感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
(平成15年11月5日法律第145号)

 

第8章 感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する措置

(輸入禁止)
第54条  何人も、感染症を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定める動物(以下「指定動物」という。)であって次に掲げるものを輸入してはならない。ただし、第一号の厚生労働省令、農林水産省令で定める地域から輸入しなければならない特別の理由がある場合において、厚生労働大臣及び農林水産大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
 感染症の発生の状況その他の事情を考慮して指定動物ごとに厚生労働省令、農林水産省令で定める地域から発送されたもの

 前号の厚生労働省令、農林水産省令で定める地域を経由したもの

 

(輸入検疫)
第55条  指定動物を輸入しようとする者(以下「輸入者」という。)は、輸出国における検査の結果、指定動物ごとに政令で定める感染症にかかっていない旨又はかかっている疑いがない旨その他厚生労働省令、農林水産省令で定める事項を記載した輸出国の政府機関により発行された証明書又はその写しを添付しなければならない。
 指定動物は、農林水産省令で定める港又は飛行場以外の場所で輸入してはならない。
 輸入者は、農林水産省令で定めるところにより、当該指定動物の種類及び数量、輸入の時期及び場所その他農林水産省令で定める事項を動物検疫所に届け出なければならない。この場合において、動物検疫所長は、次項の検査を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る輸入の時期又は場所を変更すべきことを指示することができる。
 輸入者は、動物検疫所又は第2項の規定により定められた港若しくは飛行場内の家畜防疫官が指定した場所において、指定動物について、第1項の政令で定める感染症にかかっているかどうか、又はその疑いがあるかどうかについての家畜防疫官による検査を受けなければならない。ただし、特別の理由があるときは、農林水産大臣の指定するその他の場所で検査を行うことができる。
 家畜防疫官は、前項の検査を実施するため必要があると認めるときは、当該検査を受ける者に対し、必要な指示をすることができる。

 前各項に規定するもののほか、指定動物の検疫に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。

 

(検査に基づく措置)
第56条

 家畜防疫官が、前条第四項の検査において、同条第1項の政令で定める感染症にかかり、又はかかっている疑いがある指定動物を発見した場合については、第13条の規定は、適用しない。この場合において、動物検疫所長は、直ちに、当該指定動物の輸入者の氏名その他同条第1項の厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に通知するものとする。

 前項の規定による通知を受けた都道府県知事は、直ちに、当該通知の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。

 動物検疫所長は、第1項に規定する指定動物について、農林水産省令で定めるところにより、家畜防疫官に隔離、消毒、殺処分その他必要な措置をとらせることができる。

 

(輸入届出)
第56条の2

 動物(指定動物を除く。)のうち感染症を人に感染させるおそれがあるものとして厚生労働省令で定めるもの又は動物の死体のうち感染症を人に感染させるおそれがあるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び第69条第九号において「届出動物等」という。)を輸入しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該届出動物等の種類、数量その他厚生労働省令で定める事項を記載した届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、輸出国における検査の結果、届出動物等ごとに厚生労働省令で定める感染症にかかっていない旨又はかかっている疑いがない旨その他厚生労働省令で定める事項を記載した輸出国の政府機関により発行された証明書又はその写しを添付しなければならない。

 前項に規定するもののほか、届出動物等の輸入の届出に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。