平成12年5月30日

委員長コメント

  1. 今回の報告期間は平成12年2月28日より4月30日までの約2ヶ月であり、患者数は法定報告56件(前回43件)、任意報告4件(前回1件)、感染者数は75件(前回44件)である。

  2. 前回報告(平成11年12月27日より平成12年2月27日)と今回の報告とを比較すれば今回報告の特徴は、

     (1)患者数、感染者数ともに増加した。
     (2)感染者増加は、主に日本人男性の同性間性的接触によるものであった。

  3. 1999年版のエイズ発生動向年報については、その期間の中途で感染症法が施行されたことも含め論議したところである。6月中には委員会としてまとめたいと考えている。

結果報告

  1. 本日の委員会では、平成12年2月28日から平成12年4月30日までの感染症法に基づく患者・感染者報告並びに平成12年3月1日から4月30日までの任意報告を解析した。

  2. 平成12年2月28日から平成12年4月30日までの間に感染症法に基づき報告さたエイズ患者は56件、HIV感染者は75件であった。
    患者56件、感染者75件の内訳は、


    (1) 感染原因別では、異性間の性的接触による患者26件、感染者28件、同性間の性的接触による患者12件、感染者35件、母子感染による患者1件、その他の原因による患者2件、感染者3件、原因不明の患者15件、感染者9件であった。(表1−1,表1−2)
    (2) 性別では男性患者47件、感染者56件、女性患者9件、感染者19件であった。
    (3) 年齢区分別では、患者は10歳未満1件、20代3件、30代13件、40代14件、50歳以上25件、感染者は20代22件、30代24件、40代14件、50歳以上15件であった。(表2−1,2−2)
    (4) 国籍別では日本人患者43件、感染者54件、外国人患者13件、感染者21件である。
    (5) 感染地域別では、国内で感染した患者32件、感染者54件、海外で感染した患者13件、感染者8件、感染地域不明患者11件、感染者13件であった。(表3−1,3−2)


  3. 患者56件、感染者75件のうち

    (1) 異性間の性的接触による患者26件、感染者28件のうち日本人男性は、患者20件、感染者13件、日本人女性は、患者2件、感染者7件であった。また、外国人男性は、患者1件、感染者2件、外国人女性は、患者3件、感染者6件であった。(表1−1,1−2)
    (2) 日本人男性患者40件のうち20代1件、30代4件、40代12件、50歳以上23件、日本人男性感染者46件のうち、20代7件、30代16件、40代11件、50歳以上12件であった。また、日本人女性患者3件のうち30代2件、50歳以上1件、日本人女性感染者8件のうち20代4件、40代1件、50歳以上3件であった。(表2−1,2−2)
    (3) 外国人男性患者7件のうち30代4件、40代2件、50歳以上1件、外国人男性感染者10件のうち20代4件、30代4件、40代2件であった。また、外国人女性患者6件のうち10歳未満1件、20代2件、30代3件、外国人女性感染者11件のうち20代7件、30代4件であった。(表2−1,2−2)
    (4) 国内感染による患者32件のうち日本人男性が28件、外国人男性1件、日本人女性3件であった。また、国内感染による感染者54件のうち日本人男性が42件、外国人男性は3件、日本人女性が7件、外国人女性が2件であった。(表3−1,3−2)
    (5) 海外感染による患者13件のうち日本人男性が7件、外国人男性が3件、外国人女性   が3件であった。(表3−1,3−2)

  4. 任意報告により

    (1) キャリア等からエイズ患者になったとの報告は4件、この内訳は日本人男性が2件、日本人女性が2件である。
    (2) 患者・感染者の死亡8件のうちエイズが原因のものは7件、それ以外の原因のは1件であった。
    (3) 死亡報告8件のうち20代1件、30代1件、40代3件、50歳以上3件であった。


  5. 今回8名の死亡及び「HIV感染者発症予防・治療に関する研究班」からの報告とあわせ累積死亡報告数は1,175名となった。


  6. 平成12年1月から3月末日までの献血件数1,450,370件のうち、HIV抗体陽性件数は10件であった。