平成12年7月25日

委員長コメント
 
1.今回の報告期間は平成12年5月1日より6月25日までの約2ヶ月であり、患者数は法定報告57件(前回56件)、任意報告0件(前回4件)、感染者数は64件(前 回75件)である。
 
2.今回報告の特徴は、

 (1)前回同様、患者・感染者ともに異性間及び同性間性的接触によるものが大半を占めている。

 (2)年齢別では患者・感染者ともに各年齢層に分布している。患者では30代40代、感染者では20代30代が占める割合が高い。とくに20代の日本人男性感染者は7件増加した。
 
3.前述のとおり、前回報告と比較すれば大きな変動はみられないものの、年単位の増加傾向はエイズ発生動向年報で指摘したとおりであり、今後一層エイズに関する普及啓発が必要である。



結果報告

 

1 本日の委員会では、平成12年5月1日から6月25日までの感染症法に基づく患者・感染者報告並びに平成12年5月1日から6月30日までの任意報告を解析した。

2 平成12年5月1日から6月25日までの間に感染症法に基づき報告されたエイズ患者は57件、HIV感染者は64件であった。

  患者57件、感染者64件の内訳は、

 (1)感染原因別では、異性間の性的接触による患者25件、感染者19件、同性間の性的接触による患者11件、感染者30件、母子感染による感染者1件、その他の原因による患者4件、原因不明の患者17件、感染者14件であった。(表1−1,表1−2)

 (2)性別では男性患者46件、感染者56件、女性患者11件、感染者8件であった。

 (3)年齢区分別では、患者は20代5件、30代18件、40代17件、50歳以上17件、感染者は10歳未満1件、10代1件、20代21件、30代21件、40代6件、50歳以上14件であった。(表2−1,2−2)

 (4)国籍別では日本人患者46件、感染者47件、外国人患者11件、感染者17件である。

 (5)感染地域別では、国内で感染した患者23件、感染者39件、海外で感染した患者16件、感染者10件、感染地域不明患者18件、感染者15件であった。(表3−1,3−2)
 

3 患者57件、感染者64件のうち

 (1)異性間の性的接触による患者25件、感染者19件のうち日本人男性は、患者16件、感染者12件、日本人女性は、患者3件、感染者1件であった。また、外国人男性は、患者1件、感染者3件、外国人女性は、患者5件、感染者3件であった。(表1−1,1−2)

 (2)日本人男性患者42件のうち20代3件、30代10件、40代13件、50歳以上16件、日本人男性感染者45件のうち、10歳未満1件、10代1件、20代15件、30代11件、40代4件、50歳以上13件であった。また、日本人女性患者4件のうち20代1件、30代1件、40代2件、日本人女性感染者2件のうち20代1件、30代1件であった。(表2−1,2−2)

 (3)外国人男性患者4件のうち30代3件、50歳以上1件、外国人男性感染者11件のうち20代3件、30代6件、40代1件、50歳以上1件であった。また、外国人女性患者7件のうち20代1件、30代4件、40代2件、外国人女性感染者6件のうち20代2件、30代3件、40代1件であった。(表2−1,2−2)

 (4)国内感染による患者23件のうち日本人男性が21件、日本人女性2件であった。また、国内感染による感染者39件のうち日本人男性が33件、外国人男性は4件、日本人女性が2件であった。(表3−1,3−2)

 (5)海外感染による患者16件のうち日本人男性が9件、外国人男性が2件、日本人女性が1件、外国人女性が4件であった。(表3−1,3−2)

 (6)海外感染による感染者10件のうち日本人男性が8件、外国人男性が1件、外国人女性が1件であった。
 

4 任意報告により

 (1)キャリア等からエイズ患者になったとの報告は0件である。

 (2)患者・感染者の死亡5件のうちエイズが原因のものは4件、それ以外の原因のは1件であった。

 (3)死亡報告5件のうち30代2件、50歳以上3件であった。
 

5 今回5名の死亡及び「HIV感染者発症予防・治療に関する研究班」からの報告とあわせ累積死亡報告数は1,180名となった。

               
6 平成12年1月から6月末日までの献血件数2,932,165件のうち、HIV抗体陽性件数は31件であった。