平成13年2月6日

委員長コメント
 
  1.  今回の報告期間は平成12年10月30日より12月31日までの約2ヶ月であり、患者数は法定報告39件(前回62件)、任意報告3件(前回1件)、感染者数は87件(前回88件)である。
  2.  今回報告件数は前回報告と比較して、患者は23件の減、感染者は1件の減であった。
     このうち、HIV感染者では同性間性的接触によるものが46件、AIDS患者では異性間性的接触によるものが20件と、それぞれ約半数を占める。
     年齢別では前回同様、患者・感染者ともに各年齢層に分布しているものの、感染者では20代〜30代、患者では30代、50代が占める割合が高い。
  3.  患者報告件数は今回大きく減少したものとなっているが、これが一時的なものかどうか、やはり今後の動向に十分注意していかなくてはならない。感染者報告件数はほぼ前回同様であり、依然として増加傾向にあるということができる。そして感染経路、年齢層別の傾向もほぼ前回同様である。
  4.  平成12年におけるHIV抗体検査・相談受付実施件数、及びAIDS患者・HIV感染者数(速報値:平成11年12月27日〜平成12年12月31日)を発表する。
     平成12年における検査・相談件数は、減少傾向にあったものが前年に比べやや増加し、検査件数は401件増の48,619件、相談件数は4,050件増の107,256件であった。また、患者報告件数は前年に比べ20件増の320件、感染者報告件数は90件減の440件であった。

※なお、平成12年のAIDS患者・HIV感染者数の確定値については、次回報告する。

 

結果報告
  1.  本日の委員会では、平成12年10月30日から12月31日までの感染症法に基づく患者・感染者報告並びに平成12年11月1日から12月31日までの任意報告を解析した。
  2.  平成12年10月30日から12月31日までの間に感染症法に基づき報告されたエイズ患者は39件、HIV感染者は87件であった。
     患者39件、感染者87件の内訳は

    (1)  感染原因別では、異性間の性的接触による患者20件、感染者32件、同性間の性的接触による患者9件、感染者46件、その他の原因による患者2件、感染者2件、原因不明の患者8件、感染者7件であった。
    (2)  性別では男性患者28件、感染者75件、女性患者11件、感染者12件であった。
    (3)  年齢区分別では、患者は20代9件、30代13件、40代5件、50歳以上12件、感染者は10代1件、20代26件、30代38件、40代10件、50歳以上12件であった。
    (4)  国籍別では日本人患者30件、感染者75件、外国人患者9件、感染者12件であった。
    (5)  感染地域別では、国内で感染した患者26件、感染者65件、海外で感染した患者7件、感染者12件、感染地域不明患者6件、感染者10件であった。



  3.  患者39件、感染者87件のうち

    (1)  異性間の性的接触による患者20件、感染者32件のうち日本人男性は、患者11件、感染者17件、日本人女性は、患者2件、感染者8件であった。また、外国人男性は、患者1件、感染者4件、外国人女性は、患者6件、感染者3件であった。
    (2)  日本人男性患者26件のうち20代5件、30代9件、40代2件、50歳以上10件、日本人男性感染者67件のうち、10代1件、20代20件、30代27件、40代9件、50歳以上10件であった。また、日本人女性患者4件のうち30代1件、40代1件、50歳以上2件、日本人女性感染者8件のうち20代1件、30代4件、40代1件、50歳以上2件であった。
    (3)  国人男性患者2件のうち20代1件、40代1件、外国人男性感染者8件のうち20代3件、30代5件であった。また、外国人女性患者7件のうち20代3件、30代3件、40代1件、外国人女性感染者4件のうち20代2件、30代2件であった。
    (4)  国内感染による患者26件のうち日本人男性が22件、日本人女性が3件、外国人女性が1件であった。また、国内感染による感染者65件のうち日本人男性が57件、日本人女性が5件、外国人男性が3件であった。
    (5)  海外感染による患者7件のうち日本人男性が1件、外国人男性が1件、外国人女性が5件であった。また、海外感染による感染者12件のうち日本人男性が6件、日本人女性が2件、外国人男性が2件、外国人女性が2件であった。


  4. 任意報告により

    (1)  キャリア等からエイズ患者になったとの報告は3件であった。
    (2)  患者・感染者の死亡5件はすべてエイズが原因のものであった。
    (3)  死亡報告5件のうち30代3件、50代2件であった。


  5. 今回5名の死亡報告があり、累積死亡報告数は1,205名となった。6平成12年1月から12月末日までの献血件数5,877,971件のうち、HIV抗体陽性件数は67件であった。