令和元年度 ポスターコンクール審査結果

最優秀賞(各部門)
鈴木 野々花さん
中学生の部
池内 藍華さん
高校生の部
関戸 馨織さん
一般の部
※高校生の部  池内藍華さんの作品が令和元年度世界エイズデーキャンペーンポスターに選ばれました。
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令和元年度世界エイズデーポスターコンクール講評

審査員長 中島 邦信

 本年度の世界エイズデーポスターコンクールの応募は、小学生の部3点、中学生の部134点、高校生の部220点、一般の部143点の計500点でした。9月27日にポスターコンクール審査会(第一次審査)が開催され、それらの中から小学生の部3点、中学生の部17点、高校生の部21点、一般の部18点が選ばれました。10月2日に同審査会(第二次審査)が開催され、部門ごとに最優秀賞1点、優秀賞2点、佳作3点が選ばれ(小学生の部のみ佳作3点)、最後に最優秀賞作品の中から世界エイズデーキャンペーンポスターに使用する作品の選考が行われました。
 今年は本命なき混戦模様となり、その分、議論も白熱しました。以下に選評を記します。なお、「小学生の部」については最後に議論を行いました。

〈中学生の部〉
 小谷陸さんの「『UPDATE 検査 治療 支援』」、鈴木野々花さんの「『HIVって知っとる?』」、廣中茉優花さんの「『いつもの12月1日を、特別な12月1日に。』」、橋ふきねさんの「『エイズとは 予防法?検査は?』」の4作品が同票でトップに並びました。その中で鈴木さんの作品は呼びかけの語り口に温かみがあり、絵も一見つたないようで巧みであり、全体として友の言葉のような説得力を持つと評価が高まり、最優秀賞に決まりました。小谷さんの作品は絵がシンプルでメッセージが明快である、橋さんの作品はこちらを向いた女生徒の呼びかける言葉が目に飛び込んでくるとの評価を得て、それぞれ優秀賞となりました。佳作には女の子の後ろ姿に注目度の高い廣中さんの作品に加えて、HIV感染についての誤解を解く山内茉莉亜さんの「『こんなことで感染しません』」と、グラフィック、配色の美しい北川輪さんの「黄色地に地球 両手でレッドリボン」が選ばれました。
〈高校生の部〉
 池内藍華さんの「タイポグラフィー・『行こう HIV検査』」が最初から満票を得て独走、最優秀賞を獲得しました。デザインの斬新さと迫力、完成度の高さ、メッセージのシンプルさなどで他の追随を許しませんでした。小林結衣さんの「道路標識で啓発メッセージ」は発想のユニークさ、構図の面白さ、メッセージの確かさで注目を集めましたが、文字が小さくなってしまったのが残念で、優秀賞となりました。話題となったのは野上晴香さんの「バナナとコンドーム」です。まれに見る「直球」作品で説明不要です。ポスターにはなりにくいけれど、このくらいのパワーのあるものを応募してきてほしいという意見が複数の審査員から出て、優秀賞を得ました。佳作は以下の3作品です。忰山明音さんの「キーボード・『行こうよ、検査』と『GO』キー」はデジタル時代に相応しいデザインで、メッセージも極めてシンプルですが、「HIV」の文字が小さ過ぎて何の検査か分かりにくいのが残念です。森本杏樹さんの「コンドームの落下傘」は実に意表をついた作品です。コンドームを落下傘代わりにするなどという発想は一体どこから出てきたのか・・・。しかし作品からは安全でほんのりした空気が伝わってきます。地濱愛さんの「カップルの後ろ姿・『いつまでも元気なきみでいてね』」はデザイン的に完成度が高く、審査員中のプロをうならせた作品です。後ろ姿の二人の性別がハッキリとは分からないところがよいという評価もありました。
〈一般の部〉
 関戸馨織さんの「『UPDATE』・白地に赤で情報満載」が満票を得て、最優秀賞に決まりました。盛り沢山の情報がアイコンを使って上手に処理されており、絵としての完成度も高く、新しいジャンルのポスターと評価する声も上がりました。永吉静香さんの「スマホ2台・『まずは自分で、知ることから。』」には今どきの雰囲気があり、新しい行動スタイルの提案となっています。田中未緒さんの「レッドリボンとコンドーム・『未来のあなたも守りたい。』」はとても分かりやすくてインパクトがある、絵柄がかわいらしい、キャッチフレーズがよいなどの評価を得て、永吉さんと共に優秀賞を受賞しました。佳作には植田貴子さんの「キャンペーンテーマ・二人の会話の吹き出し」が、今年のテーマを会話を通して上手に展開しているとして選ばれ、さらに、劉梓賢さんの「レッドリボン・『行動して、支援』」が、レッドリボンが足になっていて行動を具現しており、発想がユニークとの評価を得て、また、早川紗予さんの「手と手でハート・『その小さな勇気、大事です。』」が、検査を促す力強いメッセージになっていると評価され、それぞれ選ばれました。
〈小学生の部〉
 応募数が3作品であり、そもそも本賞をどう考えるかという原則論をふまえての議論となりました。その部門における相対評価ならば、応募作品中のベストに最優秀賞が与えられることになりますが、応募作品が合計6つの賞に対する定数を満たしていない中で、あえて選ぶ必要があるのかという考え方もできます。3作品の間で評価の差はありましたが、最終的には応募してくれた熱意を買って3作品全てを佳作としました。作品は、津嶋莉音さんの「親子・『知れば、防げる』」、宍戸てれささんの「ハートと吹き出し・『みんな AIDSについてしってる?』」、石本千宝さんの「黄緑色の背景・レッドリボンと握手」です。
〈キャンペーンポスター作品の選考〉
 最終的に、中学生の部/鈴木野々花さんの「『HIVって知っとる?』」と高校生の部/池内藍華さんの「タイポグラフィー・『行こう HIV検査』」の2作品の間で競われました。鈴木さんの作品については、コピー、グラフィック共に共感領域が広い、絵が一見つたないようで実はシルエットの横顔、両手の動きなどにリアリティーがあり、いわゆる「ヘタウマ」の典型であるといった評価がなされました。一方、池内さんの作品に対しては、デザインに圧倒的な迫力があり、メッセージも単純で力強い、グラフィックの完成度の高い作品なのでポスターに相応しいといった支持が表明されました。それぞれの作品に対する懸念も含めて議論を重ねましたが、評価は分かれたまま双方譲らず、最後は僅差の判定で池内さんの作品がポスター作品に選ばれました。
 なお、所定の文字情報を入れる際は、昨年同様周囲に余白を作って入れることとし、その対応を事務局に検討してもらうことになりました。 ひとつ心残りは今年も「規定外」のため、「門前払い」になった作品が全体の5.4%もあったことです。昨年の9.6%と比べれば改善しているものの、20人に1人と思うと残念でなりません。せっかくの努力が水泡に帰することのないよう、応募される当人、そして指導される先生方には、一層の慎重さをお願いいたします。

 
○趣旨 令和元年度世界エイズデーのポスターのデザインを、全国の小学校、中学校、高等学校に在学する児童・生徒及び一般を対象に募集する。
○主催 公益財団法人エイズ予防財団
○募集区分 (1)小学生の部 (2)中学生の部 (3)高校生の部 (4)一般の部
○募集期間 令和元年4月24日(水)〜9月4日(水)
○募集内容 募集する作品は、一人ひとりがHIV感染予防に取り組むことを訴えるもの、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援を呼びかけるもの、HIV検査の受検を呼びかけるものとする。
○応募点数
(1)小学生の部 3点      
(2)中学生の部 134点      
(3)高校生の部 220点      
(4)一般の部 143点 合計 500点
○審査基準 エイズ予防財団ポスターコンクール審査会において、HIV/エイズに関する正しい理解、HIV感染予防、HIV検査の周知、HIV陽性者・エイズ患者への理解と支援、多様性の尊重等の視点から、応募作品のキャッチコピーやメッセージ等の正確性、表現の適切さ、ポスターとしての完成度・デザイン性・メッセージ性・インパクト・期待できる効果等について審査を行います。
○審査会 ■第一次審査 令和元年9月27日(金) 13:30〜16:30
■第二次審査 令和元年10月2日(水) 14:00〜16:00
○入賞作品 小学生の部を見る 中学生の部を見る 高校生の部を見る 一般の部を見る
○入賞者
小学生の部
佳作石本 千宝さん大阪市立中泉尾小学校 6年生
佳作津嶋 莉音さん盛岡市立本宮小学校 4年生
佳作宍戸 てれささん横須賀市立馬堀小学校 1年生
中学生の部
最優秀賞鈴木 野々花さん豊橋市立豊岡中学校 3年生
優秀賞橋 ふきねさん豊橋市立豊岡中学校 3年生
優秀賞小谷  陸さん岡山大学教育学部附属中学校 2年生
佳作山内 茉莉亜さん豊橋市立豊岡中学校 3年生
佳作廣中 茉優花さん豊橋市立東陵中学校 3年生
佳作北川  輪さん 佐賀県立武雄青陵中学校 2年生
高校生の部
最優秀賞池内 藍華さん香川県立高松工芸高等学校 3年生
優秀賞野上 晴香さん富山県立富山北部高等学校 3年生
優秀賞小林 結衣さん神奈川県立白山高等学校 2年生
佳作森本 杏樹さん香川県立高松工芸高等学校 3年生
佳作地濱  愛さん香川県立高松工芸高等学校 3年生
佳作忰山 明音さん香川県立高松工芸高等学校 3年生
一般の部
最優秀賞関戸 馨織さん日本工学院八王子専門学校
優秀賞田中 未緒さん日本アニメ・マンガ専門学校
優秀賞永吉 静香さん日本工学院八王子専門学校
佳作早川 紗予さん日本アニメ・マンガ専門学校
佳作劉  梓賢さん大阪モード学園
佳作植田 貴子さん松山ビジネスカレッジクリエイティブ校
○エイズ予防財団ポスターコンクール審査会 審査員(敬称略 五十音順)
 
審査員長  中島 邦信 前職 公益社団法人ACジャパン常務理事
審査員 何  英二 前職 株式会社電通クリエイティブ局
クリエイティブディレクター
審査員 小林 沙織 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課
学校保健対策専門官
審査員 都丸 雅明 AAA運営事務局事務局長
審査員 中山 美恵 厚生労働省健康局結核感染症課エイズ対策推進室
室長補佐
審査員 灰  来人 グラフィックデザイナー
notAlone Fukuoka HIV陽性者交流会代表
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