責任者用チェックリスト (AZT/3TC/IDV

1.MMWR 45(22):468~472,1996. およびその日本語要約を読みましたか?

2.可能な限り早期にHIV抗体, HB-s抗原のチェックをしてください。
  同時に血清を1ml保管してください。
  以後は、HIV抗体について、1カ月後、3カ月後、6カ月後に検査してください。

3.標準的な薬剤の服用方法は以下の通りです。
   ・ AZT(レトロビル)    600mg, 3X, 毎食後
   ・ 3TC(エピビル)      300mg, 2X, 朝・夕食後
   ・ Indinavir(クリキシバン)   2400mg, 3X, 毎食前

 針刺し後の有効な予防のためには第1回目の服用が最も大事と考えられます。したがって、第1回目には 必ず3剤を服用させてください。また、できるだけ速やかに第1回目(少なくとも1~2時間以内)を服用さ せてください。服用する場合の投与期間は、1カ月です。投与量や服用方法については、以下のような変更も可能です。

(1)AZT: 消化器症状の強い場合には、400mg, 2X, 朝・夕食後 への変更でも効果は期待できます。
(2) 3TC: 半年以上3TCの投与された慢性B型肝炎患者において中止後に肝炎の悪化した報告があります。
1カ月以内の短期服用後における肝炎悪化の報告はありませんが注意は必要です。むしろ感染リスクの低いと考えられる場合には、B型肝炎の人に対しては3TCは服用させないよう勧告してください。
(3) Indinavir:
(1) 腎結石の副作用があります。予防のために1日1.5リットル以上の水分を取らせてください。
食後の服用に変えることで腎結石の頻度を下げることも可能です。また、消化器症状の強い場合にも食後服用に変更可能です。
(2) 長期服用にて腎障害及び腎萎縮の報告があります。
(3) ビリルビン値が5mg/dl前後までは上昇することがありますが、継続服用可能です。
(4) この薬剤は、吸湿性があり吸湿することにより薬効が低下します。したがって、薬剤の保存状態に注意してください。

4.対象者が女性の場合妊娠に注意してください。
妊婦に投与した場合の安全性、特に妊娠初期での胎児への安全性は確認されていません。従って、妊婦が服用を決意するには十分な自己決定が不可欠です。
また、対象者が妊娠していなかった場合には、予防薬を服用する対象者に対しては少なくとも4週間は避妊す るよう勧告してください。