国連合同エイズ計画（UNAIDS）の年次報告書Global AIDS UPDATE 2025が7月10日に公表されました。タイトルは『エイズ、危機、そして変革の力（AIDS, Crisis and the Power to Transform）』です。
報告書は基本的に2024年末までの成果と課題をまとめたものなのですが、今回はあえて2025年前半の『重大な地政学的変化』にも大きく踏み込んでいます。
『世界のHIV対策に最も大きく貢献してきた国が突然、資金を引き揚げたことから、2025年の前半には世界中の治療・予防プログラムに大きな混乱が生じました』
こうした状態が続けば『2029年までに新たにHIVに感染する人が600万人増え、エイズ関連の死亡者数は400万人増加する』との見通しも示しています。
もともと世界のエイズ対策は、困難な状況の中で出発し、組み立てられてきた歴史があり、報告書は、危機を克服する復元力と変革の力に期待をかけていますが、『重大な地政学的変化』の影響は厳しく受け止めざるを得ません。

概要版の日本語訳です。

概要版（Executive Summary）の原文（英語）はこちらでご覧ください。

同時に発表されたプレスリリースの日本語訳です。

英文プレスリリースはこちらをご覧ください。

年次報告書『AIDS, Crisis and the Power to Transform』原文はこちら