ア. |
患者の観血的処置に際し、患者の血液で汚染された器具からの感染に注意する。 |
イ. |
患者の診療に際し、特に手指に創傷や炎症のある場合は、ゴム手袋を使用する。また血液の飛沫を浴びる恐れのある場合は、予防衣、マスク等を着用することが望ましい。 |
ウ. |
手指が汚染された場合は、石鹸を用いて流水で十分に水洗いし、あるいは次亜塩素酸ナトリウム液(有効塩素濃度1%)に浸した脱脂綿で拭きとる。また着衣、ベッド、床等の汚物は、直ちに紙、布等で拭きとった後流水で十分に水洗いするか、次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する。 |
エ. |
患者から血液等を採取する場合は、注射針が一体となっている注射器または注射針を固定した注射器を用いる。これならば、注射針を外すことなく採取した試料を安全に排出させることも可能である。再使用可能な注射器を使った場合は、再処理に先立って次亜塩素酸ナトリウム液で消毒することが必要である。 |
オ. |
検査用に採取した患者の血液又は分泌液の容器には、注意を促す標示を付ける。 |
カ. |
食器等は、一般患者の場合と同様に扱ってよい。 |
キ. |
面会も特に制限する必要はないが、乳幼児等抵抗力の弱い者との濃厚な接触は避けるよう配慮する。 |
ク. |
普通の接触では感染しないため、特に患者を隔離する必要はない。ただし、重症の下痢、大小便の失禁、中枢神経系の感染による行動異常等病状が重く、身辺を清潔に保ちがたい患者は、個室に収容する。 |
ケ. |
入院中の患者に対しては、次の指導を行う。
(ア) |
血液等の汚染があった場合は、石鹸を用いて流水で十分水洗いすること。 |
(イ) |
カミソリ、歯ブラシ、タオル等は、専用とすること。 |
(ウ) |
排尿、排便後は、石鹸を用いて流水で十分手を洗うこと。 |
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コ. |
AIDS患者又は抗LAV/HTL一III抗体陽性者に対しては、2次感染防止の必要がある場合には、日常生活での注意事項の徹底を図るとともに、その者を通じて性的接触者が速やかに医療機関で受診するよう指導する。 |
サ. |
その他の点については、B型肝炎ウイルス・キャリアの扱いに準ずる。 |