健医発第 607 号
平成11年4月1日

各都道府県知事 殿

厚生省保健医療局長

 

「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業実施要綱」の一部改正について

 

 標記研究事業については、平成元年7月24日付け健医発第896号本職通知「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業について」により実施しているところであるが、今 般、同通知の別紙「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業実施要綱」の一部を下記の とおり改正し、平成11年4月1日から適用することとしたので、通知する。


1. 第4 対象患者中「国家公務員等共済組合法」を「国家公務員共済組合法」に、「私立学校教職員共済組合法」を「私立学校教職員共済法」に改める。

2. 第8 関係者の留意事項中「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律(平成元年法律第2号)」を「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)」に改める。

 

 

<参考:改正後全文>

健医発第896号
平成元年7月24日
    一部改正
健医発第1060号
平成6年9月19日
     一部改正
健医発第766号
平成8年6月19日
    一部改正
健医発第607号
平成11年4月1日

各都道府県知事 殿

厚生省保健医療局長

 

先天性血液凝固因子障害等治療研究事業について

 

 先天性血液凝固因子障害等患者の医療負担の軽減及び精神的、身体的不安を解消するため、「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業実施要綱」を別紙のとおり定め、本事業を実施することとしたので、これが円滑なる実施について遺憾のないようお取り計らい願いたい。

 

別紙

先天性血液凝固因子障害等治療研究事業実施要綱

第1 目 的
 先天性血液凝固因子障害等患者のおかれている特別な立場にかんがみ、その患者の医療保険の自己負担分を治療研究事業として公費負担することにより、患者の医療負担の軽減を図り、精神的、身体的不安を解消することを目的とする。

第2 実施主体
 実施主体は都道府県とする。

第3 対象疾患
 先天性血液凝固因子欠乏症及び血液凝固因子製剤に起因するHIV感染症とする。

第4 対象患者
 原則として20歳以上の者で、医療機関において先天性血液凝固因子障害又は血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症(以下「先天性血液凝固因子障害等」という。)に関する医療を受けている者であって、国民健康保険法(昭和33年法律第192号)の規定による被保険者及び健康保険法(大正11年法律第70号)、船員保険法(昭和14年法律第73号)、国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号)、地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)、若しくは私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)の規定による被保険者及び被扶養者並びに老人保健法(昭和57年法律第80号)の規定による医療を受けている者とする。
 ただし、法令等の規定により、国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付を受けている者を除くものとする。

第5 実施方法
1. 治療研究事業の実施は、原則として各都道府県が先天性血液凝固因子障害等の治療研究を行うに適当な医療機関に対し、治療研究に必要な費用を交付することにより行うものとする。
2. 前項の費用の額は、健康保険又は老人保健の医療に要する費用の額の算定方法の例により算定した医療に要する費用の額の合計額(入院時の食事に要する費用については、医療保険各法又は老人保健法に規定する標準負担額を含む。)から、医療保険各法及び老人保健法の規定による医療に関する給付に関し保険者又は市町村が負担すべき額を控除した額とする。

第6 治療研究期間
 治療研究期間は、同一患者につき1年を限度とする。
 ただし、必要と認められる場合には、その期間を更新できるものとする。

第7 先天性血液凝固因子障害等対策協議会
1. 各都道府県は、この治療研究事業の適正かつ円滑な実施を図るため、医学の専門家構成される先天性血液凝固因子障害等対策協議会を設けるものとする。
2. 先天性血液凝固因子障害等対策協議会は、都道府県知事からの要請により、治療研究事業の実施に必要な参考意見を具申するものとする。

第8 関係者の留意事項
 患者等に与える精神的影響と、その病状に及ぼす影響を考慮して、本事業の実施に関連して知り得た事実の取扱いについて慎重に配慮するよう留意するとともに、関係者に対してもその旨指導するものとする。
 なお、HIV感染者に係る秘密を医師又は公務員等が正当な理由なく漏らしたときは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)の規定により罰則が課せられることとなっており、当該規定の趣旨を十分に踏まえ、本事業の実施に関連して知り得たHIV感染者に係る秘密の取扱いについては特に留意するとともに、関係者に対してもその旨指導すること。

第9 報 告
 都道府県知事は、別に定めるところにより、厚生大臣に対し治療研究に関する成果を報告するものとする。

第10 国の補助
 国は、別に定めるところにより、予算の範囲内において、都道府県がこの研究事業のために支出した費用に対し、その2分の1を補助するものとする。


 

健医発第 607 号
平成11年4月1日

社団法人 日本医師会長 殿

厚生省保健医療局長

 

「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業実施要綱」の一部改正について

 

 エイズ対策の推進につきましては、平素より多大な御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、今般、標記事業の一部改正を行い、別添のとおり各都道府県知事あて通知いたしました。つきましては、貴職におかれましても特段の御高配をお願い致します。

(罰則)
第14条 医師が、感染者であるかどうかに関する健康診断又はエイズの治療に際して知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしたときは、1年以下の懲役又は30万円以上の罰金に処する。
2 第7条の規定による通報の受理、第8条第1項の規定による勧告、同条第2項の規定による命令、第9条の規定による指示又は第10条の規定による質問に関する事務に従事した公務員又は公務員であった者が、その職務の執行に関して知り得た人の秘密を正当な理由がなくその秘密を漏らしたときも、第1項と同様とする。
3 職務上前項の秘密を知り得た他の公務員又は公務員であった者が、正当な理由がなくその秘密を漏らしたときも、第1項と同様とする。
第15条 感染者であるとの人の秘密を業務上知り得た者が、正当な理山がなくその秘密を漏らしたときは、6月以上の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
第16条 次の各号の1に該当する者は、10カ月以下の罰金に処する。
1 第8条第2項の規定による命令に違反した者
2 第10条の規定による質問に対して虚偽の答弁をした者