平成12年3月28日

委員長コメント

  1. 今回の報告期間は平成11年12月27日より平成12年2月27日までの約2ヶ月であり、患者数は法定報告43件(前回42件)、任意報告1件(前回2件)、感染者数は44件(前回91件)である。

  2. 前回報告(平成11年11月1日より12月26日)と今回の報告とを比較すれば、今回報告の特徴は、
    (1) 患者数は42件から43件とほぼ同数である。
    (2) 感染者数は91件から44件と減少した。減少の主なものは、日本人男性であった。

  3. 今回報告の感染者の減少は過去2年間の動向を見ると、単純な減少とは考えにくく、感染者が検査を受けていない可能性が懸念される。したがって、今後個別施策層を踏まえた検査体制のいっそうの整備充実が必要である。

結果報告

  1. 本日の委員会では、平成11年12月27日より平成12年2月27日までの感染症法に基づく患者・感染者報告並びに平成12年1月1日より2月29日までの任意報告を解析した。

  2. 平成11年12月27日から平成12年2月27日までの間に感染症法に基づき報告されたエイズ患者は43件、HIV感染者は44件であった。患者43件、感染者44件の内訳は、

    (1) 感染原因では、異性間の性的接触による患者20件、感染者21件、同性間の性的接触による患者10件、感染者15件、その他の原因の患者1件、感染者1件、原因不明の患者12件、感染者7件であった。(表1−1、1−2)
    (2) 性別では男性患者38件、感染者35件、女性患者5件、感染者9件であった。
    (3) 年齢区分別では、患者は20代6件、30代12件、40代7件、50歳以上18件、感染者は10代1件、20代17件、30代15件、40代6件、50歳以上5件であった。(表2−1、2−2)
    (4) 国籍では日本人患者37件、感染者31件、外国人患者6件、感染者13件である。
    (5) 感染地域では、国内で感染した患者25件、感染者28件、海外で感染した患者11件、感染者4件、感染地域不明患者7件、感染者12件であった。 (表3−1、3−2)

  3. 患者43件、感染者44件のうち

    (1) 異性間の性的接触による患者20件、感染者21件のうち日本人男性は、患者18件、感染者11件、日本人女性は患者1件、感染者5件であった。また、外国人男性は、患者1件、感染者2件、外国人女性は、患者0件、感染者は3件であった。 (表1−1、1−2)
    (2) 日本人男性患者35件のうち20代5件、30代8件、40代6件、50歳以上16件、日本人男性感染者26件のうち10代1件、20代8件、30代8件、40代4件、50歳以上5件であった。また、日本人女性患者2件のうち50歳以上2件、日本人女性感染者5件のうち20代3件、30代2件であった。(表2−1、2−2)
    (3) 外国人男性患者3件のうち30代2件、40代1件、外国人男性感染者9件のうち20代3件、30代4件、40代2件であった。また、外国人女性患者3件のうち20代1件、30代2件、外国人女性感染者4件のうち20代3件、30代1件であった。(表2−1、2−2)
    (4) 国内感染による患者25件のうち日本人男性が24件、日本人女性は1件であった。また、国内感染による感染者28件のうち日本人男性が19件、外国人男性は1件、日本人女性が5件、外国人女性は3件であった。(表3−1、3−2)
    (5) 海外感染による患者11件のうち日本人男性が7件、外国人男性は3件、外国人女性が1件であった。また、海外感染による感染者4件のうち日本人男性1件、外国人男性3件であった。(表3−1、3−2)

  4. 任意報告により

    (1) キャリア等からエイズ患者になったとの報告は1件、この内訳は日本人男性1件である。
    (2) 患者・感染者の死亡12件のうちエイズが原因のものは9件、それ以外の原因は3件であった。
    (3) 死亡報告の12件のうち20代1件、30代4件、40代2件、50歳以上5件であった。

  5. 今回12名の死亡及び「HIV感染者発症予防・治療に関する研究班」からの報告とあわせ累積死亡報告数は1,167名となった。

  6. 平成12年1月から2月末日までの献血件数967,291件のうち、HIV抗体陽性件数は6件であった。