健医発第29号
平成12年3月30日

各都道府県衛生主管部(局)長 殿

厚生省保健医療局
エイズ疾病対策課長

エイズ治療拠点病院整備事業の実施について

 

 標記整備事業については、平成6年6月23日付け健医発第746号厚生省保健医療局長通知「エイズ治療拠点病院整備事業実施要綱」の一部が改正され、平成12年4月1日から適用されることとなったが、下記の事項についても留意の上、円滑な実施が図られるよう併せて通知するとともにエイズ治療拠点病院に対する周知等をお願いする。

 

  1. エイズ診療の基本的あり方等
     エイズ診療の基本的な考え方及びエイズ治療拠点病院のあり方等については、平成5年7月28日付健医発第825号厚生省保健医療局長通知「エイズ治療の拠点病院の整備について」により示されたところであり、その実現のため、厚生省においては、各都道府県により選定されたエイズ 治療拠点病院に対して、病室の個室化、診療支援のための施設及び機器整備等を図ってきたところである。
     今般の「エイズ専用外来診療室の整備」事業の追加についても、上記通知の趣旨に基づく整備である。
     なお、一部のエイズ治療拠点病院においては、上記通知の趣旨に反し、エイズ診療忌避との批判を受ける事例の報告があったので、再度、上記通知の徹底をお願いする。

  2. エイズ専用外来診療室(個室)の整備について
     最近のエイズ治療薬や治療法の急速な進歩により、エイズは生存率の悪い疾患から長期慢性疾患へ変化し、外来診療を受ける患者・感染者が増加傾向にあり、患者・感染者等のプライバシー 保護を図るため、 当該専用外来診療室(個室)の整備(新設、増設、改修)を保健衛生施設等施設整備費補助金の補助の対象とすることとした。

  3. エイズ治療拠点病院におけるHIV診療支援ネットワークシステム(A-net)の整備について
     HIV診療支援ネットワークシステム (A-net)については、HIV医療・研究に関する情報交換を行い、HIV医療・研究の着実な推進を図るため、国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センターとエイズ治療ブロック拠点病院、エイズ治療拠点病院を結ぶ情報ネットワークであり、平成11年12月1日より、その本格運用が図られたところである。
     今後においても引き続き、そのネットワークを全国的に拡大するため、当該システムを構築する機器整備補助事業を実施することとしているが、このシステムには、患者の同意を得た上で、患者の氏名を含む個人情報を入力することとなるため、機器の配置場所、運用方法については厳格な取り扱いが必要であるので、上記2の「エイズ専用外来診療室(個室)の整備事業」を活用のうえ、事業の実施を図られたい。

  4. 設備整備における最低基準額の設定について
     平成6年度からエイズ治療拠点病院におけるエイズ診療の質的向上を図ることを目的として、「患者モニター装置等、診療を行うために必要な機器」について補助を行ってきたところであるが、予算の効率的な執行等の観点から、1機器あたりの最低補助基準額を50万円と設定したので、ご了知いただくとともに、エイズ治療拠点病院への周知方よろしくお願いする。