委員長コメント・結果報告

　

平成１３年４月２４日

委員長コメント

　

　今回の報告期間は平成１３年１月１日より３月２５日までの約３ヶ月であり、患者数は法定報告６２件（前回３９件）、任意報告１件（前回３件）、感染者数は１２９件（前回８７件）である。
※前回は（１２年１０月３０日より１２月３１日までの約２ヶ月）
　今回の報告では、感染経路別に見ると、ＨＩＶ感染者においては同性間性的接触によるものが７２件、ＡＩＤＳ患者においては異性間性的接触によるものが２７件と、それぞれ最も多く、これは前回と同様の傾向と言える。
　年齢別では前回同様、患者・感染者ともに各年齢層に分布しているものの、感染者では２０代～３０代、患者では３０代以上が占める割合が高い。
　今回から四半期ごとに保健所におけるＨＩＶ抗体検査・相談受付実施件数を集計する。
　平成１３年第１四半期における検査件数は１１,４８８件、相談件数は２５，４０６件であり、今後の四半期ごとの推移に注目していきたい。（平成１２年１年間における検査件数は４８，６２０件、相談件数は１０７，２５６件）

　

結果報告

　本日の委員会では、平成１３年１月１日から３月２５日までの感染症法に基づく患者・感染者報告並びに平成１３年１月１日から３月３１日までの任意報告を解析した。

　平成１３年１月１日から３月２５日までの間に感染症法に基づき報告されたエイズ患者は６２件、ＨＩＶ感染者は１２９件であった。
　患者６２件、感染者１２９件の内訳は、

(1)	感染原因別では、異性間の性的接触による患者２７件、感染者４０件、同性間の性的接触による患者１８件、感染者７２件、静注薬物の濫用による感染者が１件、その他の原因による患者１件、感染者４件、原因不明の患者１６件、感染者１２件であった。
(2)	性別では男性患者５３件、感染者１１６件、女性患者９件、感染者１３件であった。
(3)	年齢区分別では、患者は２０代５件、３０代２０件、４０代２２件、５０歳以上１５件、感染者は２０代４８件、３０代４７件、４０代１６件、５０歳以上１８件であった。
(4)	国籍別では日本人患者４４件、感染者１１１件、外国人患者１８件、感染者１８件であった。
(5)	感染地域別では、国内で感染した患者３８件、感染者９８件、海外で感染した患者９件、感染者１１件、感染地域不明患者１５件、感染者２０件であった。

　患者６２件、感染者１２９件のうち

(1)	異性間の性的接触による患者２７件、感染者４０件のうち日本人男性は、患者２０件、感染者２８件、日本人女性は、患者１件、感染者７件であった。また、外国人男性は、患者２件、感染者３件、外国人女性は、患者４件、感染者２件であった。
(2)	日本人男性患者４１件のうち２０代２件、３０代１０件、４０代１５件、５０歳以上１４件、日本人男性感染者１０３件のうち、２０代４０件、３０代３４件、４０代１３件、５０歳以上１６件であった。また、日本人女性患者３件のうち３０代１件、４０代２件、日本人女性感染者８件のうち２０代１件、３０代３件、４０代２件、５０歳以上２件であった。
(3)	外国人男性患者１２件のうち２０代２件、３０代４件、４０代５件、５０歳以上１件、外国人男性感染者１３件のうち２０代４件、３０代８件、４０代１件であった。また、外国人女性患者６件のうち２０代１件、３０代５件、外国人女性感染者５件のうち２０代３件、３０代２件であった。
(4)	国内感染による患者３８件のうち日本人男性が３４件、日本人女性が２件、外国人女性が２件であった。また、国内感染による感染者９８件のうち日本人男性が８５件、日本人女性が５件、外国人男性が８件であった。
(5)	海外感染による患者９件のうち日本人男性が３件、外国人男性が４件、外国人女性が２件であった。また、海外感染による感染者１１件のうち日本人男性が５件、日本人女性が３件、外国人男性が１件、外国人女性が２件であった。

　任意報告により

(1)	キャリア等からエイズ患者になったとの報告は１件であった。
(2)	患者・感染者の死亡９件は７件がエイズが原因、２件がそれ以外の原因であった。
(3)	死亡報告９件のうち２０代３件、３０代２件、４０代１件、５０代３件であった。

　今回９名の死亡報告があり、累積死亡報告数は１,２１４名となった。
　平成１３年１月から３月末までの保健所におけるHIV抗体検査件数は１１，４８８件、保健所における相談件数は２５，４０６件であった。
　平成１３年１月から３月末日までの献血件数１，３８９，７００件のうち、ＨＩＶ抗体陽性件数は１４件であった。