
また、ペッサリーは、セックスの前に膣の中にいれて子宮口にかぶせ、精子が子宮の中に入るのを防ぐものです。ですから、これもHIVや他の性感染症を防ぐことはできません。
現時点では、性行為によるHIV感染を防ぐ確実な方法はコンドームを正しく使用することだけです。

検査・相談

保健所、病院、クリニックなどで検査を受けることができます。
保健所では、名前や住所を知らせず、また、無料で検査を受けることができます。検査を受けられる時間は保健所によって異なります。予約が必要な保健所もありますから、事前に電話で確認することをおすすめします。
病院やクリニックで受ける場合は原則有料です。また、名前や住所を知らせる必要があります。HIV検査を受けられるクリニックは、泌尿器科、産婦人科、性病科などです。検査受付については、費用や時間なども含めて事前に電話で確認してください。
献血された血液のHIV検査は、輸血を必要とする方への血液の安全を確保するために行っているものです。献血者のHIV感染の診断をするための検査ではありません。とくに、感染初期の血液は、HIV検査では陰性となるため、検査をすり抜けて輸血され、輸血によるHIV感染の原因となる危険性があるので、このことをよく理解しましょう。
感染が心配なときには、保健所や医療機関でのHIV検査を受けることをおすすめします。専門の場所で検査を受ければ、HIV感染症/エイズに関するさまざまな情報を入手することができ、心配なことを安心して相談することができます。
  • 感染の有無をはっきり確認したいとき
    感染の可能性のある機会があって3か月以上たってから検査を受け、「陰性」と出た場合は、感染していないと考えられます。
  • 感染のことがどうしても心配になったとき
    感染が非常に心配な場合は、感染の可能性のある機会から3か月以内であっても、検査・相談を受けることで、ひとつの目安を得ることができます。ただし、もし陰性と出てもその結果を最終的に確認するためには、感染の機会から3か月以上たってからの再受検が必要となります。

検査の結果が「陽性」の場合は、HIVに感染していると考えられます。
その場合は、気持ちが落ち着いた後に、精密検査を含めて医療機関に行くことをおすすめします。受診することで、今後HIV感染症とどうつきあっていくか具体的な方法を得ることが可能になります。

感染の機会図

保健所では名前を知らせずに検査を受けることができます。結果は本人が保健所で直接聞きます。検査結果は1~2週間くらいでわかります。
最近は、通常検査のほかに、即日検査を行っている保健所やクリニックもあります。
即日検査では、「陰性」と確認された場合、その日に結果がわかります。陰性と確認できなかった場合には確認検査が必要(要確認検査)となり、その際は、後日(1~2週間後)、結果を聞きに行く必要があります。
相談機関に相談してみるのもひとつの方法です。そして、あなたにとって検査を受けることの意味(利点や留意点)を一度考えてみてください。
検査を受ける利点としては、感染していないことがわかれば不安を解消できます。また、もし感染がわかった場合、必要があれば免疫力を高める治療を受けることができ、感染前と変わらない生活を送ることも可能です。早く感染がわかるとその後の体調管理もしやすくなります。
留意点として、ある程度検査結果について心がまえができていないと、陽性とわかったときに、一時的に大きなショックを受ける可能性があります。そのときには結果を一緒に考えてくれる援助団体もあります。心配であれば、事前にそのような団体に相談するのも一案でしょう。その際、名前や住所を言う必要はありません。
「陰性」結果は、あくまで過去の行動についての結果です。ただ、その行動が確実な感染予防をともなわないかぎり、行動が安全であることを保証するものではありません。今後については、感染予防のみがあなたを感染から守ってくれます。予防を実行しなければ、だれでもHIV感染する可能性が残されています。

もし感染したら…

いまのところ、からだの中のHIVを完全にとりのぞく治療法はありません。しかし、治療方法は日々進歩しています。HIVに感染しても、感染を早く知り、治療を早期に始め、継続することにより、エイズの発症を防いで、感染していない人と同じくらい長く、健康的な社会生活を送ることができるようになっています。
治療を継続して体内のウイルス量が大きく減少すれば、HIVに感染している人から他の人への感染リスクをゼロに近いレベルまで下げられることも確認されています。エイズはもはや「死の病」ではありません。
現在、全国に約380のエイズ治療拠点病院が整備されており、治療や相談にのってもらえます。また、全国の保健所でも相談にのってもらえます。
平成10年4月からは、HIV感染者はその病気の程度によって身体障害者福祉法上の身体障害者として認定され、さまざな福祉サービスが受けられるようになりました。サービス内容の詳細については、最寄りの福祉事務所または市町村にお問い合わせください。なお、医療機関で専門のカウンセラーが、地域でNGOなどが相談にのっています。
適切な予防をすることで、パートナーや生まれてくる赤ちゃんがHIVに感染する可能性を低くすることができます。まずパートナーと十分に話し合い、おたがいの意思を確認してください。そのうえで、子どもをもつことを希望する場合は、主治医などに相談しましょう。

医薬品医療機器総合機構が友愛福祉財団からの委託を受けて行っている次の事業があります。

  1. 調査研究事業
    HIVが混入した血液製剤を使用してHIVに感染したエイズ発症前の方を対象とし、健康状態を報告していただくとともに、健康管理費用を支給し、発症予防に役立てることを目的としています。二次、三次感染者も支給の対象となります。
  2. 健康管理支援事業
    血液凝固因子製剤に混入したHIVによってエイズを発症した方で、裁判上の和解が成立した方に発症者健康管理手当の支給を行っています。これは、エイズの発症にともなって必要となる健康管理に必要な費用の負担を軽減して、福祉の向上を図ることを目的としています。二次、三次感染者も支給の対象となります。
    これらについての詳細あるいはその他の事業については、医薬品機構のホームページ(URLは http://www.pmda.go.jp/)をご覧ください。
平成10年4月から、HIV感染者は免疫機能の障害の程度によって身体障害者福祉法上の身体障害者として認定(1級~4級)され、身体障害者手帳が交付されるようになりました。利用することができるサービス・制度には、ホームヘルパー派遣事業などの在宅サービス、更正医療の給付、交通機関の運賃優遇、税や公共料金の減免などがあります。詳細は、最寄りの福祉事務所または市町村にお問い合わせください。
公的年金に加入している方が病気やけがで障害の状態になったときは、障害の程度に応じた障害年金を受けることができます。HIV感染症とその続発症による疾病と障害についても、認定を受けた障害の程度(1級~3級)に応じて障害基礎年金(国民年金)、障害厚生年金(厚生年金保険)が支給されます。
これらを受給するためには、次の3つの要件を満たしていることが必要であり、詳細については、最寄りの年金事務所(旧社会保険事務所)にお問い合わせください。
  1. 障害の原因となった傷病の初診日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であること。
  2. 障害の程度が一定の基準以上の状態であること。
  3. 初診日の前日までに一定期間の保険料が納付されていること。

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