健 医 発 第406号
平成5年3月31日
都道府県知事
政令市市長 殿
特別区区長
厚生省保健医療局長

保健所におけるエイズストップ作戦関連事業について

 エイズの感染の拡大は世界中で極めて深刻な状況にある。我が国においても、在日外国人を はじめとする患者・感染者の急増、異性間性的接触による感染の増加、感染の地方への拡大等 がみられることから、現時点において、エイズ対策を質、量ともに拡充し、集中的かつ重点的 に対策を講じることにより、エイズのまん延の防止を図ることが緊要の課題となっている。
 このような状況を踏まえ、今般、保健所におけるエイズ対策の充実を図るため、「保健所に おけるエイズストップ作戦関連事業実施要綱」を別紙のとおり定め、本事業を実施することと したので通知する。
 事業の実施に際しては、本要綱の趣旨を十分御理解の上、関係各方面の協力も得つつ、積極 的な取組みを図られるよう特段の御配慮をお願いする。
 なお、本通知は平成5年4月1日より適用する。
 おって、平成4年12月10日健政発第786号、健医発第1408号健康政策局長、保健医療局長連 名通知「在日外国人へのエイズ相談事業について」は廃止する。
別紙

保健所におけるエイズストップ作戦関連事業実施要綱

1 事業の目的
 この事業は、エイズの感染予防を図るため、保健所におけるエイズに関する個別カウンセリング(必要な者への無料匿名検査を含む。)事業、在日外国人へのエイズ相談事業、青少年に対する啓発普及活動事業を実施することにより、エイズのまん延防止を目的とする。

2 事業の実施主体
 事業主体は、都道府県、政令市及び特別区とする。

3 事業の内容

(1) 保健所における個別カウンセリング(必要な者への無料匿名検査を含む。)
 事業エイズに関する相談等を希望する来所者に対して、個別相談事業を実施する。
(2) 在日外国人へのエイズ相談事業
 我が国に滞在している外国人に対して、保健所で外国語による相談を実施し、エイズに関する正しい知識の普及を図る。
(3) 青少年に対するエイズ教育事業
 保健所が地域の青少年に対して、エイズに関する正しい知識の普及を図るため、エイズの専門家による講習会等を実施する。

4 関係者の留意事項

(1) 都道府県、政令市及び特別区は事業の実施に当たり、医師会をはじめ、関係機関、関係者等と連携を密にし、事業の円滑な実施に努めること。
(2) 被相談者の人権に考慮し、相談を行うことにより知り得た事項に対する守秘義務の徹底を図ること。

5 経費の負担
 都道府県、政令市及び特別区がこの実施要綱に基づき実施する事業に要する経費については、厚生大臣が別に定める「保健事業費等国庫負担(補助)金交付要綱」に基づいて、予算の範囲内で国庫補助を行うものとする。