平成１４年１月３１日

1. 今回の報告期間は平成１３年１０月１日より１２月３０日までの約３ヶ月であり、法定報告に基づく新規ＨＩＶ感染者報告数は１７９件、新規ＡＩＤＳ患者報告数は７９件であった。
   
   
2. 感染経路別に見ると、新規報告のＨＩＶ感染者では同性間性的接触によるものが８４件（約４７％）と第１位であり、そのうち８２件が日本人男性であった。また、異性間性的接触による新規感染者報告数は６０件（約３４％）であり、感染経路として依然重要である。一方、新規報告のＡＩＤＳ患者では異性間性的接触によるものが３１件、同性間性的接触によるものが２４件で、前回同様、やや異性間性的接触によるものが多い。また、感染経路が不明の例が感染者・患者いずれの報告においても増加していることも、今回の特徴である。
   
   年齢別では、前回同様、感染者・患者ともに各年齢層に分布しており、また感染者では２０代〜３０代、患者では３０代以上の占める割合が高いことも前回同様である。性別でみると、感染者・患者とも男性が８割以上を占めており、これは前回同様の傾向である。
   
   
3. 平成１３年の保健所におけるＨＩＶ抗体検査・相談受付実施件数は、前年に比べて増加がみられ、検査件数は２１，１８３件増（約４３％増）の６９，９３７件、相談件数は３４，００５件増（約３２％増）の１４１，２７１件であった。今後の推移に注目していきたい。なお、平成１３年４月２４日付け厚生労働省健康局疾病対策課長名通知に基づき１０月末日まで実施されたＨＩＶ抗体検査とＨＣＶ抗体検査の併用の検査件数は３４，８６７件であった。
   
   
4. 平成１３年の新規ＨＩＶ感染者報告数（速報値）は過去最高の６１４件で、前年に比べて１５２件増（約３３％増）である。ただし、新規ＡＩＤＳ患者報告件数（速報値）は前年とほぼ同じ３２３件であった。５．平成１３年の献血件数（速報値）は５，７７２，７５９件で、そのうちＨＩＶ抗体陽性件数は７９件、１０万人当たりの陽性人数は１．３６８人であった。昨年の１０万人当たりの陽性人数は、１．１４０人、一昨年は１．０４２であり、年々増加している。
   
   
   ※なお、平成１３年のＨＩＶ感染者・ＡＩＤＳ患者数の確定値については、次回報告する。

1. 平成１４年１月３１日エイズ動向委員会の結果報告について１本日の委員会では、平成１３年１０月１日より１２月３０日までの感染症法に基づく患者・感染者報告並びに平成１３年１０月１日から１２月３１日までの任意報告を解析した。
   
   
2. 平成１３年１０月１日より１２月３０日までの間に感染症法に基づき報告されたエイズ患者は７９件、ＨＩＶ感染者は１７９件であった。
   
   患者７９件、感染者１７９件の内訳は、
   
   

   (1)	感染原因別では、異性間の性的接触による患者３１件、感染者６０件、同性間の性的接触による患者２４件、感染者８４件、静注薬物濫用による感染者１件、母子感染による感染者１件、その他の原因による患者２件、感染者５件、原因不明の患者２２件、感染者２８件であった。
   (2)	性別では男性患者６４件、感染者１５０件、女性患者１５件、感染者２９件であった。
   (3)	年齢区分別では、患者は２０代１３件、３０代３１件、４０代１８件、５０歳以上１７件、感染者は１０歳未満１件、１０代２件、２０代６０件、３０代６５件、４０代３２件、５０歳以上１９件であった。
   (4)	国籍別では日本人患者５９件、感染者１４５件、外国人患者２０件、感染者３４件であった。
   (5)	感染地域別では、国内で感染した患者５１件、感染者１３６件、海外で感染した患者９件、感染者１７件、感染地域不明患者１９件、感染者２６件であった。

   
   
3. 患者７９件、感染者１７９件のうち
   
   

   (1)	異性間の性的接触による患者３１件、感染者６０件のうち日本人男性は、患者１９件、感染者３０件、日本人女性は、患者４件、感染者１０件であった。また、外国人男性は、患者５件、感染者１０件、外国人女性は、患者３件、感染者１０件であった。
   (2)	日本人男性患者５１件のうち２０代１０件、３０代１５件、４０代１３件、５０歳以上１３件、日本人男性感染者１３２件のうち、１０歳未満１件、１０代１件、２０代４６件、３０代４５件、４０代２４件、５０歳以上１５件であった。また、日本人女性患者８件のうち、２０代３件、３０代３件、４０代２件、日本人女性感染者１３件のうち２０代６件、３０代３件、４０代２件、５０歳以上２件であった。
   (3)	外国人男性患者１３件のうち３０代７件、４０代３件、５０歳以上３件、外国人男性感染者１８件のうち２０代２件、３０代１０件、４０代４件、５０歳以上２件であった。また、外国人女性患者７件のうち３０代６件、５０歳以上１件、外国人女性感染者１６件のうち１０代１件、２０代６件、３０代７件、４０代２件であった。
   (4)	国内感染による患者５１件のうち日本人男性が４２件、日本人女性が４件、外国人男性が４件、外国人女性が１件であった。また、国内感染による感染者１３６件のうち日本人男性が１１５件、日本人女性が９件、外国人男性が５件、外国人女性が７件であった。
   (5)	海外感染による患者９件のうち日本人男性が２件、日本人女性が２件、外国人男性が２件、外国人女性が３件であった。また、海外感染による感染者１７件のうち日本人男性が７件、日本人女性が２件、外国人男性が５件、外国人女性が３件であった。

   
   
4. 任意報告により
   
   

   (1)	キャリア等からエイズ患者になったとの報告５件であった。
   (2)	患者・感染者の死亡９件は８件がエイズが原因、１件がそれ以外の原因であった。
   (3)	死亡報告９件のうち２０代１件、３０代２件、４０代３件、５０歳以上３件であった。

   
   
5. 今回９名の死亡報告があり、累積死亡報告数は１,２４８名となった。
   
   
6. 平成１３年１０月から１２月末までの保健所におけるＨＩＶ抗体検査件数は１７，４３４件、保健所における相談件数は３５，９２３件であった。
   
   
7. 平成１３年１月から１２月末日までの献血件数５，７７２，７５９件（速報値）のうち、ＨＩＶ陽性件数は７９件であった。