平成13年7月31日

委員長コメント
 
  1.  今回の報告期間は平成13年3月26日より6月24日までの約3ヶ月であり、法定報告は患者数は92件(前回63件)、感染者数は144件(前回129件)であった。
     なお、患者に関する任意報告は6件(前回1件)であった。今回報告件数は前回報告と比較して、患者は29件の増、感染者は15件の増であった。

  2.  感染経路別に見ると、AIDS患者では異性間性的接触によるものが37件、HIV感染者では同性間性的接触によるものが80件とそれぞれ第1位を占めていた。これは前回同様の傾向と言える。患者の感染経路が不明の例が増加しているのも今回の特徴である。
     年齢別では前回同様、患者・感染者ともに各年齢層に分布しているものの、患者では30代以上、感染者では20代〜30代が占める割合が高い。
     性別では、女性は異性間性的接触による感染、男性は異性間・同性間性的接触とも増加傾向にあると言える。

  3.  今回の報告では、患者・感染者数ともに増加しているが、特に患者数の増加が目立っている。この傾向は男女ともに認められるが、この傾向が一時的なものであるかどうか、今後の動向に注意していかなくてはならない。

  4.  平成13年第2四半期における保健所でのHIV抗体検査・相談受付実施件数を集計した。検査件数は18,367件(前回11,370件)、相談件数は36,342件(前回25,400件)であり、今後の推移に注目していきたい。

 

結果報告
  1.  本日の委員会では、平成13年3月26日から6月24日までの感染症法に基づく患者・感染者報告並びに平成13年4月1日から6月30日までの任意報告を解析した。

  2.  平成13年3月26日から6月24日までの間に感染症法に基づき報告されたエイズ患者は92件、HIV感染者は144件であった。
     患者92件、感染者144件の内訳は、

    (1)

    感染原因別では、異性間の性的接触による患者37件、感染者48件、同性間の性的接触による患者24件、感染者80件、母子感染による患者が1件、その他の原因による患者4件、原因不明の患者26件、感染者16件であった。
    (2) 性別では男性患者77件、感染者125件、女性患者15件、感染者19件であった。
    (3) 年齢区分別では、患者は10歳未満1件、20代15件、30代34件、40代16件、50歳以上26件、感染者は10代2件、20代52件、30代51件、40代18件、50歳以上21件であった。
    (4) 国籍別では日本人患者65件、感染者122件、外国人患者27件、感染者22件であった。
    (5) 感染地域別では、国内で感染した患者53件、感染者116件、海外で感染した患者20件、感染者18件、感染地域不明患者19件、感染者10件であった。

  3.  患者92件、感染者144件のうち

    (1)

    異性間の性的接触による患者37件、感染者48件のうち日本人男性は、患者25件、感染者27件、日本人女性は、患者3件、感染者10件であった。また、外国人男性は、患者4件、感染者5件、外国人女性は、患者5件、感染者6件であった。
    (2) 日本人男性患者60件のうち20代6件、30代21件、40代13件、50歳以上20件、日本人男性感染者111件のうち、10代1件、20代43件、30代35件、40代12件、50歳以上20件であった。また、日本人女性患者5件のうち、30代2件、40代1件、50歳以上2件、日本人女性感染者11件のうち10代1件、20代4件、30代3件、40代2件、50歳以上1件であった。
    (3) 外国人男性患者17件のうち20代3件、30代8件、40代2件、50歳以上4件、外国人男性感染者14件のうち20代3件、30代8件、40代3件であった。また、外国人女性患者10件のうち10歳未満1件、20代6件、30代3件、外国人女性感染者8件のうち20代2件、30代5件、40代1件であった。
    (4) 国内感染による患者53件のうち日本人男性が42件、日本人女性が4件、外国人男性が4件、外国人女性が3件であった。また、国内感染による感染者116件のうち日本人男性が100件、日本人女性が9件、外国人男性が6件、外国人女性が1件であった。
    (5) 海外感染による患者20件のうち日本人男性が10件、日本人女性が1件、外国人男性が5件、外国人女性が4件であった。また、海外感染による感染者18件のうち日本人男性が7件、日本人女性が2件、外国人男性が4件、外国人女性が5件であった。

  4.  任意報告により

    (1)

    キャリア等からエイズ患者になったとの報告は6件であった。
    (2) 患者・感染者の死亡11件は10件がエイズが原因、1件がそれ以外の原因であった。
    (3) 死亡報告11件のうち20代1件、30代1件、40代3件、50歳以上6件であった。
    (4) 国籍別では日本人患者65件、感染者122件、外国人患者27件、感染者22件であった。
    (5) 感染地域別では、国内で感染した患者53件、感染者116件、海外で感染した患者20件、感染者18件、感染地域不明患者19件、感染者10件であった。

  5.  今回11名の死亡報告があり、累積死亡報告数は1,225名となった。

  6.  平成13年4月から6月末までの保健所におけるHIV抗体検査件数は18,367件、保健所における相談件数は36,342件であった。

  7.  平成13年1月から6月末日までの献血件数2,833,396件のうち、HIV抗体陽性件数は29件であった。